NHK-FM放送
日本放送協会のラジオ放送
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概要
日本初の本格的なFM放送実験局として1957年に放送を開始し、1963年にはステレオ放送を開始。(→詳細)
現在、日本国内の全都道府県でFM放送を行っている(→詳細)。ほとんどの番組は東京から全国同一の内容で放送されているが、地域放送も行っている(→詳細)。
高音質のステレオ放送ができるFM波の特徴を活かし、音楽番組(クラシック音楽、各国のポピュラー音楽、ワールドミュージック、ジャズ、民謡を含む純邦楽など)や、古典芸能、ラジオドラマなどの番組を中心に放送している(→詳細)。
また7時・正午・19時には、東京から全国向けのNHKニュース(→詳細)が放送される他、ローカルニュースも放送される。
2026年3月にNHKラジオ第2放送が廃止されるのに伴い、語学番組やNHK高校講座、教養番組の一部がFMに移行される予定である。
歴史
前史
NHKは当初、英国放送協会(BBC)の「サードプログラム」(現在のBBC Radio 3)をモデルに、中波放送の「ラジオ第3放送」を新設して「クラシック音楽や講演などのハイカルチャーを扱う非常に高度な教養放送」を行う構想を持っていた。それが取り止めとなり、FM放送でそれを行うことになった。
実験放送の開始
1957年12月24日19時に、日本で初めての本格的なFMラジオ放送の実験局(現・実験試験局)として、東京で送出が開始された。最初の番組はベートーヴェン作曲の交響曲第9番「合唱」であった[注釈 1]。
1958年2月20日には大阪でも実験局が開局した。呼出符号は東京がJOAK-FMX、大阪はJOBK-FMXで、NHKのFM放送の実験局で呼出符号があったのはこの2局のみである[1]。1962年に入ると、札幌、仙台、名古屋、広島、松山、福岡、熊本でもFM実験局が開設された。
当初はモノラル放送のみであったが、アメリカでFM放送1波によるステレオ放送が開発され、1961年に実用化されると、日本でも1962年に、電波技術協会ステレオ委員会の主催によるFMステレオ放送の調査として、東京のFM実験局が「AM-FM方式」(現行のFMステレオ方式[注釈 2])と「FM-FM方式」(当時FM東海が実験として行っていたクロスビー方式)によるステレオ放送電波を7月と9月に発射した[2]。
その後、方式は「AM-FM方式」に絞られ、翌1963年の5~6月に東京でその試験放送が実施された。試験放送はまず、5月17日~19日に開かれたNHK放送技術研究所の技研公開にて1日2時間半ずつ行われ、さらに6月12日、当時の皇太子が同研究所を参観した際にも2時間半、行われた[3]。同年6月27日、電波技術審議会の臨時総会にて、アメリカと同じく「AM-FM方式」が日本のFMステレオ方式として正式に決定した[4]。同年12月16日に、FMが実用化試験局となったのと同時に、東京でのステレオ放送が実験局として開始された[5][6]。
1964年2月4日には大阪と名古屋でもステレオ放送が開始され[3]、同年4月までに既設のFM実用化試験局全てがステレオ放送を開始。さらに、4月1日に静岡・岡山・山口・高知で新たにFM放送が開始され、これ以降に開局したFM局は原則同時にステレオ放送も開始した(山口と高知のみ、ステレオ放送開始がFM開局の5日後となった)[7]。1964年から1965年にかけ、全国27の地方局でFMが開局となった。
実験局時代の放送時間は当初、毎日18時から22時の1日4時間(一部AM同時放送)だったが、段階を追って拡大し、1960年は日曜日に限り9時から放送を開始、途中11時-13時の試験電波による中断を挟む形で放送が行われた。1961年から東京地区の周波数が87.3Mc・1 kW[8]から現在と同じ82.5Mc・10 kW[注釈 3]に変更された上、平日は13時25分・土曜日は13時10分から放送を開始して、放送時間を大幅に延長。1962年から放送終了を23時30分とし、平日の放送開始も9時からに拡大。1962年12月24日からは毎日6時開始-24時(翌0時)終了の1日18時間編成となり、1969年3月の本放送開始に至った。
本放送の開始
1969年3月1日、この時点で開局していた40の実験局・実用化試験局が放送局(現・地上基幹放送局)に種別変更し、本放送開始となった[9]。
この時点で、沖縄以外でFMが開局していなかった13局(首都圏・近畿圏・中京圏のうち東京・大阪・愛知を除く13府県の局)も、1971年までにFM放送を開始。1972年5月に本土復帰した沖縄県でも、1974年3月にFM本放送が始まった。1977年11月11日には全国全てのローカル送出局にてステレオ放送が可能となった[10]。
なお沖縄局のFM放送は当初全てモノラル放送だった。1977年にローカル番組のみステレオ化された後、FM全国ネットのPCMデジタル回線が導入された1983年2月26日にようやく全国放送番組がステレオ化された[11]。}} 。
離島地域の1つである鹿児島県の奄美群島は、1973年11月17日に漸く鹿児島局の中継局として名瀬、瀬戸内、徳之島、知名の各地にて開局した[12][注釈 4]。
深夜放送の開始・24時間化
1988年4月から、放送時間は25時(翌1時)までの19時間放送となり、NHKの地上波放送としては初めての日付をまたいだ編成を始めた(NHK全体における日付またぎ放送は、当時の衛星テレビ第1放送が1987年7月に開始したのが最初)。
この後、NHKラジオ第1放送が緊急時の対応などを目的に、1990年度から期間・曜日限定で24時間放送を試験的に開始し、1992年度から正式な24時間放送となった(NHKラジオ第1放送#深夜放送も参照)。ただしラジオ第1の深夜放送(『ラジオ深夜便』)は設備メンテナンスで休止になる場合があるため、1996年4月からはFMでも試験的に、第1が休止になる日に限って翌5時までの23時間編成とし、『深夜便』をリレー放送する体制を2年間行った。 その後、1998年4月からはFMも24時間放送へ移行し、メンテナンス実施日を除いて1~5時は『深夜便』を同時放送するようになった(ただし当初は月曜未明も休止)。その後段階を追ってFMとAMラジオ第1との同時編成を増やしている[14]。
