Ayuca
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概要
2002年12月20日、岐阜市は国土交通省(旧運輸省と旧建設省)及び警察庁が連携して創設したオムニバスタウンに指定された。岐阜市のオムニバスタウン事業「オムニバスタウンぎふ」ではバス交通基盤の整備・強化の一環としてバスレーンの導入のほか、料金支払いの簡便化のためにICカードの導入を検討した[2]。
2006年12月1日、岐阜乗合自動車(岐阜バス)がオムニバスタウン事業の一環として、国・岐阜県・岐阜市の協力を得て、ICカード乗車券「ayuca」を発売した[3]。取扱窓口は岐阜バスターミナル、JR岐阜案内所、岐阜バス各営業所のほか、岐阜バスグループの岐阜バスコミュニティ各務原営業所、岐阜バスコミュニティ八幡八幡営業所、岐阜バストラベル関旅行センター、岐阜バストラベル大垣旅行センターでも取り扱いを行った。2007年3月16日からayuca定期券が発売開始された[4]。
ayucaに対応する自動運賃収受システムは岐阜県本巣市に本社を置くレシップ製が採用されている[5][6][7]。
2022年12月、岐阜バスが2024年春を目途にmanacaを、2026年春を目途にmanaca定期券を導入し、その後ayucaを廃止する検討を行っていることが報道された[報道 2][報道 3][報道 4]。その後、2024年3月2日にmanacaなど全国10種類の交通系ICカードが導入された(manaca定期券はこの時点では未導入)[8]。
2026年1月7日、岐阜バスは同年2月16日から「manaca」を販売開始し、同年12月31日で「ayuca」を廃止する事を発表した[1]。ayucaの新規発券は2026年2月15日を以って終了し、同年12月31日にayucaのチャージ、紛失・破損登録など窓口での取扱い全般、及びバスでの利用が終了となる。ayuca定期券の新規・継続発券も2026年2月15日を以って終了し、翌2月16日以降はmanaca定期券で発行される[報道 5]。なお、2026年2月15日までに発行したayuca定期券は通用期間終了まで使用できる[1]。また、manaca定期券の発売に伴い、通勤定期券・通学定期券における2ヶ月定期券が廃止され、通学学期定期券も2ヶ月と端数を付与した定期券が廃止された[9]。
種類
SF(ストアードフェア)機能のみの「ayuca」と、定期券機能が付加された「ayuca定期券」に大別される。それぞれ乗車対象者に応じて種類が異なる。
また、岐阜市に居住する70歳以上の高齢者を対象者とした、「ayuca」を元に作成している「高齢者おでかけバスカード」も存在する(交付申請必要。初回交付時に限り額面3,000円がチャージ済み。運賃は終日2割引)[10]。
ayuca
- 普通カードのみ記名式・無記名の選択が可能。
- 普通カード以外は全て記名式カードであり、記名された本人以外は使用できない。
- 購入時に、こどもカードは年齢の確認できる物、通学カードは学生証等、障がい者カードは障害者手帳等の証明書が必要。
- 通学カードおよび障がい者カード(小児)は、複数人支払いができない。こどもカードは2011年10月1日から可能となった。
- 記名式カードの券面には氏名・性別・有効期限が印字され、カード紛失時には再発行が可能。
- 通学カードの発行は2011年9月30日限りで終了。既に所持している通学カードは同年10月1日以降、有効期限後もそのまま利用できるが、普通カードへの切り替えも可能。
ayuca定期券
| 種類 | 記名有無 | 対象 | 付加されるayuca | |
|---|---|---|---|---|
| 通勤 | 大人用 | 記名式 | 一般大人 | 普通カード |
| 小児用 | 記名式 | 小児 | こどもカード | |
| 障がい者(大人) | 記名式 | 障がい者大人 | 障がい者カード(大人) | |
| 通学 | 大人用 | 記名式 | 通学を目的とする一般大人 | 通学カード |
| 小児用 | 記名式 | 通学を目的とする小児 | こどもカード | |
| 障がい者(大人) | 記名式 | 通学を目的とする障がい者大人 | 障がい者カード(大人) |
- 購入条件はayucaと同じである。
