CENP-F
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CENP-F(centromere protein F)は、ヒトではCENPF遺伝子にコードされるタンパク質である[5][6][7]。細胞分裂時の染色体分離のほか、繊毛形成のための微小管配向にも関与している[8][9]。
機能
CENP-Fは、細胞周期のG2期(有糸分裂に備えて迅速にタンパク質合成を行う段階)には核マトリックスの一部を構成している。G2期の終盤には、CENP-Fはキネトコアの一部を形成する。キネトコアは円盤型のタンパク質複合体であり、姉妹染色分体のセントロメアを微小管へ接着し、紡錘体を形成する。細胞分裂の過程で、姉妹染色分体は微小管によって引き離される。有糸分裂後期(染色分体が分離される段階)の序盤まで、CENP-Fはキネトコアの一部となっている。後期の終盤にはCENP-Fは紡錘体の中央帯(midzone)に局在し、終期(細胞分裂段階)には細胞間橋(intercellular bridge)に局在する。その後は分解されると考えられている。CENPF遺伝子の変異は発生初期段階で細胞分裂の異常をもたらす。この遺伝子が変異している場合、有糸分裂はより長時間かかることが知られている[8][9]。
微小管は細胞骨格の一部を構成するタンパク質構造であり、細胞が多様で複雑な形状と遊走能を持つために必要である。微小管は中心体から形成され、中心体には互いに直交した一対の円筒形の中心小体が含まれている。細胞分裂前には、CENP-Fは中心小体の1つ(母中心小体)の末端に局在し、繊毛と呼ばれる細い細胞突起を形成するよう微小管を適切に配向させる役割を果たしている。繊毛の大部分は一次繊毛(primary cilia)であり、遊走、分裂や分化を開始するための細胞シグナル伝達に関与している。CENPF遺伝子の変異はこの繊毛形成能力を破壊し、繊毛は少なくそして短くなることが知られている[8][10]。