NFAT5

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NFAT5(nuclear factor of activated T-cells 5)またはTonEBP(tonicity-responsive enhancer binding protein)は、浸透圧ストレスに関与する遺伝子の発現を調節する転写因子であり、ヒトではNFAT5遺伝子にコードされる[5]

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号NFAT5, NF-AT5, NFATL1, NFATZ, OREBP, TONEBP, nuclear factor of activated T-cells 5, tonicity-responsive, nuclear factor of activated T-cells 5, nuclear factor of activated T cells 5
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
NFAT5
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1IMH

識別子
記号NFAT5, NF-AT5, NFATL1, NFATZ, OREBP, TONEBP, nuclear factor of activated T-cells 5, tonicity-responsive, nuclear factor of activated T-cells 5, nuclear factor of activated T cells 5
外部IDOMIM: 604708 MGI: 1859333 HomoloGene: 4811 GeneCards: NFAT5
遺伝子の位置 (ヒト)
16番染色体 (ヒト)
染色体16番染色体 (ヒト)[1]
16番染色体 (ヒト)
NFAT5遺伝子の位置
NFAT5遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点69,565,094 bp[1]
終点69,704,666 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
8番染色体 (マウス)
染色体8番染色体 (マウス)[2]
8番染色体 (マウス)
NFAT5遺伝子の位置
NFAT5遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点108,020,102 bp[2]
終点108,106,149 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 DNA-binding transcription factor activity
RNA polymerase II cis-regulatory region sequence-specific DNA binding
DNA結合
DNA-binding transcription activator activity, RNA polymerase II-specific
血漿タンパク結合
DNA-binding transcription factor activity, RNA polymerase II-specific
クロマチン結合
転写因子結合
細胞の構成要素 細胞核
核質
細胞質
細胞質基質
transcription regulator complex
生物学的プロセス regulation of calcineurin-NFAT signaling cascade
サイトカイン産生
positive regulation of gene expression
排泄
regulation of transcription, DNA-templated
transcription by RNA polymerase II
transcription, DNA-templated
シグナル伝達
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
calcineurin-NFAT signaling cascade
response to osmotic stress
cellular response to cytokine stimulus
positive regulation of NIK/NF-kappaB signaling
positive regulation of leukocyte adhesion to vascular endothelial cell
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_001113178
NM_006599
NM_138713
NM_138714
NM_173214

NM_173215
NM_001367709

NM_001286260
NM_018823
NM_133957

RefSeq
(タンパク質)
NP_001106649
NP_006590
NP_619727
NP_619728
NP_775321

NP_775322
NP_001354638

NP_001273189
NP_061293
NP_598718

場所
(UCSC)
Chr 16: 69.57 – 69.7 MbChr 16: 108.02 – 108.11 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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NFAT5は転写因子のNFATファミリーのメンバーである。このファミリーに属するタンパク質は、免疫応答時の遺伝子の転写誘導に中心的役割を果たす。NFAT5は、哺乳類細胞で浸透圧ストレスによって誘導される遺伝子の発現を調節する。このタンパク質はホモ二量体として存在し、DNAエレメントと安定な複合体を形成する。NFAT5遺伝子には異なるアイソフォームをコードする複数の転写バリアントが存在する[5]

浸透圧ストレス

腎臓皮膚、そしてを構成する組織は、しばしば浸透圧ストレスにさらされる。細胞外環境が高浸透圧の場合、細胞は水分を喪失して収縮する。細胞はこれに対抗して水分の喪失を少なくするために、ナトリウムの取り込みを増加させる。しかしながら、細胞内のイオン濃度の増大は細胞にとって有害である。その代わりに、細胞は有機オスモライトの細胞内濃度を増加させる酵素トランスポーターの合成によって対処を行うこともできる。有機オスモライトは過剰なイオンの蓄積よりも毒性が低く、同様に水分の保持を助けることができる。高浸透圧条件下では、NFAT5が合成されて内に蓄積する。NFAT5は、アルドースレダクターゼ(AR)、塩化ナトリウム/ベタイン 共輸送体SLC6A12英語版)、ナトリウム/myo-イノシトール共輸送体(SLC5A3英語版)、タウリントランスポーター(SLC6A6英語版)、神経障害標的エステラーゼ英語版の遺伝子の転写を促進する。これらは、有機オスモライトの産生や取り込みに関与している[6][7]。さらに、NFAT5は熱ショックタンパク質Hsp70、浸透圧ストレスタンパク質を誘導する。NFAT5はサイトカインの産生への関与も示唆されている[8]

