1,3-双極子
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1,3-双極子付加反応
1,3-双極子は二重結合に対して原子 X と原子 Z を反応点とした付加反応を行い、5員環の環状化合物を生成する。これを 1,3-双極子付加反応 (1,3-dipolar addition) という。ヘテロ5員環化合物を合成するのに重要な反応である。
この反応は [4π+2π]-環化付加反応の一種であり、協奏的に2つの結合が生成する。そのため、同じ [4π+2π]-環化付加反応の一種であるディールス・アルダー反応と同様にシス型の立体特異性を示す。反応相手の二重結合を持つ化合物を、ディールス・アルダー反応のジエノフィル(親ジエン体)にならってダイポーラロフィル(dipolarophile、親双極子)という。
付加の方向の位置選択性はフロンティア軌道理論によって説明される通り、1,3-双極子とダイポーラロフィルのフロンティア軌道の密度が最大となる位置同士で結合が生成する。ディールス・アルダー反応では通常はジエンの最高被占軌道 (HOMO) とジエノフィルの最低空軌道 (LUMO) とが相互作用するのに対し、1,3-双極子付加反応では決まっておらず 1,3-双極子とダイポーラロフィルの組み合わせによって異なる。エネルギー差の小さい方の HOMO-LUMO の組み合わせで相互作用が起こり、それによって位置選択性が決定される。