- ayuca定期券にはayucaが自動的に付加されており、期限はayucaと同じである。
- 通常の定期券以外に「平日定期券」・「片道定期券」が存在した。通勤平日定期券と通勤片道定期券は2011年3月13日を以って、通学片道定期券は2013年3月17日を以って[11]、通学平日定期券は2022年3月31日を以って発売を終了した[12]。
- 通勤定期券の通用期間は1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月・6ヶ月。
- 通学定期券の通用期間は1ヶ月・2ヶ月・3ヶ月・6ヶ月・1年・学期。
- 1年定期券は、購入日にかかわらず「4月1日から翌年3月31日」が通用期間となる。
- 学期定期券は、1ヶ月以上4ヶ月未満の間で通用期間を自由に指定可能。例)4月8日から7月20日まで。
- 通学定期券の通用区間は、自宅最寄りバス停と学校最寄りバス停の間に限定される。
- 通勤定期券には、岐阜市内均一運賃区間ならどこでも乗降可能な「均一フリー定期」が存在する。
沿革
ayucaの導入以前は磁気式バスカードを導入していた。
岐阜市が国土交通省・警察庁により指定されたオムニバスタウン事業の一環として、バス利用者の利便性を向上させる目的で導入した。東海3県(愛知・岐阜・三重)の交通系独自のICカードシステムの導入は東海旅客鉄道(JR東海)のTOICAに次いで2例目で、バス会社としては東海3県で初めてであった。
年表
- 2006年
- 12月1日 - ayuca発売。
- 12月11日 - バス車内でayuca(普通カード・無記名)を販売開始。
- 2007年
- 3月16日 - ayuca定期券を販売開始。
- 3月31日 - 磁気式バスカード及び紙製定期券の発行が終了し、定期券はayuca定期券に統一された。
- 2008年
- 1月1日 - 磁気式バスカードの発行終了に伴う払い戻しを開始。
- 3月31日 - 磁気式バスカードの取り扱いを終了。
- 9月30日 - 磁気式バスカードの払い戻しを終了。
- 2009年
- 3月15日 - 岐阜市コミュニティバス(ぎふっこバス)で利用開始。
- 2011年
- 2013年
- 3月17日 - ayuca定期券の通学片道定期券が発売終了。
- 10月1日 - みずほバスで利用開始。
- 2014年
- 2015年
- 1月3日 - 大野バスセンター内の観交ステーションに自動入金機が設置される。
- 10月1日 - 各務原市ふれあいバスで利用開始。
- 2018年
- 7月11日 - 道の駅パレットピアおおのに自動入金機が設置される。
- 2021年
- 11月30日 - この日を最後に、ayucaポイント付与サービスが終了した[16]。既に加算されたポイントは12月以降も使用できる。
- 2022年
- 3月18日 - ayuca定期券の通学1年定期券が発売開始。
- 3月31日 - ayuca定期券の通学平日定期券が発売終了。
- 9月1日 - この日より運行を開始する岐南町コミュニティバスで利用開始。
- 2026年
- 2月15日 - ayuca(普通カード・無記名)の販売とayuca定期券の発行を終了。
- 2月16日 - 岐阜バスの窓口でもmanacaの販売を開始。
- 12月31日 - ayucaのサービスが終了する予定。
購入・返却・再発行について
- ayucaの発売額は3,000円。そのうち2,500円が利用可能額であり、残り500円はデポジットである。チャージ(積み増し入金)することにより、カードは繰り返し使用できる。普通カード以外のayucaにはカード有効期限(SF有効期限)が存在するので、岐阜バスターミナル・岐阜バスJR岐阜案内所・岐阜バス各営業所等においての更新手続きが必要である。また、10年間無使用の場合は失効する。また、電話問い合わせでカード有効期限・残額の照会は不可となっている。この際は取扱窓口・自動入金機・残額表示機での照会しか出来ない[17]。
- ayuca定期券の発売額は定期運賃に500円を加算した額。ayucaと同じく500円はデポジットである。既にayucaを所持している場合、そのカードに定期券機能を付加してayuca定期券にすることが可能である(この場合、定期運賃だけの支払いでよい)。