腎細胞や免疫細胞でNFAT5が阻害されると、これらの細胞の浸透圧トスレスに対する感受性が大きく高まることが示されている。NFAT5を欠くマウスでは、腎髄質英語版で大規模な細胞喪失がみられる[9]。さらに、目でドミナントネガティブ型のNFAT5を発現しているマウスは細胞外が高浸透圧の環境下での生存が低下する[10]

構造

NFATファミリーは、NFATc1英語版NFATc2英語版NFATc3英語版NFATc4英語版、NFAT5の5つのメンバーからなる。このファミリーのタンパク質は体中のほぼすべての組織で発現しており、サイトカイン発現の転写調節因子として知られる。その中でも、NFAT5は高浸透圧ストレス応答系の重要な構成要素である[8]。NFAT5のcDNAは、ヒト脳cDNAライブラリから初めて単離された。その後の解析により、NFAT5はRelファミリーのメンバーであることが明らかにされた。このファミリーには、NF-κBやNFATタンパク質が含まれる。他のRelタンパク質と同様、NFAT5には保存されたDNA結合ドメインであるRel相同ドメイン英語版(RHD)を持つ。RHDを除くと、NFAT5とNF-κBや他のNFATタンパク質との類似性は見られない。他の差異としてはカルシニューリンのドッキング部位が存在しないことが挙げられ、この部位は他のNFATタンパク質の核内輸送に必要である[11]。その代わりにNFAT5は常に核内に存在し、その活性と局在はカルシニューリンを介した脱リン酸化には依存していない[8][11]

活性化機構

NFAT5を介した浸透圧ストレス応答経路

細胞が浸透圧ストレスを検知する正確な機構は不明であるが、浸透圧ストレスによって、細胞膜付近に局在するグアニンヌクレオチド交換因子(GEF)であるBrx細胞骨格構造の変化を介して活性化されることが示唆されている。また、Brxは細胞膜に位置する浸透圧センサー分子との相互作用の変化によって活性化されている可能性もある[12]。Brxの活性化に伴って、BrxのGEFドメインはRhoファミリーGタンパク質を不活性なGDP結合型から活性型であるGTP結合型へ変換する。さらに、活性化されたBrxはp38 MAPK特異的足場タンパク質であるJIP4英語版をリクルートして物理的に相互作用する。JIP4は下流のキナーゼであるMKK3英語版MKK6英語版に結合する[13]。その後、この複合体はp38 MAPKを活性化する。p38 MAPKの活性化はCDC42英語版RAC1によって調節される。p38 MAPKの活性化はNFAT5の発現に必要な段階である[12]

高浸透圧後のNFAT5の発現は、p38 MAPKに依存している。p38 MAPKの阻害剤の添加は、浸透圧ストレスシグナルが存在しない場合でも、NFAT5の発現の低下と相関している[9]。p38 MAPKのリン酸化による活性化はc-Fosインターフェロン制御因子英語版(IRF)を活性化すると考えられており、これらはそれぞれAP-1結合部位とISRES(interferon stimulated response element)に結合する。これらの部位への結合によって、標的遺伝子の転写が活性化される[12]

その他の役割

NFAT5は細胞増殖にも関与している。NFAT5のmRNAの発現は増殖中の細胞で特に高い。胎児線維芽細胞でのNFAT5の阻害は、細胞周期の停止を引き起こす[8]

出典

関連文献

外部リンク

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