LM-57
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LM-57(ロシア語: ЛМ-57)は、かつてソビエト連邦(現:ロシア連邦)各地の路面電車で使用されていた電車。多数の新要素を導入した事から、主要な導入先であったレニングラード(現:サンクトペテルブルク)では「スティリヤガ(Стиляга)」と言う愛称で呼ばれていた[1][2][3][4][5][7]。
| LM-57 ЛМ-57 | |
|---|---|
|
LM-57(サンクトペテルブルク) | |
| 基本情報 | |
| 製造所 | 車両修理工場 |
| 製造年 | 1957年 - 1969年 |
| 製造数 | 1,038両 |
| 運用終了 | 1986年(レニングラード市電) |
| 主要諸元 | |
| 編成 | ボギー車(単車) |
| 軌間 | 1,524 mm |
| 電気方式 |
直流550 V (架空電車線方式) |
| 最高速度 | 65 km/h |
| 車両定員 |
着席37人 定員170人(乗客密度5人/m2時) 最大207人(乗客密度8人/m2時) |
| 車両重量 | 18.5 t |
| 編成長 | 15,000 mm |
| 全幅 | 2,500 mm |
| 全高 | 3,080 mm |
| 車輪径 | 700 mm |
| 固定軸距 | 1,940 mm |
| 台車中心間距離 | 7,500 mm |
| 主電動機 | DK-255(ДК–255)、DK-257(ДК–257) |
| 主電動機出力 | 45 kw |
| 歯車比 | 7.17 |
| 出力 | 180 kw |
| 制御方式 | 間接制御 |
| 制動装置 | 発電ブレーキ、空気式ディスクブレーキ |
| 備考 | 主要数値は[1][2][3][4][5][6]に基づく。 |
概要
レニングラード(現:サンクトペテルブルク)の輸送用機器メーカーであった車両修理工場(→ペテルブルク路面電車機械工場)は、1930年代の創設以降地元のレニングラード市電を始めソ連各地に向けて多数の路面電車車両を製造し続けていた。だが、LM-49で車体の軽量化や強度の増加がなされた一方、主要部品や電気機器については旧来の構造のままであり、レニングラード市当局からは抜本的な近代化が求められていた。その要望に応える形でレニングラード路面電車修理工場が開発したのがLM-57である[2][5][6]。
ループ線が終端に存在する路線での運用を前提とした片運転台のボギー車で、折戸式の乗降扉が右側3箇所に設けられていた。設計当初は連結運転を行う事が想定されていたが、当時レニングラードでは地下鉄(レニングラード地下鉄)の建設が行われており、将来的な路面電車の利用客の減少が予想されていた事から連結器の設置が行われず、1両(単車)での運用を前提とする方針へと変更した[注釈 1]。そのため車両に連結器は設置されていなかった。後述するディスクブレーキに加え、乗降扉やワイパー、集電装置(菱形パンタグラフ)の可動には圧縮空気が用いられた。車内には発電ブレーキの熱を利用した温水式のヒーターが設置されており、従来の車両よりも暖房効果が高く乗客から好評を得た[2][3][5]。
LM-57は連結器の有無に加え、従来の電車から以下のような車体・機器の刷新が行われた[1][2][3]。
- 車体デザイン - LM-57の車体形状は従来の車両のような直方体から一変し、インダストリアルデザイナーのI.A.ヴァクソン(И. А. Ваксом)が手掛けた、丸みを帯びた流線形のデザインが取り入れられた[8][6][5]。
- 台車 - LM-57の台車には防振ゴムを挟んだ弾性車輪が用いられ、騒音が大幅に削減された[2][3][6][5]。
- 速度制御 - 従来の車両は、運転台からの速度制御方法として主電動機に流れる電流を直接制御器で操作する直接制御が用いられていた。この方法は構造が簡素となる反面、ハンドルの動作が重くなる欠点があり、更に安全性の面でも難があった。そのため、LM-57は制御用の回路(24 V)を独自に設けた間接制御が導入された[2][3]。
- 制動装置 - LM-57の制動装置には発電ブレーキ、空気式ディスクブレーキに加え、電磁吸着ブレーキが非常用として初めて採用された[2][6][5]。
運用
保存

- サンクトペテルブルク - サンクトペテルブルク市電に導入されたLM-57のうち、5148は引退後原型を維持したままペテルブルク電気車両博物館(Ретро-трамвай — петербургская классика)で動態保存されている。また、博物館は架線検測車に改造された5733に加えて、1980年代以降観光用に使用されたものの1990年代に一部が解体された5422も収蔵している[3][10]。
- 5733(2002年撮影)