- カードを返却する際には、所定の払い戻し手数料(ayucaは210円・ayuca定期券は530円、両方を同時に払い戻す際は530円)を差し引いた残高とデポジット500円が払い戻される。ただし、乗車ポイント還元額は払い戻されない。また、払い戻す際にカード残高が210円に満たない場合は、その額が手数料になる。また、ayuca定期券を払い戻す際も払い戻し対象額、または払い戻し対象額とカード残高を合算した額が530円に満たない場合もそれぞれの額が手数料となる。ただし、路線の廃止や大幅な減便を理由として当該区間を含むayuca定期券を払い戻す場合はこの限りではない。
- 530円の手数料を支払って、ayuca定期券の乗車バス停・経由バス停・降車バス停を変更する事ができるが、変更前と変更後で乗車バス停 - 降車バス停間の運賃が異なる場合は手数料に加えて差額を支払う必要がある。ただし、路線の廃止や大幅な減便を理由として当該区間を含む定期券の区間を変更する場合はこの限りではない。
- 記名式カードは紛失・盗難時に、再発行手数料530円とデポジット500円を支払うことにより再発行が可能である。
- ayuca定期券の発行時に、乗降可能バス停一覧表が配布される(今までと乗降可能なバス停が異なる可能性がある)。
- ayuca定期券は2026年2月15日以降も有効期限まで利用可能。ayucaのサービス終了後は、2027年1月から12月まで無手数料で払い戻しを行う[1]。
ポイントサービス
2021年11月30日まで、バス乗車の利用金額に応じてポイントが貯まっていた。貯まったポイントを還元することにより、カード残額(利用可能額)に加算されていた。
- ポイント還元額がある場合は、ポイント還元額が優先して運賃の支払いに充てられる(ポイント還元額は2021年12月1日以降も利用可能)
- 定期券区間内の利用およびポイント還元額の利用にポイントは付かない。
- 岐阜市コミュニティバスおよび関市内巡回バスではポイントは付かない。また、ポイント還元額も利用できない。
- ポイントの還元率は 1ポイント=1円。管理単位は小数第1位までで、小数第2位は切り上げる。
- 未還元のポイントは、カードが失効・無効にならない限り無期限有効。
- 2006年12月1日から2011年9月30日まで
カードの種類・利用日・時間帯により、乗車1回ごとの利用金額に対して次表の割合でポイントが付与される。
| 種類 | 利用日・時間帯(降車時基準) | 付与率 |
|---|---|---|
| 普通カード 障がい者カード | 下記を除く | 14.5% |
| 平日10時から16時まで 土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日 | 40.0% | |
| 通学カード こどもカード | 下記を除く | 35.0% |
| 平日10時から16時まで 土曜、日曜、祝日、8月13日 - 15日および12月29日 - 1月3日の終日 | 40.0% |
ポイントの還元は、次にチャージするときに自動的に行われる。100ポイント単位で還元され、100ポイント未満の端数は繰り越される。
- 2011年10月1日から2021年11月30日まで[15]
乗車1回ごとの利用金額に対するポイントは「基本ポイント」となり、これに暦月1ヶ月間の累計利用金額に対する「ボーナスポイント」が加わる。
- 基本ポイントは、カードの種類・利用日・時間帯にかかわらず付与率は2%。
- ボーナスポイントは、当月1日から末日までの累計利用金額が一定額に達した場合に、次表のように付与される。
| 1ヶ月間累計利用金額 | 付与ポイント | 累計ポイント |
|---|---|---|
| 2,000円未満 | なし | なし |
| 2,000円到達時 | 50ポイント | 50ポイント |
| 5,000円到達時 | 100ポイント | 150ポイント |
| 10,000円到達時 | 150ポイント | 300ポイント[注 3] |
ポイントの還元は、基本ポイント・ボーナスポイントとも、翌月以降初めて降車するときに自動的に行われる。10ポイント単位で還元され、10ポイント未満の端数は繰り越される。
乗継割引
