LAMP2
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LAMP2(lysosomal associated membrane protein 2)またはCD107b(cluster of differentiation 107b)、Mac-3は、LAMPファミリーに属するタンパク質であり、ヒトではLAMP2遺伝子によってコードされている。
LAMP2タンパク質は、LAMPファミリーと呼ばれる膜結合型糖タンパク質のファミリーの一員である。この糖タンパク質はセレクチンへ糖鎖リガンドを与える機能を果たしている。腫瘍細胞の転移に関与している可能性があり、またリソソームの保護、維持、接着過程に機能している可能性がある[5]。LAMP2遺伝子からは選択的スプライシングによって、LAMP2A、LAMP2B、LAMP2Cと呼ばれる3種類のバリアントが産生される。LAMP2Aはシャペロン介在性オートファジー(CMA)において受容体として機能する。近年、巣状壊死性糸球体腎炎(focal necrotizing glomerulonephritis)と呼ばれる重篤な腎疾患の患者の一部では抗LAMP2抗体が原因となっていることが明らかにされた[6]。LAMP2Bはダノン病と関連している[7]。
構造と組織分布
機能
リソソームは大部分の動物細胞に存在するオルガネラである。リソソームの主要な機能は、細胞内の物質や廃棄物の分解である。リソソーム膜には外因性物質の分解や特殊な自己融解を担う酸性ヒドロラーゼが隔離されている。LAMP1とLAMP2はリソソーム膜タンパク質の約50%を占めるタンパク質である。LAMP1とLAMP2はどちらも約40 kDaであり、16から20個のN-結合型糖鎖が付加されている[8]。これらの糖タンパク質の生物学的機能には議論があるが[10]、リソソームの完全性、pH、異化の維持に深くかかわっていると考えられている。さらに、LAMP2はリソソーム膜をリソソーム内のタンパク質分解酵素による分解(自己消化)から保護する役割、リソソーム上の受容体としての機能、細胞膜の外面に発現した場合には細胞接着、そして細胞間・細胞内の双方においてシグナル伝達にも関与しているていると考えられている。また、細胞をメチル化変異原から保護する機能も果たしている[8]。
がんにおける役割
LAMP2は腫瘍細胞の転移への特異的な関与が示唆されている[11]。癌性腫瘍、特に結腸がんや悪性黒色腫など転移性のきわめて高い細胞の表面ではLAMP1とLAMP2の双方が発現していることが明らかにされている[10]。これらは正常細胞の細胞膜に存在していることはほとんどなく、また転移性の乏しい腫瘍より転移性の高い腫瘍に多く存在している。LAMP2はLAMP1とともにE-セレクチンやガレクチンと相互作用し、一部のがんにおいて細胞外マトリックスへの接着を媒介している。この2種類のLAMP分子は、細胞接着分子のリガンドとして作用している。
LAMP2のダウンレギュレーションによって、乳がん細胞ではパクリタキセルへの抵抗性が低下し[12]、また多発性骨髄腫細胞では細胞増殖が阻害される場合がある[13]。
膠芽腫の壊死巣周囲のperinecrotic areaでは、LC3B、p62、CTSBとともに、LAMP2の強力なアップレギュレーションが検出される。このことは、膠芽腫におけるオートファジーの誘導が微小環境の変化によって引き起こされている可能性を示唆している[14]。
グリア系腫瘍の研究では、グリア細胞と内皮細胞の細胞膜にはLAMP1とLAMP2が存在し、また別の糖タンパク質YKL-40が細胞質に存在することが示されている。これら3種類の糖タンパク質が腫瘍の成長、特に血管新生や組織のリモデリングの過程に関与していることが示唆されている[15]。
インデューサー
- CA77.1
- QX39[16]