なお、多くの送信所は地上波テレビジョン放送(NHK総合テレビジョン・Eテレ)の送信所を兼ねており、FMの24時間放送移行後も、アナログテレビ時代はほぼテレビとFMの放送休止日時は合わせられていたが、地上波テレビがデジタル放送に完全移行してからは、必ずしも同じ日に合わせなくなった。
インターネット放送
2011年9月1日から『NHKネットラジオ らじる★らじる』でインターネット経由で聴取が可能となり、2017年10月2日からは地域限定で民放サイマル配信サービス「radiko」で実験配信を実施[注釈 5]。2018年4月12日から全国に拡大して第2次実験配信を行った後[16][17]、2019年4月1日から本配信に移行した[18][19]。第2次実験配信と本配信は、東京・渋谷から配信される東京都域放送のみ全国同一コンテンツとして配信[注釈 6] している。
ネットワーク
FM放送の放送対象地域は民間放送も含め県域放送が基本とされており、NHK-FMも47都道府県に親局が置かれている。北海道と福岡県には複数局の親局がある。
- 太字は拠点局。
- ※は開始時点では実験局または試験局で、1969年3月1日に本放送を開始した。
- ◆は、スピルオーバー 対策として民放より小出力である。
- &は、国際共用周波数帯を使用。訪日外国人が自国製のFMラジオ受信機で聴くことができる(西欧バンドは87.5MHz以上、米国バンドは88MHz以上)。
| ブロック | 放送局 | 呼出符号 | 周波数 (MHz) | 空中線電力 (W) | 放送開始日 | ステレオ放送開始日 | ローカル番組ステレオ化 | PCMデジタル回線導入 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北海道 | 札幌 | JOIK-FM | 85.2 | 5k | 1962年12月2日※ | 1964年4月6日[20] | 1977年以前 | 1979年12月24日[21][22] |
| 函館 | JOVK-FM | 87.0 | 250 | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | 1984年度内(詳細月日は不明)[24] | ||
| 旭川 | JOCG-FM | 85.8 | 500 | 1964年6月25日※[20] | 1977年[23] | 1982年度内(詳細月日は不明)[25] | ||
| 帯広 | JOOG-FM | 87.5& | 250 | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | 1986年度内(詳細月日は不明)[26] | ||
| 釧路 | JOPG-FM | 88.5& | 250 | 1965年2月5日※[20] | 1977年[23] | 1984年度内(詳細月日は不明)[24] | ||
| 北見[注釈 7] | JOKP-FM | 86.0 | 250 | 1965年3月27日※[20] | 1977年[23] | 1986年度内(詳細月日は不明)[26] | ||
| 室蘭 | JOIQ-FM | 88.0& | 250 | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | |||
| 東北 | 仙台 | JOHK-FM | 82.5 | 5k | 1962年12月2日 | 1964年4月6日※[20] | 1976年[27] | 1979年12月24日[21][22] |
| 秋田 | JOUK-FM | 86.7 | 3k | 1964年6月1日※[20] | 1977年[23] | 1980年3月31日[28][29] | ||
| 山形 | JOJG-FM | 82.1 | 1k | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | 1982年2月28日[30] | ||
| 盛岡 | JOQG-FM | 83.1 | 1k | 1964年6月1日※[20] | 1977年[23] | 1980年3月31日[28][29] | ||
| 福島 | JOFP-FM | 85.3 | 1k | 1964年7月1日※[20] | 1977年[23] | 1981年3月16日[31][32] | ||
| 青森 | JOTG-FM | 86.0 | 3k | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | 1981年6月[32][33] | ||
| 関東 甲信越 |
東京 | JOAK-FM | 82.5 | 7k[注釈 8] | 1957年12月24日※ | 1963年12月16日[5][6] | 送出局 | |
| 長野[注釈 9] | JONK-FM | 84.0 | 500◆ | 1964年7月1日※[20] | 1976年12月25日[27][34] | 1980年3月31日[28][29] | ||
| 新潟 | JOQK-FM | 82.3 | 1k | 1964年7月1日※[20][35] | 1976年12月25日[27][36] | 1981年3月16日[31][32][35] | ||
| 甲府 | JOKG-FM | 85.6 | 1k | 1965年3月1日※[20] | 1976年[27] | 1983年2月26日[11] | ||
| 横浜 | JOGP-FM | 81.9 | 5k | 1970年6月22日[37] | 1976年[27] | 1986年度内(詳細月日は不明)[26] | ||
| 前橋 | JOTP-FM | 81.6 | 1k | 1970年3月20日[38] | 1976年[27] | 1983年度(詳細月日は不明)[13] | ||
| 水戸 | JOEP-FM | 83.2 | 1k | 1970年3月28日[38] | 1976年[27] | 1982年2月28日[30] | ||
| 千葉 | JOMP-FM | 80.7 | 5k | 1971年8月28日[39] | 1976年[27] | 1984年度内(詳細月日は不明)[24] | ||
| 宇都宮 | JOBP-FM | 80.3 | 1k | 1970年3月31日[38] | 1976年[27] | 1986年度内(詳細月日は不明)[26] | ||
| さいたま | JOLP-FM | 85.1 | 5k | 1971年3月26日[37] | 1976年[27] | |||
