CD45

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CD45またはPTPRC: protein tyrosine phosphatase receptor type C)は、ヒトではPTPRC遺伝子にコードされる酵素である[5]。当初は、白血球共通抗原(leukocyte common antigen、LCA)と呼ばれていた。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号PTPRC, B220, CD45, CD45R, GP180, L-CA, LCA, LY5, T200, protein tyrosine phosphatase, receptor type C, protein tyrosine phosphatase receptor type C
概要 PTPRC, PDBに登録されている構造 ...
PTPRC
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1YGU, 1YGR, 5FMV, 5FN6, 5FN7

識別子
記号PTPRC, B220, CD45, CD45R, GP180, L-CA, LCA, LY5, T200, protein tyrosine phosphatase, receptor type C, protein tyrosine phosphatase receptor type C
外部IDOMIM: 151460 MGI: 97810 HomoloGene: 2126 GeneCards: PTPRC
遺伝子の位置 (ヒト)
1番染色体 (ヒト)
染色体1番染色体 (ヒト)[1]
1番染色体 (ヒト)
PTPRC遺伝子の位置
PTPRC遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点198,638,457 bp[1]
終点198,757,476 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
1番染色体 (マウス)
染色体1番染色体 (マウス)[2]
1番染色体 (マウス)
PTPRC遺伝子の位置
PTPRC遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点137,990,599 bp[2]
終点138,103,446 bp[2]
RNA発現パターン




さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 phosphoprotein phosphatase activity
ホスファターゼ活性
血漿タンパク結合
transmembrane receptor protein tyrosine phosphatase activity
プロテインキナーゼ結合
加水分解酵素活性
protein tyrosine phosphatase activity
細胞の構成要素 integral component of membrane

焦点接着
細胞膜
integral component of plasma membrane
cell surface
脂質ラフト
エキソソーム
external side of plasma membrane
secretory granule membrane
生物学的プロセス B cell receptor signaling pathway
cell cycle phase transition
release of sequestered calcium ion into cytosol
negative regulation of protein kinase activity
骨髄の発生
stem cell development
protein dephosphorylation
negative regulation of cytokine-mediated signaling pathway
positive regulation of hematopoietic stem cell migration
regulation of cell cycle
negative regulation of cell adhesion involved in substrate-bound cell migration
negative regulation of T cell mediated cytotoxicity
細胞表面受容体シグナル伝達経路
B cell proliferation
T cell differentiation
positive regulation of B cell proliferation
defense response to virus
positive regulation of T cell proliferation
hematopoietic progenitor cell differentiation
positive regulation of antigen receptor-mediated signaling pathway
T cell receptor signaling pathway
positive regulation of stem cell proliferation
脱リン酸化
positive regulation of protein kinase activity
peptidyl-tyrosine dephosphorylation
好中球脱顆粒
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_001267798
NM_002838
NM_080921
NM_080922

NM_001111316
NM_001268286
NM_011210

RefSeq
(タンパク質)

NP_001254727
NP_002829
NP_563578
NP_563578.2
NP_002829.3

NP_001104786
NP_001255215
NP_035340

場所
(UCSC)
Chr 1: 198.64 – 198.76 MbChr 1: 137.99 – 138.1 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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機能

PTPRC遺伝子によってコードされるタンパク質産物はCD45として最もよく知られており、プロテインチロシンホスファターゼ(PTP)ファミリーのメンバーである。PTPは、細胞成長、分化有糸分裂サイクル、発がん性形質転換を含む、さまざまな細胞過程を調節するシグナル伝達分子である。CD45は細胞外ドメイン、1本膜貫通セグメント、2つのタンデムな細胞内触媒ドメインを含み、受容体型PTPファミリーに属する[6]

