Grokipedia
AIが作成したオンライン百科事典
From Wikipedia, the free encyclopedia
Grokipedia(グロキペディア[1]、グロッキペディア[2])は、xAIが開発し、2025年10月27日に公開されたオンライン百科事典。2025年10月27日夕方時点で、88万5000件以上の記事が存在している[1][注 1]。Wikipediaと異なり読者が記事を直接編集することはできないが、読者はGrokipediaにログインしてポップアップフォームを介して誤った情報を報告することで編集を提案できる。同日、イーロン・マスクはXで「Grokipedia.comは完全にオープンソースなので、誰でも無料で何にでも使用できる」と述べた。Wikipediaに帰属する記事にはクリエイティブ・コモンズの表示-継承ライセンスが適用されるが、他の記事のライセンスは不明確である。
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2025年10月時点 | |
| URL |
grokipedia |
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| 言語 | 英語 |
| タイプ | AI生成オンライン百科事典 |
| 本国 | アメリカ合衆国 |
| 事業地域 | 全世界 |
| 運営者 | xAI |
| IPv6対応 | 対応 |
| 営利性 | 営利 |
| 登録 | 任意 |
| 開始 | 2025年10月27日 |
| 現在の状態 | 現行 |
ライセンス | X Community License(大部分の記事)、Creative Commons BY-SA 4.0(ウィキペディア派生記事またはウィキペディアからコピーした記事) |
背景
Wikipediaは、ボランティアによってオープンコラボレーションを通じて運営されている無料のオンライン多言語百科事典である[4]。歴史上最も読まれている参考文献であるWikipediaは[5]、信頼性を巡る問題とイデオロギー的偏向があると長期間批判されてきた[6]。偏向に対抗しようとする以前のプロジェクトには、2006年のコンサーヴァペディアや[7]、ロシア連邦政府に有利な内容になっていると広く伝えられている2023年のRuwikiなどがある[8][9]。マスクはウィキペディアが「極左活動家に支配されている」としてその運営にかねてより批判的な見解を述べていた[10]。
概要
かねてからWikipediaが中立的ではないと批判し、代替サービスの必要性を主張してきたイーロン・マスクによってプロジェクトが主導された。Grokipediaの記事は、Grokによって生成及びファクトチェックされている[1][2][11][12]。
2025年9月30日にGrokipediaが開発されていることが初めて明かされ、2025年10月27日に公開された。公開された時のバージョンは「0.1」とされており、マスクは、「バージョン1.0では10倍良くなる予定だが、0.1の段階でも既にWikipediaより優れている」と語っている[13]。バージョン0.1時点では日本語に対応していない[14]。
2025年11月21日、バージョン0.2がリリースされた[15]。
マスクは、Grokipediaを現代のアレクサンドリア図書館のようなものだと述べ、アレクサンドリア図書館が焼失し蔵書が失われたことを踏まえ、知識の喪失を防ぐためにデータのコピーを月や火星・深宇宙に送る予定であるとした。また、SF作家のアイザック・アシモフとダグラス・アダムズに敬意を表し、将来的に「Encyclopedia Galacta」に改名する予定であると述べている[16][17]。
コンテンツ
Grokipediaの記事は、大規模言語モデルのGrokが記事の生成とファクトチェックを行っている[18]。ログインユーザーは記事の誤りを報告できるが、直接編集することはできない[19]。ウィキペディアの記事とほぼ同一内容の記事もあるが、Grokipediaの引用形式は異なっている[20][21]。Forbesは、PlayStation 5、Lamborghini、AMDなどの記事は、ウィキペディアの記事をコピーして作られたものであることを指摘した[22]。ウィキペディアの記事を元に生成された記事はクリエイティブ・コモンズの表示-継承ライセンスを継承しているが、他の記事は「X Community License」が適用されている[23]。このライセンスは、非商用と研究目的のためには再利用とリミックスが認められているが、商用目的の利用には、「xAIの利用規約(Acceptable Use Policy)で提供されたすべてのガードレール(all of the guardrails provided in xAI's Acceptable Use Policy)」に従って使用しなければならない[24]。 GIGAZINEも、一部の記事についてWikipediaからコピーされていることを指摘した[25]。
2025年10月31日、マスクはウィキペディアの複製は意図的に行ったと弁明し、GrokipediaチームがGrokにウィキペディアの上位100万記事を編集し、コンテンツを変更するように命令したと述べた[26]。サイトは、単純なホームページに大きな検索バーが置かれているのみで[27]、ミニマリストのデザインと説明されている[27][28]。当初、記事に画像は無かったが[29]、2026年1月から各項目(記事)に画像と基本情報テンプレート (infobox) の挿入・掲載を始めた[30]。
信頼性
2025年11月のコーネル大学の研究では、調査した記事の内、Grokipediaは、学術コミュニティでは「極めて信頼性が低い(very low credibility)」とされる出典を12,522回引用しており、Twitterユーザー間の会話やGrok AIチャットボットの発言を1,050回使用していることが明らかになった[31]。後者の例としては、ユーザーがGrokチャットボットに対して、ベルギーの政治家について「汚い情報を掘り起こしてほしい(dig up some dirt)」と指示した会話が出典として使用されていた[31]。この研究では、GrokipediaとWikipediaは、上位100の出典中57件で同じ出典を使用していたものの、Grokipediaの出典の5.5%は異なっており、Wikipediaがブラックリストに掲載している情報源(陰謀論サイトのInfowars、白人至上主義サイトのVDARE、ネオナチのサイトStormfrontなど)を権威ある出典として数十回使用していたことも明らかにされた[31]。