| 中部 | 名古屋 | JOCK-FM | 82.5 | 10k | 1962年12月2日※ | 1964年2月4日[3] | 1977年以前 | 1978年9月11日[40] |
| 金沢 | JOJK-FM | 82.2 | 1k | 1964年7月1日※[20] | 1977年[23] | 1979年12月24日[21][22] | ||
| 静岡 | JOPK-FM | 88.8& | 1k | 1964年4月1日※[20] | 1976年[27] | 1980年3月31日[28][29] | ||
| 福井 | JOFG-FM | 83.4 | 1k | 1965年2月5日※[20] | 1977年2月16日[27][41] | 1982年2月28日[30] | ||
| 富山 | JOIG-FM | 81.5 | 1k | 1964年7月1日※[20] | 1976年[27] | 1985年度内(詳細月日は不明)[42] | ||
| 津 | JONP-FM | 81.8 | 3k | 1970年3月28日[38] | 1977年[23] | 1985年度内(詳細月日は不明)[42] | ||
| 岐阜 | JOOP-FM | 83.6 | 1k | 1971年3月26日[37] | 1977年[23] | |||
| 近畿 | 大阪 | JOBK-FM | 88.1& | 10k | 1958年2月20日※ | 1964年2月4日[3] | 1977年以前 | 1978年9月11日[40] |
| 京都 | JOOK-FM | 82.8 | 1k◆[注釈 10] | 1971年3月27日[37] | 1977年[23] | 1987年度内(詳細月日は不明)[43] | ||
| 神戸 | JOPP-FM | 86.5 | 500◆[注釈 11] | 1970年3月27日[38] | 1977年[23] | |||
| 和歌山 | JORP-FM | 84.7 | 500 | 1970年4月20日[37] | 1977年[23] | 1983年度(詳細月日は不明)[13] | ||
| 奈良 | JOUP-FM | 87.4 | 500 | 1971年3月27日[37] | 1977年[23] | |||
| 大津 | JOQP-FM | 84.0 | 1k | 1970年12月1日[37] | 1977年[23] | |||
| 中国 | 広島 | JOFK-FM | 88.3& | 1k | 1962年9月17日※ | 1964年4月6日[20] | 1976年[27] | 1979年12月24日[21][22] |
| 岡山 | JOKK-FM | 88.7& | 1k | 1964年4月1日※[20] | 1976年[27] | 1981年3月16日[31][32] | ||
| 松江 | JOTK-FM | 84.5 | 500 | 1964年7月1日※[20] | 1977年[23] | 1980年3月31日[28][29] | ||
| 鳥取 | JOLG-FM | 85.8 | 500 | 1964年12月24日※[20] | 1977年[23] | 1985年度内(詳細月日は不明)[42] | ||
| 山口[注釈 12] | JOUG-FM | 85.3 | 500◆ | 1964年4月1日※[20] | 1964年4月6日[注釈 13][20] | 1976年[27] | 1981年3月16日[31][32][44] | |
| 四国 | 松山 | JOZK-FM | 87.7& | 1k | 1962年12月2日※ | 1964年4月6日[20] | 1977年以前 | 1979年12月24日[21][22] |
| 高知 | JORK-FM | 87.5& | 500 | 1964年4月1日※ | 1964年4月6日[20] | 1977年[23] | 1983年2月26日[11] | |
| 徳島 | JOXK-FM | 83.4 | 1k | 1965年3月1日[20]※ | 1976年[27] | 1981年3月16日[31][32] | ||
| 高松 | JOHP-FM | 86.0 | 1k | 1965年3月22日[20]※ | 1976年[27] | 1982年2月28日[30] | ||
| 九州・ 沖縄 |
福岡 | JOLK-FM | 84.8 | 3k | 1962年9月17日※ | 1964年4月6日[20] | 1977年以前 | 1979年12月24日[21][22] |
| 北九州 | JOSK-FM | 85.7 | 250 | 1964年5月1日[20]※ | 1976年[27] | 1981年3月16日[31][32] | ||
| 熊本 | JOGK-FM | 85.4 | 1k | 1962年12月2日※ | 1964年4月6日[20] | 1977年[23] | 1983年度(詳細月日は不明)[13] | |
| 長崎 | JOAG-FM | 84.5 | 500◆ | 1964年5月1日[20]※ | 1976年[27] | 1982年2月28日[30] | ||
| 鹿児島 | JOHG-FM | 85.6 | 1k | 1964年7月1日※[20] | 1976年[27] | 1982年2月28日[30] | ||
| 宮崎 | JOMG-FM | 86.2 | 500◆ | 1964年7月1日※[20] | 1977年3月5日[27] | 1985年度内(詳細月日は不明)[42] | ||
| 大分 | JOIP-FM | 88.9& | 1k | 1965年3月1日※[20] | 1976年[27] | 1981年3月16日[31][32] | ||
| 佐賀 | JOSP-FM | 81.6 | 500 | 1965年3月22日※[20] | 1976年[27] | |||
| 沖縄 | JOAP-FM | 88.1& | 1k | 1974年3月24日[45] | 1977年(ローカル送出のみ)[23]、 1983年2月26日(全国放送のステレオ化)[11] |
1977年[23] | 1983年2月26日[11] | |
編成
開局当初はクラシック音楽または各国の伝統音楽に比重を置き、J-POPと洋楽を主体に番組を編成する民放FM局とは異なる、としていた。2000年代に入ってからは聴取者層の変化に伴い、前衛的ではないポピュラー洋楽やオリコンチャートに頻繁に載るJ-POPの比重が増えた。2006年に開始した『今日は一日○○三昧』も多くの回がポピュラー音楽を取り上げている。
