3F爆弾
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爆発プロセス
まず起爆用原子爆弾を起爆し核分裂を起こす。
次に核分裂によって生じた超高温・超高圧によって重水素・三重水素 を核融合(熱核反応)させる。
最後に核融合によって生じた高速中性子でウランを使用したタンパーを核分裂させる。
爆発のプロセスはブースト型原爆とほぼ同じではあるが、その原理に差異が見られる。
238Uの原子核は通常、中性子を当てた程度では核分裂を起こさないが、高速中性子が衝突すると核分裂を起こし、エネルギーを放出する。
開発当初はタンパーに238Uが用いられていたものの核分裂連鎖反応の能力が乏しいので、近年では235Uをより多く含む濃縮ウランが用いられている。
歴史
威力
外側にあるウランの核分裂によるエネルギーが加わるので、より大きな威力を出すことができる。300キロトンの核爆弾の場合、起爆用原爆が40キロトン、熱核反応が130キロトン、タンパー部の核分裂反応が130キロトンの威力割合を占める[2]。威力が大きくなる程核融合のエネルギー比率が増大していくが、実用化されている核兵器では核分裂の効果も大きい。
汚い水爆
3F爆弾は「汚い水爆」と呼ばれることがある。外側にウラン製タンパーがない初期型水爆では放射性降下物は主に起爆用の原爆から出る核分裂生成物のみであるが、3F爆弾では外殻の大量のウランが核分裂を起こす上に核分裂しないウランの量も増大するので、それらが爆発によって四散することで広大な範囲に放射能汚染を引き起こすためである[3]。
もっとも、初期型水爆も起爆用に原爆を用いているためそれによる放射能汚染は避けられず、また核融合反応でも膨大な量の中性子が放たれ、それが大気中の窒素原子に衝突して14C[4]を生成するなどの影響がある。
起爆用原爆を用いないで核融合を起こす「純粋水爆(綺麗な水爆)」は早くから研究されて来たが、核融合に必要な超高温度・超高圧力を得ることができず、2018年現在、まだ実用化されていない。詳しくは「水素爆弾」参照。