エレクトロ
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エレクトロ(英: Electro(electro-funk もしくは electro-boogie)の略称[1])とは、1980年代前半に流行した電子音楽の1ジャンルである。本項のエレクトロ以外の一般的な意味としてのエレクトロ(Electro)は電気工学と電子工学を含む上位概念の意味である。
| エレクトロ | |
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| 様式的起源 | |
| 文化的起源 | 1980年代初頭のアメリカ合衆国、西ドイツ及び日本 |
| 使用楽器 | シンセサイザー、ショルダーキーボード、ドラムマシン、ヴォコーダー、サンプラー |
| 派生ジャンル | マイアミベース、フリースタイル、テクノ、ジャングル、2ステップ |
| 融合ジャンル | |
| ゲットー・テック、エレクトロクラッシュ、エレクトロ・ハウス、エレクトロ・ポップ、エレクトロ・スウィング、エレクトロ・ホップ、エレクトロニック・ロック | |
| 関連項目 | |
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クラフトワーク アフリカ・バンバータ ローランド・TR-808 | |
歴史
エレクトロ・ファンク・ビートとブレイクビーツの相違点は、エレクトロがひたすら機械的であるのに対して、ブレイクビーツは人間が演奏しているかのように感じるケースもある点とされるが、境界線は曖昧なままである[2]。
エレクトロは、楽器としてリズム・マシンのローランド・TR-808を使い、ヨーロッパの電子音楽とアメリカのファンクが融合して成立した。TR-808は、過去にはオルガンの伴奏として使用され、利用者がリズムパターンをプログラミングすることは許可しなかったが、ボサノヴァなどのセット・パターンは提供することができた。[3][4]一部の初期ブレイクダンスのBGMとして愛用され、後のさまざまなダンスミュージックへ影響を与えた。また、日本の音楽メディアでは、ロック色やニュー・ウェイヴ色が強い電子音を取り入れたダンスポップを「エレクトロ」と呼ぶメディアがあるが、本項目で扱う音楽ジャンルとは異なる。
ニューヨーク、ブロンクス出身のDJであったアフリカ・バンバータが、彼のDJプレイでもよく回していたクラフトワーク[5]の「ヨーロッパ特急」のメロディ、同「ナンバース」(『コンピューター・ワールド』に収録)のビートをサンプリングして旧友アーサー・ベーカーとともに作ったレコード、「プラネット・ロック」(1982年リリース)がその起源とされる。ラップをフィーチャーしたこのレコードでラップをより広め、バンバータはその功績から初期ヒップホップ界の三大DJの一人に数えられることもある[6]。
1982年にラップ、ダンス・シーンで注目された音楽家には、グランドマスター・フラッシュ、ジョージ・クリントン、フーディニ、タイロン・ブランソン、ジョンズン・クルーらがいた[7]。
エレクトロはヒップホップ、テクノ、双方の音楽に影響を与えた。TR-808を使ったビートが特徴的であり、初期はエレクトロ・ファンクとも呼ばれていた。エレクトロは曲の基礎に、繰り返しのビートを使うため、曲によっては単調に聴こえる曲も存在した。この音楽の流行は短命で終わり、1985年を境にメジャーからのレコード発売は減少した。80年代末にはエレクトロを取り入れたマイアミの2ライブ・クルーによってヒットを記録し、アメリカでは1990年代初頭にマイアミベースとして人気を博した。
以降もアメリカのデトロイトや、ヨーロッパなどのアーティストにより、マイナーではあるがエレクトロの作品は作られ続けている。それらは「ニュー・エレクトロ」などと呼ばれる場合もあるが、基本的なスタイルは1980年代初期のそれと変わっていない。