一方で純邦楽の番組も多く、担当パーソナリティが交代しているものの20年以上続く長寿番組もある。番組の大半は音源送出とアナウンサーや出演者の語りのみで、生演奏の番組は僅少である。
番組改編は年度始めの毎年4月頃の1回のみであり、年度途中での改編は原則としていない。民放FM局ではあり得ない“再放送”がされることも特徴だが、再放送が廃止されることも多い。秋季改編は規模が少ないが、1978年秋・冬季の改編は、同年11月23日のグリニッジ天文台協定世界時〈GMT〉0時01分に当たる日本時間9時01分から、国際電気通信連合(ITU)の取り決めにより、日本の属するアジア・アフリカ・ヨーロッパなどの中波放送の周波数単位がこれまでのアメリカ大陸等と同じ10kHz単位から9kHz単位に改められたタイミングで、ラジオ第1放送とともに改正が実施された[注釈 14][46]。
ラジオ第1放送は地震・津波情報や国会中継を他番組に優先して放送するため、大相撲中継(特設ニュース編成時のみ)や高校野球中継(全国・地方大会不問)が代替放送されることがある。3月下旬は大相撲春場所と選抜高校野球全国大会と国会が3重複し、7月中旬から下旬にかけて大相撲名古屋場所と夏の甲子園地方大会(国会の会期によっては国会も)が重複する場合があり、国会中継や大相撲中継をラジオ第1で放送し、高校野球はFM放送で代替放送する。大相撲の場合、前者は16時台から放送するが、後者は17時台のみ放送する。
NHKは2020年度(2021年1月)に策定した長期経営計画の一環として、AM(中波)のラジオ第2放送を2025年度をめどに廃止する方向で調整しており、そのラジオ第2廃止後の受け皿としてFM放送が位置づけられることになり、その実証実験の一環として、2022年度から試験的に語学番組をFMでも早朝と深夜~未明の枠を中心に、まず英語関係から、2024年度以後は英語以外の語学番組も順次深夜枠で再放送枠を設けており、2025年度下半期からはNHK高校講座や、一部教養番組も深夜枠に編成するようになり、これらを2026年度からは「学びゾーン」と位置付けて編成することになった(この関係で『ラジオ深夜便』のFMでの一部時間帯の同時放送が2025年度上半期をもって廃止された。)。
2006年以降は祝日を中心に月に1回程度特別番組を編成することがある[47]。
以下、主なジャンルを挙げる(番組は2023年4月現在)。主要ジャンルに付随する番組は、ジャンル内で枝分かれする形で紹介する。
クラシック音楽
「古楽の楽しみ」「クラシックカフェ」「ベストオブクラシック」(平日)、「オペラ・ファンタスティカ」(金曜)、「音楽の泉」「クラシックの迷宮」(土曜)、「現代の音楽」「名演奏ライブラリー」「×(かける)クラシック」「ブラボー!オーケストラ」「リサイタル・パッシオ」(日曜)
- NHK-FMの編成では最も大きな部分を占める。現在11番組(ラジオ第1が本放送の「音楽の泉」を含む。ミニ番組を除く)がある。
- 朝は5時台・8時台・9時台・10時台(8時台と9時台は土曜を除く、10時台は日曜のみ)、昼は14時台と15時台(いずれも土曜を除く)、夕方は16時台と17時台(火曜・金曜のみ)、夜は19時台後半と20時台(平日は21時10分まで放送)にそれぞれ編成される。
純邦楽
「邦楽のひととき」「邦楽百番」「KABUKI TUNE」
- 邦楽番組は午前11時台の放送で、現在3番組・合計2時間強の編成となっている。年に一度だけ元日 に放送される番組『雅楽』がある。「邦楽百番」は1973年4月から放送されており半世紀の歴史を持つ。
- 2021年度までは午前11時台のほかに翌日午前5時台の再放送枠もあったが、2022年度から2023年度にかけてクラシック音楽番組を午前5時台に編成したことにより再放送枠は全て廃止された。2023年度より「邦楽百番」の土曜から水曜への曜日移動、「KABUKI TUNE」の放送時間短縮などで純邦楽番組は平日のみの放送となっている。
ラジオドラマ
「青春アドベンチャー」(月曜 - 金曜)「FMシアター」(土曜)
- 平日帯の「青春アドベンチャー」と土曜夜の「FMシアター」の2番組があり、合計の放送時間は2時間強となっている。前者はお盆休みや年末年始は休止することがあり、後者は年数回を「特集オーディオドラマ」に差し替えることがある。
J-POP・国内ミュージシャン等
「ミュージックライン」(月曜 - 金曜)「松尾潔のメロウな夜」(月曜)「GReeeeN HIDEのミドリの2重スリット」(火曜)「THE ALFEE 終わらない夢」(水曜)「リトグリのミューズノート」(木曜)「ヤバイラジオ屋さん」(金曜)
歌謡曲・国内ノンジャンル
「歌謡スクランブル」(月曜 - 土曜)「アニソン・アカデミー」(土曜)
洋楽(ポピュラー音楽)
「ワールドロックナウ」(土曜)、「洋楽グロリアス デイズ」(日曜)
オルタナティブ・ワールドミュージック
「ウィークエンドサンシャイン」「世界の快適音楽セレクション」「ザ・ソウルミュージックⅡ」(土曜)、「MISIA 星空のラジオ」(日曜)
- 土曜朝と週末夕方に編成。こちらは、ソウルミュージックやワールドミュージック、ルーツ・ミュージックを取り扱うことが多い。出演者が国内ミュージシャンの場合には、合間に自身の楽曲を流すことも少なくない。
ジャズ
「ジャズ・トゥナイト」(土曜)「挾間美帆のジャズ・ヴォヤージュ」(日曜)
- 週末の夜に編成。前者は、世界各国の新旧ジャズを幅広く紹介。後者は、ジャズだけでなく最新の音楽事情や世界で活躍するミュージシャンとの対談も放送する。
テーマ別ノンジャンル
「音楽遊覧飛行」(月曜 - 木曜)「夜のプレイリスト」(月曜 - 金曜)
- 平日の午前と深夜にそれぞれ編成。その週のテーマやパーソナリティによって選曲ジャンルが異なるのが特徴。
教育・教養番組
上記の通り、2021年1月に策定された、長期経営計画に基づくラジオ放送再編に向けた実証実験として、まず2022年度から英語語学講座番組からFMでの放送を開始。2024年度からは英語以外の一部外国語講座、2025年度からはさらに一般教養番組の一部と、同下半期からNHK高校講座の再放送を深夜~未明の枠に充当するようになり、2026年度のラジオ第2正式廃止後は、早朝6時台と、23時30分(土・日深夜は実勢日付日・月曜1時)~4時までに、正式に語学講座・高校講座・一部教養番組をFMに初回放送枠を移動した「学びゾーン」を制定して[48]、基本的な編成パターンは2025年度下半期の編成を踏襲する形とした。英語講座の一部は23-24時台に再放送を行うものの、それ以外の各教育・教養番組は再放送を行わないが、その分をらじるらじる(初回放送後1週間聞き逃し配信あり)で補填する[49]。