CD45はI型膜貫通タンパク質で、赤血球形質細胞を除く、分化したすべての造血系細胞にさまざまなアイソフォームで存在する[7]。CD45はT細胞受容体B細胞受容体を介したシグナル伝達に必須の調節因子である。その機能は、細胞外ドメインを介した抗原受容体複合体の構成要素との直接的な相互作用(一種の共刺激)、または細胞内ドメインを介した抗原受容体シグナル伝達に必要なさまざまなSrcファミリーキナーゼ英語版の活性化である[7]。また、CD45はJAKキナーゼを抑制し、そのためサイトカイン受容体シグナル伝達の負の調節因子としても機能する[7][8]

この遺伝子には選択的スプライシングによる転写産物バリアントが多く存在し、それぞれ異なるアイソフォームをコードしていることが報告されている[6]。CD45のさまざまなアイソフォームに対する抗体は、免疫組織化学的な免疫細胞種の区別やリンパ腫癌腫の組織断片の鑑別のために一般的に利用されている[9]

アイソフォーム

CD45タンパク質ファミリーは複数のメンバーから構成されるが、全てPTPRC遺伝子の産物である。この遺伝子は34個のエクソンからなり、細胞外ドメインと細胞内ドメインの双方が非常に大きい、巨大なタンパク質を産生する。エクソン4、5、6(タンパク質のA、B、C領域に対応する)は選択的スプライシングを受け、この3つのエクソンの全ての組み合わせによって最大で8種類の異なるタンパク質が産生されうる[10]

CD45の巨大な細胞外ドメインは高度にグリコシル化されており、これらのアイソフォームの側鎖の構造には大きな多様性が存在する。アイソフォーム間の差異はタンパク質のN末端領域に生じる。この領域は細胞から直線的に伸び、O結合型糖鎖が存在している[10]

CD45のアイソフォームは細胞種と分化段階に特異的な発現を示し、そのパターンは哺乳類できわめてよく保存されている[11]。これらのアイソフォームは、免疫細胞の種類を同定し区別するマーカーとしてよく利用されている。

ナイーブT細胞英語版は、通常A領域のみを含むCD45RAを発現している。最も短いアイソフォームでA、B、C領域を全て欠くCD45ROは、活性化されたメモリーT細胞や一部のB細胞、活性化された単球マクロファージ顆粒球で発現している[10]。B細胞は3つのエクソンをすべて含むCD45R(CD45RABC)を発現しており、B220とも呼ばれている[12]。B220の発現はB細胞に限らず、一部の樹状細胞などでも発現している[13]

相互作用

PTPRC(CD45)は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

CD45はHCMVのUL11タンパク質と相互作用することが近年示された。この相互作用はT細胞の機能的麻痺を引き起こす[21]。さらに、CD45はD種アデノウイルス19a型のE3/49Kタンパク質がNK細胞とT細胞の活性化を阻害するための標的であることも示されている[22]

臨床的重要性

CD45はすべての白血球に存在するチロシンホスファターゼ活性を持つタンパク質で、造血系のシグナル伝達の調節に関与している。マウスやヒトの非形質転換型造血系細胞ではCD45と脂質ラフトとの共局在は見られないが、急性骨髄性白血病(AML)への発がん性形質転換によってCD45は脂質ラフト内へ位置するようになる。AML細胞でのCD45の脂質ラフトへの共局在は、白血病細胞の増殖に関与するGM-CSFシグナル強度の増加に寄与する[23]

コンジェニックマーカーとしての利用

マウスには、CD45.1とCD45.2(歴史的にそれぞれLy5.1、Ly5.2とも呼ばれる)という2つの区別可能なアレルが存在する[24]。これらCD45の2つのタイプは機能的には同一であると考えられている。そのため、これらは細胞を区別するためのコンジェニックマーカーとして科学研究で一般的に利用されている。例えば、CD45.1を持つ供与体マウスの白血球をCD45.2を持つ宿主マウスへ移植することで、その後CD45.1の発現によって移植された白血球に由来する細胞を同定することができる。この技術はキメラを作製する際に一般的に利用されている。他のシステムとして、CD90英語版(Thy1)のアレル(CD90.1/CD90.2)もCD45.1/CD45.2と同様に利用されている。

出典

関連文献

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