MDA5

RIG-I様受容体ファミリーの一員 From Wikipedia, the free encyclopedia

MDA5(melanoma differentiation-associated protein 5)またはIFIH1(interferon induced with helicase C domain 1) は、ヒトではIFIH1遺伝子にコードされる、二本鎖RNAヘリカーゼ酵素である[5]。MDA5はRIG-I様受容体英語版(RLR)ファミリーの一員である。このファミリーには他にRIG-ILGP2英語版などが含まれ、ウイルスを検知するパターン認識受容体として機能する。一般的にMDA5は2000ヌクレオチド以上の長さの二本鎖RNAを認識すると考えられているが[6]、一本鎖RNA部分と二本鎖RNA部分を含む高分子量RNA複合体によって活性化されることも示されている[7]。多くのウイルスに対するMDA5を介した効率的な抗ウイルス応答は、機能的活性を有するLGP2に依存している[8]。MDA5によるシグナル伝達カスケードはCARDドメイン英語版を介して開始される[9]。がん細胞では、MDA5は細胞性RNAと相互作用して自己免疫応答を誘導することが観察されている[10]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号IFIH1, AGS7, Hlcd, IDDM19, MDA-5, MDA5, RLR-2, SGMRT1, interferon induced with helicase C domain 1, IMD95
染色体2番染色体 (ヒト)[1]
概要 IFIH1, PDBに登録されている構造 ...
IFIH1
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

2RQB, 3B6E, 3GA3, 4GL2

識別子
記号IFIH1, AGS7, Hlcd, IDDM19, MDA-5, MDA5, RLR-2, SGMRT1, interferon induced with helicase C domain 1, IMD95
外部IDOMIM: 606951 MGI: 1918836 HomoloGene: 32535 GeneCards: IFIH1
遺伝子の位置 (ヒト)
2番染色体 (ヒト)
染色体2番染色体 (ヒト)[1]
2番染色体 (ヒト)
IFIH1遺伝子の位置
IFIH1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点162,267,074 bp[1]
終点162,318,684 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
2番染色体 (マウス)
染色体2番染色体 (マウス)[2]
2番染色体 (マウス)
IFIH1遺伝子の位置
IFIH1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点62,426,142 bp[2]
終点62,476,599 bp[2]
RNA発現パターン
さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 DNA結合
ヌクレオチド結合
helicase activity
zinc ion binding
金属イオン結合
血漿タンパク結合
single-stranded RNA binding
RNA結合
double-stranded RNA binding
ribonucleoprotein complex binding
加水分解酵素活性
ATP binding
identical protein binding
細胞の構成要素 細胞質
細胞質基質
細胞核
生物学的プロセス positive regulation of interferon-alpha production
MDA-5 signaling pathway
免疫系プロセス
response to virus
protein sumoylation
cytoplasmic pattern recognition receptor signaling pathway in response to virus
negative regulation of type I interferon production
detection of virus
viral process
自然免疫
regulation of type III interferon production
positive regulation of interferon-beta production
protein deubiquitination
positive regulation of response to cytokine stimulus
cellular response to exogenous dsRNA
defense response to virus
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)

NM_022168

NM_001164477
NM_027835

RefSeq
(タンパク質)

NP_071451

NP_001157949
NP_082111

場所
(UCSC)
Chr 2: 162.27 – 162.32 MbChr 2: 62.43 – 62.48 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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機能

パターン認識受容体として

MDA5は、二本鎖RNAウイルスのゲノムRNAやRNAウイルスの(+)鎖や(-)鎖の複製中間体など、長い二本鎖RNAを検知する[11]。MDA5はRNAに施された多数の化学修飾と相互作用することも示されている。例えば、真核生物のmRNAは5'キャップ直後の1番目と2番目のヌクレオチドは2'-O-メチル化がなされていることが多く[12]、こうした構造はそれぞれcap1、cap2と呼ばれているが[13]、MDA5は2'-O-メチル化の欠如を検出し、こうしたRNAに結合して免疫応答を開始する[14]

機構

活性化されたMDA5は、N末端のCARDドメインを介してMAVSと相互作用する[15]。MAVSはIKKε英語版TBK1英語版をリクルートして多タンパク質複合体として機能し[16]IRF3英語版IRF7英語版リン酸化して細胞核へ移行させる。核内では、これらのIRFはI型インターフェロンであるIFN-βとIFN-αの遺伝子の転写を誘導する[17]

構造

MDA5はATP依存性DExD/HボックスRNAヘリカーゼに分類される。MDA5にはN末端の2つのCARDドメイン、ヒンジ領域、RecA様のHel1、Hel2ドメインが含まれる。そしてもう1つのヒンジ領域によってRNAの認識と結合を担うC末端ドメイン(CTD)と連結されている[18]。CTDには、RNAを認識する正に帯電した溝に加えて、亜鉛結合ドメインが含まれている[19]

臨床的意義

IFIH1/MDA5の変異はSingleton-Merten症候群英語版[20]エカルディ・グティエール症候群と関係している。

IFIH1/MDA5SNPの一部は1型糖尿病のリスクの増加と関係している[21]

抗MDA5抗体は急速進行性間質性肺炎を伴う筋無症候性皮膚筋炎と関係している[22]

出典

関連文献

外部リンク

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