語学講座番組
まず2022年度は早朝6時台(月-金曜日)の英語語学講座番組「中学生の基礎英語 レベル1・2」「中高生の基礎英語 in English」の当日初回放送分を、ラジオ第2との同時放送とした[50]。
2023年度はこれに「ラジオ英会話」「ラジオビジネス英語」の2番組(いずれも7時台。「ラジオ英会話」はラジオ第2で6時台に放送したものの再放送、「ビジネス英語」は当日の初回放送=ラジオ第2の初回・9時台はチャンネルを変えての再放送)を追加する[51]。
2024年度[52] は、5時台の「古楽の楽しみ」と6時台の英語講座番組「中学生の基礎英語レベル1・2」「中高生の基礎英語 in English」の放送枠を入れ替える(よって、左記英語講座番組はFMが初回放送となる)ほか、これまで午前7時台に放送していた「ラジオ英会話」「ラジオビジネス英語」を23時台に移動、日付をまたぐ午前0時台に「ニュースで学ぶ「現代英語」」「まいにちハングル講座」「まいにち中国語」(以上月-金深夜=火-土未明)、「ステップアップ中国語」(月・火深夜=火・水未明)、「国語辞典サーフィン」(水深夜=木未明 初回はラジオ第1)、「ステップアップハングル講座」(木・金深夜=金・土未明)の当日(当該週)放送分の再放送に充当する。またこれに伴い、23時台(翌週18時台に再放送)の日替わり音楽番組が曜日移動や終了、0時台の「夜のプレイリスト」は22時30分-23時20分に移動し「マイ・フェイバリット・アルバム」に改題するなど、特に21時45分から翌1時の枠の大規模な見直しが行われる。2024年は4月1日から午前に新編成を導入され、4月8日から平常放送に戻した。
2025年度[53] は、これまで5時台に放送していた英語講座番組「中学生の基礎英語レベル1・2」を23時台に移動し、午前0時台に「英会話タイムトライアル」「エンジョイ・シンプル・イングリッシュ」、午前1時台に「アラビア語講座」「ポルトガル語入門」を充当する。更に10月度編成から、ラジオ第1と部分的に2時から5時(2024年度までは1時開始)に同時放送していた「ラジオ深夜便」のFMでの放送を廃止し、1時台と2時台にドイツ語・スペイン語・フランス語・イタリア語・ロシア語の各語学講座の再放送を新たに設けた。
2026年度[54]英語は早朝6時台と深夜23時20分-24時(実勢翌0時)に初回放送(これはこれまでも早朝の初回放送での講義を聴取していたリスナーの聴取習慣を踏まえてあえて残したもので、これに伴い『古楽の楽しみ』は5時からの生放送に繰り上げる)、深夜0時-0時50分まで再放送を行い、それ以外の各語学講座のうち、アラビア語講座は廃止、ポルトガル語は実勢日曜未明(土曜深夜)1時台に放送枠を移動する。それ以外は、2025年度下半期の再放送枠をほぼ踏襲したうえで実勢月-金曜未明(日-木曜深夜)1・2時台に初回放送を行う[49]。
NHK高校講座
2025年度下半期から深夜未明3時台の時間帯に『NHK高校講座』の枠が設定されている。2025年10月度はラジオ第2の日曜日を除く19-20時台放送の再放送だったが、2026年度からは初回放送枠(一部過去年度の再放送)となる[49]。
一般教養番組
2025年度下半期から、平日2時台末尾(実勢火-土曜未明=月-金曜深夜)に「朗読の世界」、週末深夜の1・2時台の時間帯で、「おしゃべりな古典教室」「カルチャーラジオ」(以上実勢日曜未明=土曜深夜)、「宗教の時間」「視覚障害ナビ・ラジオ」「こころをよむ」「お話でてこい」「社会福祉セミナー」「カルチャーラジオ・漢詩をよむ」「日曜カルチャー」(以上同月曜未明=日曜深夜)の再放送が充当された[55]。
2026年度からは、実勢土曜未明(金曜深夜)に「宗教の時間」「カルチャーラジオ・漢詩をよむ」「こころをよむ」、同日曜未明(土曜深夜)に「古典講読」「日曜カルチャー」、同月曜未明(日曜深夜)に「おしゃべりな古典教室」「カルチャーラジオ」のそれぞれ初回放送を充当。「朗読の世界」「お話でてこい」はこれまで通りとし、「視覚障害ナビ・ラジオ」は土曜日11時台後半に初回放送を移動する[56]。
その他
トークバラエティ番組の「望海風斗のサウンドイマジン」、ピアノ音楽・イージーリスニングの「弾き語りフォーユー」、ダンスミュージックの「twilight Club DJ MIX」をそれぞれ放送している。2022年度までは、日曜12時台と13時台に「トーキング ウィズ 松尾堂」「グッチ裕三の日曜ヒルは話半分」を放送したが、「NHKのど自慢」のNHK-FMでのサイマル放送開始に伴い終了した。
ニュース
原則として東京・渋谷にあるラジオセンターのニューススタジオからラジオ第1制作の定時ニュースを同時放送する。7時・正午・19時および『ラジオ深夜便』の時間内。原則としてFM全国ネット番組内でニュース速報は放送しない。23時50分のニュースを1995年度に、23時のニュースを2005年度にそれぞれ廃止し、1998年から「深夜便」の同時放送を定時化して枠内で放送する。
ラジオ第1の放送を変更して放送時間を拡大する場合は、FM放送独自のニュースを制作・放送する[注釈 15]。2022年度までは、NHK交響楽団定期演奏会(N響演奏会)の生中継がある日(平日は『ベストオブクラシック』の放送時間を拡大、土曜は『鍵盤のつばさ』とセットで特別番組として放送)は19時のニュースを休止したが、2023年度よりN響演奏会はA・Bプログラムを事前収録(Cプログラムはこれまでと同様に生放送)に変更[57] した上で、平日は放送時間拡大がなくなり、土曜は16時台から18時台までの放送となったため、19時のニュースは通常通りの放送となっている。
重要性の高いニュースがある場合、当初FM放送では休止予定だったものが急遽放送されたケースがある他、2009年5月20日に生中継の合間に通常はFM放送では放送されない20時のニュースが同時放送された。