- 2乗車1組45分以内の乗り継ぎで、第2乗車の運賃を40円引き(障がい者カード(大人)は20円引き、障がい者カード(小児)は10円引き)。
- 各種コミュニティバスとの乗り継ぎも対象になる。
- 複数人支払い、深夜バス、通学カード、こどもカードは対象外。
- 第1乗車と第2乗車とで運賃種別が異なる場合は対象外(第1乗車で不足分現金精算をして、第2乗車前にチャージした場合も含む)。
- 第2乗車のバスに乗車する際にカードをタッチし忘れた場合には、乗継割引が適用されない場合がある。
- 時刻表の所定時刻では45分以内で乗継ができるようになっていても、第2乗車のバスが遅延したことによって45分以内に乗継ができなかった場合は割引は適用されない。
使用方法
ayuca利用時
カード残額が少ない時は使用前に、バス車内、営業所・案内所などの取扱窓口または岐阜市役所・大学病院などにある自動入金機でチャージ(入金)しておく。カードには1,000円単位で最高20,000円までチャージできる。
- 乗車時に入口の乗車リーダーにカードをタッチすると、カードに整理券番号が記録される。整理券は取らなくてよい。
- 降車時に運賃箱の降車リーダーにカードをタッチすると、事前にチャージしておいたSFから、運賃が引き落とされる。
- カード残額が不足した場合、「カード残額が不足です」と音声メッセージが流れるので、現金で精算するか、その場でayucaにチャージして運賃を支払う。
- 乗車時にカードをタッチするのを怠った場合、下車時にカードをタッチすると、「ご乗車になった停留所をお知らせください」と音声メッセージが流れるので、市内均一区間外を走行する路線の場合は、乗車したバス停を申告するか、代わりに受け取った整理券を運転士に手渡して運賃を差し引いてもらう。この場合、乗継割引が適用されない場合がある。
ayuca定期券利用時
- 乗車時に入口の乗車リーダーにカードをタッチする。この時に、車内前方の運賃表を見て実際に乗車するバス停名が表示されているか確認したほうが良い。もし違ったままタッチすると、降車時に乗車区間が定期券の範囲内でも乗り越し精算扱いになってしまうことがある。タッチすると、カードにバス停情報が記憶される。
- 降車時に運賃箱の降車リーダーにカードをタッチする。
- 乗車区間がすべて定期区間内の場合、「ピッ」と音がして降車できる。
- 乗車区間に定期券の範囲外が含まれる場合、「乗り越し精算しました」(カード残額が乗り越し区間の運賃以上の場合)または「ピーッ」(カード残額不足の場合)と音がする。残額不足の場合、現金で不足分を支払うかその場でayucaにチャージして乗り越し分の運賃を支払う。
- 乗り越し精算の際に支払う運賃は、乗り越した区間を普通に乗車した時の運賃と同じである。
- 乗車時にカードをタッチするのを怠った場合、下車時にカードをタッチすると、「ご乗車になった停留所をお知らせください」と音声メッセージが流れるので、乗車したバス停を申告して処理をしてもらう(区間外精算の必要がない場合は、定期券の表面を運転士に提示しても良い)。
取り扱い区間
相互利用

2013年3月23日から交通系ICカード全国相互利用サービスが開始されたが、ayucaについては相互利用サービスが始まる前に導入されたため、当時設置した約320台の運賃箱はayuca専用で相互利用には対応しておらず、更新には億単位の投資が必要なため[報道 6]、TOICAやmanacaなどとの片利用扱いも含めて相互利用を見合わせており[報道 7]、ayuca以外の交通系ICカードは使用不可の状態となっていた[注 4]。
2024年3月2日よりmanacaとの片利用が開始され[8]、岐阜バスでも2026年2月16日からmanacaを完全導入すると同時に、岐阜バスでもmanacaの各種手続きやmanaca・TOICA・Suicaなど交通系ICカードの全国相互利用対応カードによるチャージが利用可能となった[1]。なお、2015年(平成27年)7月に国土交通省においては、地元利用・圏外利用・外国人利用の利便性も踏まえたayucaを含む地域独自カードエリアにおいて、manaca、TOICAなどの全国相互利用サービス対応の10カードを片利用可能にする新システムの開発、支援を検討していることを発表している[20]。