2012年8月23日は、第94回全国高等学校野球選手権大会決勝を中継放送するために12時のニュースが時報前のコールサインアナウンス共々休止となった[注釈 16]。9月9日の「東京JAZZ 2012」でも同様に対応した。2015年6月24日正午のニュースは、カナダで開催中の「FIFA女子ワールドカップ 2015 決勝トーナメント・1回戦 日本vsオランダ」をラジオ第1放送とのリレー中継を行った関係でFMでは休止[注釈 17] となった[58]。
地域放送
全国共通の地域放送枠は5時55分、6時55分、7時20分(平日以外は7時15分)、11時50分(一部地域に限り土曜・日曜は11時55分)、12時15分(平日以外は12時10分)、18時50分及び19時20分(平日以外)。
東京局、名古屋局、大阪局を除く44道府県で県域放送が行われるほか、地方ブロック単位の放送もある。一部の局の地域ニュースは、ラジオ第1放送での県域放送と同時放送である。
関東・東海・関西の広域放送圏に属する府県のうち、東京・愛知・大阪のニュースは都府県域ではなく、ラジオ第1放送での広域放送と同内容である。
なお神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、群馬、岐阜、三重、京都、兵庫、奈良、和歌山では、ラジオ第1の県域放送が行われていないため、ラジオの地域ニュースはFM放送のみとなる。このうち神奈川、千葉、埼玉は総合テレビジョンでも県域放送が実施されていない。また奈良県は県域民放ラジオ局がなく、NHK-FMが唯一の県域ラジオ局である。
北海道は主要地域圏単位に放送局があり、時間帯により札幌発の全道向けニュースと、地域圏ごとのニュースに差し替える場合がある。
夏の甲子園地区大会決勝の中継は、ラジオ第1の広域放送対象地域でラジオ第1と異なる県の試合を中継することがある。夏の地区大会決勝と大相撲名古屋場所が重なる7月中旬から下旬の一時期、『ゆうがたパラダイス』など通常番組は短縮、途中で飛び降り、試合終了後から飛び乗り、休止など様々な場合がある。
選挙開票速報は統一地方選挙の場合、途中で差し替えて地域別放送する。統一地方選挙以外の選挙では番組を全面的に差し替えたり随時番組の途中で挿入したり局により対応が異なる。
かつては平日18時台や土曜昼も地域放送を編成していた局があったが、縮小傾向にある。
深夜放送
深夜放送は1988年度から1997年度まではそれまでの24時終了を1時間延長して1時まで放送したのち、1996年度と1997年度は試験的にラジオ第1が集中メンテナンスで休止される日(主に第1・3月曜深夜と、年2回・春と秋に1週間程度行われる。地上波全体メンテナンス日は除く)に「ラジオ深夜便」をリレー放送して、午前5時に一旦終了後1時間の休止を経て早朝番組を放送していたが、1998年度から「ラジオ深夜便」をラジオ第1と同時放送するにあたって24時間放送へ移行した。かつては1時にオープニングを設けずにAM放送の同時放送に切り替える場合があった[注釈 18][注釈 19]。
オリンピックやFIFAワールドカップなどスポーツ中継や年度末に放送されるNHK予算審議で、一部時間帯を休止する場合は、FM放送単独で「ラジオ深夜便」を放送する[注釈 20]。
「ラジオ深夜便」は、日本海側に位置する小出力の放送局で、近隣国の大出力局と混信して放送地域内に発生する聴取困難地区を補完し、災害など突発事象に対応するためにAMとFMで同時放送を開始した。
上記の通り、2022年度から将来のラジオ第2廃止を前提とした実証実験の一環として、早朝・深夜の一部で試験的に、ラジオ第2の語学番組の当日放送分の再放送(一部初回放送あり)[50]を段階を追って開始するようになり、2024年度[59]からはさらに23:30-翌1:00、2025年度4月期はこれを翌1:30までに拡大し、その都合上「ラジオ深夜便」の同時放送が1時間短縮の2時開始に繰り下がった。
2025年10月度改編からは、「ラジオ深夜便」のAMラジオ第1との同時中継を廃止して語学・高校講座、一般教養番組の再放送とを4時まで、次いで平日4時台は放送前日(日付上は当日)に放送された「音楽遊覧飛行」「弾き語りフォーユー」の再放送などを行った。なお2025年度4月からの平日5時台、並びに10月からの土曜日早朝(金曜深夜)4:30-5:00と、日曜日早朝(土曜深夜)4:00-5:00は「セレクション枠」と位置付けられた実質的なフィラー枠で、過去に放送された音楽番組の再放送、ないしは放送設備点検による休止枠(その場合は原則1:00-5:00休止)に充当された[55]。
2026年度4月から(前述)の「学びゾーン」の深夜枠(23:30-翌日未明4時)の編成は基本的に2025年10月度改編のスタンスをほぼ踏襲している。また4時台にあった「音楽遊覧飛行」と「弾き語りフォーユー」の再放送も廃止となり、「セレクション枠」(フィラー・または休止枠)は毎日4:00-5:00に設定された[56][49]。
放送形態
1988年3月までは午前6時に始まり、翌日午前0時に終了した。4月から終了を1時間延長して翌日午前1時まで放送[注釈 21] した。1996年4月からラジオ深夜便を編成する日は翌日午前5時まで放送[注釈 22] し、24時間放送は1998年4月[注釈 18]に開始した。
FM放送の24時間放送化は、1990年4月に特集番組として開始し、1992年4月から定時レギュラー放送となった『ラジオ深夜便』への対応があげられる。当初は中波のラジオ第1のみで24時間放送を行っていたが、深夜~早朝に中波の電波が外国の大出力局など、十分に聞こえにくい地域があること、また中波よりもFMがクリアな音声で聞き取れることから、そちらを利用して聞いているリスナーが多いことへの配慮、また送信機の大規模な入れ替え工事や局舎移転などを理由としたやむを得ない事情で両方を停波しなければならない場合以外は、どちらか一方の電波を放送することで補填するため、緊急有事に欠かせない対応をとるためでもあるとしている[60]。ただし、大規模な台風・地震・その他緊急有事が発生した場合などは原則として休止・減力を行う場合でも、それを返上して通常放送を行うが、令和6年能登半島地震発生直後の2024年1月7日深夜(1月8日未明)[注釈 23]のように予定通り放送休止となった日もある。
24時間放送実施前と24時間放送開始後も2000年6月までの放送休止日のメンテナンス明けは、放送開始の7分前[注釈 24] から放送開始用のインターバル・シグナルとしてチェレスタ(オルゴールの音色に似た楽器)の演奏が行われていたが、放送終了時は国歌演奏に続くIDのあとにチェレスタが放送されず停波した。2000年7月以後は放送休止が各局任意となったため、放送休止日のメンテナンス明けのチェレスタが首都圏など一部を除いて放送されなくなった[注釈 25]。
呼出符号は、ラジオ第1や総合テレビに併設されている場合、東京はJOAK-FM、長崎はJOAG-FMなど「JO◇◇」に「-FM」が付加される。大都市圏内のFM単独局である横浜、さいたま、千葉の各局は、横浜がJOGP-FM、さいたまがJOLP-FM、千葉がJOMP-FMなど末尾に「P」を付す。
呼出符号、呼出名称などの局名告知は、5時、正午、19時の時報前、および放送設備の機器メンテナンスにより、休止の時間が生じる時の国歌演奏終了後の午前1時01分頃に「JO◇◇-FM(呼出符号)」+「NHK+(設置場所の地名)+FM放送(です)」とアナウンスする。地上波デジタルテレビジョン放送が始まる2003年以前は「NHK+(設置場所の地名)+FM放送、」+「JO◇◇-FM(呼出符号)」とアナウンスする放送局も多くあった[注釈 26]。
放送休止時は、2022年度までは多くの放送局で「○○県(○○地方)のFM放送は放送設備の保守(点検)・整備のため、午前5時(ごろ)まで放送をお休みします。ラジオ深夜便はラジオ第1でお楽しみ下さい」とアナウンスするが、関東広域の放送は「FM放送は設備の点検のためこれで放送を終了します。この後FM放送は午前5時からです。ご了承下さい」とアナウンスしていた。一部の地域は休止前にラジオ第1の県内の周波数をアナウンスする場合があり(松山放送局では全県の中継所の周波数を東から順に二度繰り返して案内する。)、ラジオ第1放送の休止日にFM放送へ迂回を促す場合もある。このパターンは2000年7月から2023年3月までは各局任意であり、休止対象の各局は、当日の宿直アナウンサーの生放送か、東京のように一部事前収録録音したものを放送した局もあった。名古屋放送局では東海3県の聴取者に工事・点検への理解を求めるアナウンスを行っていた。
2023年4月以後は合理化のため、計画休止する地域が発生する場合に東京発の事前収録による休止アナウンス(「一部の地域で放送を休止します」)が全国に向け放送される。その後休止地域において親局の場合は君が代[注釈 27] と前述局名告知を流し(中継所個別休止の場合はそのまま停波)、放送を続ける地域では時報に続けて午前1時のラジオニュースを放送する。突発的休止の場合は各放送局が対応する。
なお、2024年度(2025年3月)までは、放送休止は原則として一律午前1時~5時に設定することが多かったが、2025年度(同4月)から、ラジオ第2廃止を前提とした深夜枠での語学・教養番組などの強化などから、従来の1時~5時の休止の他、放送する地域・日取りにより2時のニュース終了後~5時55分の間に放送休止とする事例もある[61]。
2013年4月現在で、東京スカイツリーのNHK東京本局82.5メガヘルツ (MHz)を筆頭に、親局と中継局合わせて529局、東京スカイツリーの予備送信所東京タワーを含めて530局の送信所を持ち、ほとんどは道路交通情報通信システム (VICS) を多重放送している。VICSは1996年3月から2007年3月まで東京、横浜、さいたま、千葉、大阪、京都、神戸、名古屋の計8局で実施したFM文字多重放送のシステムを利用し全国に拡充したものである[注釈 28]。
送信所はNHKのデジタルテレビ送信所に多くが併設されたり民放と共同建築で、過去にアナログテレビ送信所と併設や民放FMと共用も含んでFM放送単独の中継局は少ない。釧路と金沢局は中波放送の送信所に併設され、アナログテレビ放送設備を併設していた。このため、特に大抵は地上波のテレビの放送休止日[注釈 29]と、FMの休止日を併せることが多いが、デジタル完全移行後はテレビとFMを同時休止しない日も発生しやすくなった。
小笠原諸島は2011年に海底光ケーブルで本土と結ばれ、2013年3月31日に父島・母島の両中継局がラジオ第1・ラジオ第2と共に設置されて放送を開始した。中波のラジオ第1・ラジオ第2もFM波で送信されている[62]。
沖縄県大東諸島は、2007年4月1日にNHKラジオ第1と民放の琉球放送とラジオ沖縄の中波放送のFM中継局が設置されたが、FM放送局は現在も開局の見通しがない。NHK沖縄放送局の沖縄県向け番組はらじる★らじるのリアルタイム配信の対象外で、NHK福岡放送局の九州沖縄向け番組のみリアルタイムで聴取できる。また地方局制作番組は一部が聞き逃し配信されることがある(初回放送から1週間限定)。
大東諸島以外の本土・離島地域は、高利得アンテナなど外部のFMアンテナやFM帯域に対応したブースターを使用しない限り携帯ラジオで聴取困難な地域や、再放送するケーブルテレビ事業者もあり、外部アンテナを用いても聴取不能な地区もある。日本国内の聴取範囲は98パーセント (%) で、2011年9月1日から「らじる★らじる」、2017年10月(一部地域実験配信、全国配信は2018年4月から)から「radiko」、それぞれで番組の配信を始め、大東諸島などの聴取不能地域もFM放送の番組聴取可能となった。権利などの理由で配信されない番組は、らじる★らじる・radiko共々引き続き聴取できない。
ステレオ放送
ステレオ放送は、1963年12月16日の東京を皮切りに、翌年(1964年)2月4日には大阪と名古屋で開始[3]。同年4月6日には、全部の放送局にてFMステレオ放送が開始され(以降、沖縄・奄美地域を除き、FM局開局と同時にステレオ放送も開始)[7]、1964年度内までには、全国のFM局でステレオ放送を開始した[7]。
番組の音源は、モノラル放送は当初から日本電信電話公社の放送線で各局へ配信していたが、FMステレオ放送は当初、その品質を満たす中継線が存在せず、全国放送の番組のみ、配送されたステレオ録音済みのパッケージ・テープを音源として、東京を始めとする基幹局を含む各送出局(札幌、仙台、名古屋、金沢、大阪、広島、松山、福岡[注釈 30])でそのテープを再生し、送出局以外は、そこからステレオ放送するFM電波を各地域放送局が中継する、放送波中継を用いた[7]。1978年9月までのステレオ生放送は、東京放送局とその電波を中継する関東及び甲信越(山梨県、長野県、新潟県)地区と静岡県地方のみで、番組や放送回数が少なかった。
その後、公社のFMステレオ放送用回線としてPCMデジタル方式が適していると1976年に結論が出され、1978年9月11日にFMステレオ放送用のPCMデジタル回線[注釈 31] でまず東京 - 名古屋 - 大阪間が結ばれ[40]、1979年12月24日に札幌、仙台、金沢、広島、松山、福岡が結ばれ[21]、沖縄と奄美群島を除く全国でステレオ生中継が可能となった。その後各地方局で導入され、遂に1983年2月26日には沖縄へ[11]、1983年度内には、鹿児島県で離島の為に長らくステレオでの放送波中継ができずモノラルのままだった奄美群島にも、鹿児島放送局から名瀬中継局へ同回線が漸く導入されたことにより[13]、ステレオ生中継が全国で可能となった。中波放送の放送回線は1993年頃に、地上波テレビ放送の放送回線もデジタル放送が開始当初から、アナログテレビ放送も2004年3月にいずれもデジタル化された。FM放送もPCMデジタル回線が、2010年頃からラジオ第1・ラジオ第2・FM放送共用のラジオ・FMデジタル回線(光回線)となった。
ステレオ番組は開始当初全番組中4番組程度だったが、1964年から「午後のステレオ」「夕べのステレオ」等のステレオ番組を設けて増やしていき、1981年4月に「能楽鑑賞」「みんなのうた」を最後に、全てのFM音楽番組がステレオとなった。
開始当初、東京以外モノラル放送であったローカル番組も、1975年10月から各地方局のローカル番組もステレオ対応され[63]、1977年11月11日に全国のFM放送で完了し[10]、平日午後6時からのローカル番組枠や土曜日午後3時10分からのFMローカルの看板番組であった「FMリクエストアワー」もステレオとなり、FMローカル番組が盛り上がるきっかけとなった。
放送開始当初は、生放送を除き収録された放送送出メディアは全てオープンリール式のアナログ・テープ(ステレオでは2トラック、テープ送り速度は秒速19cm)だった。NHK放送技術研究所が研究開発し、世界のFM放送でいち早くPCMデジタル収録を始め[注釈 32]、1995年頃にDATなどを用いて収録済番組の送出が全てデジタル化され、2013年以降の収録済番組は一部の例外を除き、全てコンパクトフラッシュで送出されている[注釈 33]。
2010年3月9日、日中の定時ニュースがステレオ放送となり、東京からの全ての全国向け番組がステレオ放送となった。ただし、ステレオ放送でも、ニュースや高校野球中継の様に音声はモノラルのまま放送されている番組もわずかに存在する(事実上のモノステレオ放送[注釈 34])。全国向け番組が全てステレオ化されても、一部地域は、ローカルニュースや高校野球中継等のモノラル音声番組はステレオ信号を出さずにモノラルのまま放送されていた地域もあるが、その地域についても設備更新にあわせて終日ステレオ放送に移行している[注釈 35][注釈 36]。地域拠点局ではローカルニュースもすべてステレオ放送に移行する予定である。
ラジオ第1とサイマル放送の「ラジオ深夜便」は、NHKニュースも含め2時00分から5時00分はFMで全編ステレオ放送される。年1回程度、放送回線テストが行われる場合はモノラル放送となる。2006年4月からラジオ第1と同編成となった12時台の番組もステレオ放送である。2005年9月11日の「衆議院議員選挙開票速報」、2006年3月25日の北海道・東北地方のみのプロ野球日本ハム - 楽天の開幕戦中継もステレオ放送だった[注釈 37]。
速報
ニュース速報、交通情報は放送中の内容に割り込まない。「ひるのいこい」や「ラジオ深夜便」などラジオ第1とサイマル放送の場合、ラジオ第1で放送する地震情報、交通情報、気象関連の情報[注釈 38] をFMでも放送するが、放送しない場合がある。
震度5弱以上を観測した地震や津波の可能性がある地震、緊急地震速報、津波警報・津波注意報の発令は、NHKの国内向け全基幹放送で一斉に放送するため、通常編成を強制的に中断する。(全波<9波>全中)
大規模な選挙(国政選挙や統一地方選挙など)の政見放送が実施されている時間中に突発的な事件、事故、災害が起こった場合は、政見放送のスケジュールが公職選挙法の規定により変更できない(振替日が設定できない)ため、FM放送で臨時ニュースや気象警報の発令および解除の知らせが行われる場合がある。
2011年3月14日5時から7日間、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の関連ニュースを中心にEテレで放送した安否情報や避難者情報を優先的に差し替えながら終日ラジオ第1とのサイマル放送を行った。
その他
- 一部の番組を除いて、オンエアされる楽曲が一部の地方新聞等に掲載されている。嘗ては各出版社から出ていたFM情報誌や『NHKウイークリーステラ』にも掲載されていた。
- 「NHKオンライン」上の番組表では、前述番組表に加えてスペースの関係で掲載できなかった楽曲のプレイリストが過去30日間分検索できる。2010年4月5日より、それまで総合テレビのみ対応していたローカル枠の別番組の情報を調べることが出来るようになった。
- 民放FM局と同様ジングルが存在する。これは民放のような頻繁に流れるものではなく、特定の番組の冒頭で流される。ジャズ風やアジア系エスニック風、更には幼児の声と思しきアナウンスが入るもの、などの種類が存在し、基本となるメロディーがそれぞれのジャンルに合わせてアレンジされている。2001年頃はほとんどの番組の冒頭で流れていたが、2006年頃から減少傾向にあり、現在は『クラシックカフェ』『ウィークエンドサンシャイン』などの冒頭に流れる程度である。また、NHKワールド・ラジオ日本でもFM放送の一部番組が時差放送される際に流れることがある。
- 番組が正時を跨いで放送される場合は時報は放送されない事が殆どで、時報に広告枠を持つことの多い民放局とは対照的である。
- 初期の頃は一部のステレオ放送音楽番組の冒頭で、聴取者が左右の音声のバランス調整を取れるように音楽を流していた。これには、バッハの平均律クラヴィーア曲集第1巻から第24番のプレリュード(リコーダーによる演奏)などが用いられていた。
- 2006年6月6日、竹中平蔵が総務大臣を務めた時に総務省に設けられた「通信・放送の在り方に関する懇談会」の最終報告として、NHK-FM放送の廃止が提案された事があるが[64]、聴取者の理解が得られないと反対する与党の主張に総務省が歩み寄り、同月22日に政府・与党が、NHK改革やNTT再編を柱とする通信・放送改革の方向性について合意した際に、NHK-FM放送は廃止しないとのコメントを発表した[65]。