NLRP3

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NLRP3(NLR family pyrin domain containing 3)は、ヒトでは1番染色体長腕に位置するNLRP3遺伝子にコードされるタンパク質である[5][6]。以前はNALP3(NACHT, LRR and PYD domains-containing protein 3)、クリオピリン(cryopyrin)と呼ばれていた。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号NLRP3, AGTAVPRL, AII, AVP, C1orf7, CIAS1, CLR1.1, FCAS, FCAS1, FCU, MWS, NALP3, PYPAF1, NLR family, pyrin domain containing 3, NLR family pyrin domain containing 3, DFNA34, KEFH
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
NLRP3
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

3QF2, 2NAQ

識別子
記号NLRP3, AGTAVPRL, AII, AVP, C1orf7, CIAS1, CLR1.1, FCAS, FCAS1, FCU, MWS, NALP3, PYPAF1, NLR family, pyrin domain containing 3, NLR family pyrin domain containing 3, DFNA34, KEFH
外部IDOMIM: 606416 MGI: 2653833 HomoloGene: 3600 GeneCards: NLRP3
遺伝子の位置 (ヒト)
1番染色体 (ヒト)
染色体1番染色体 (ヒト)[1]
1番染色体 (ヒト)
NLRP3遺伝子の位置
NLRP3遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点247,416,156 bp[1]
終点247,449,108 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
11番染色体 (マウス)
染色体11番染色体 (マウス)[2]
11番染色体 (マウス)
NLRP3遺伝子の位置
NLRP3遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点59,432,394 bp[2]
終点59,457,782 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 sequence-specific DNA binding
ヌクレオチド結合
転写因子結合
血漿タンパク結合
peptidoglycan binding
ATP binding
identical protein binding
細胞の構成要素 細胞質
細胞質基質
細胞外領域
小胞体
インフラマソーム
細胞核
NLRP3 inflammasome complex
ゴルジ膜
ゴルジ体

生物学的プロセス 防衛反応
detection of biotic stimulus
NLRP3 inflammasome complex assembly
regulation of transcription, DNA-templated
negative regulation of acute inflammatory response
positive regulation of interleukin-5 production
interleukin-18 production
免疫系プロセス
positive regulation of interleukin-4 production
transcription, DNA-templated
positive regulation of cysteine-type endopeptidase activity involved in apoptotic process
positive regulation of interleukin-13 production
positive regulation of T-helper 17 cell differentiation
defense response to virus
protein complex oligomerization
positive regulation of T-helper 2 cell differentiation
regulation of inflammatory response
interleukin-1 beta production
positive regulation of type 2 immune response
炎症反応
negative regulation of NF-kappaB transcription factor activity
activation of cysteine-type endopeptidase activity involved in apoptotic process
negative regulation of inflammatory response
cellular response to lipopolysaccharide
positive regulation of T-helper 2 cell cytokine production
シグナル伝達
positive regulation of transcription by RNA polymerase II
アポトーシス
自然免疫
protein deubiquitination
defense response to Gram-positive bacterium
positive regulation of NF-kappaB transcription factor activity
cellular response to peptidoglycan
negative regulation of NIK/NF-kappaB signaling
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_001079821
NM_001127461
NM_001127462
NM_001243133
NM_004895

NM_183395

NM_145827
NM_001359638

RefSeq
(タンパク質)
NP_001073289
NP_001120933
NP_001120934
NP_001230062
NP_004886

NP_899632

NP_665826
NP_001346567

場所
(UCSC)
Chr 1: 247.42 – 247.45 MbChr 1: 59.43 – 59.46 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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NLRP3は主にマクロファージで発現しており、インフラマソームの構成要素として[7][8]、細胞外ATPや結晶性の尿酸など損傷細胞由来の産物を検出する。これらによって活性化されたNLRP3は免疫応答を開始する。NLRP3遺伝子の変異は、多くの器官特異的な自己免疫疾患と関係している。

構造

NLRP3遺伝子はパイリン英語版(pyrin)様タンパク質NLRP3をコードし、NLRP3タンパク質にはパイリンドメイン英語版(PYD)、ヌクレオチド結合部位(NBS)ドメイン、ロイシンリッチリピート(LRR)モチーフが含まれる。NLRP3はASC英語版(apoptosis-associated speck-like protein containing a CARD)のPYDと相互作用する。ASCのようにCARDドメイン英語版を持つタンパク質は、炎症や免疫応答に関与することが示されている[5]

機能

NLRP3は自然免疫系の構成要素であり、病原体関連分子パターン(PAMP)を認識するパターン認識受容体(PRR)として機能する[9]。NLRP3はPRRのNOD様受容体サブファミリーに属し、アダプタータンパク質ASC(PYCARD)とともに、NLRP3インフラマソームと呼ばれるカスパーゼ-1活性化複合体を形成する。活性化シグナルが存在しない場合、NLRP3は細胞質基質Hsp90SGT1英語版と複合体を形成した不活性状態に維持される。NLRP3インフラマソームは、損傷細胞から放出される結晶性尿酸や細胞外ATPなどのデンジャーシグナルを検知する。これらのシグナルは、Hsp90、SGT1をインフラマソーム複合体から放出し、ASCとカスパーゼ-1をリクルートする。活性化されたNLRP3インフラマソーム複合体内のカスパーゼ-1は、炎症性サイトカインであるIL-1βを活性化する[9]

NLRP3は、細胞膜に位置する機械受容チャネル英語版からのカリウムの流出による、細胞内カリウム濃度の変化によっても活性化されるようである[10]。NLRP3は活性酸素種によっても調節されているようであるが、その正確な機構は明らかにされていない[11]

NLRP3は、STAT6英語版SPDEF英語版を活性化することで肺炎球菌Streptococcus pneumoniae感染からの保護をもたらしていることが示唆されている[12]

病理

NLRP3遺伝子の変異はクリオピリン関連周期熱症候群英語版(CAPS)と呼ばれる優性遺伝自己免疫疾患群と関係している。この症候群には、家族性寒冷蕁麻疹(FCAS)、マックル-ウェルズ症候群英語版(MWS)、慢性乳児神経皮膚関節症候群/新生児期発症多臓器系炎症性疾患英語版(CINCA/NOMID)、Keratoendotheliitis fugax hereditariaが含まれる[5][13]

この遺伝子の欠陥は家族性地中海熱とも関連づけられている[14]。さらに、NLRP3インフラマソームは痛風[9]、出血性脳卒中[15]、そしてアルツハイマー病パーキンソン病プリオン病などのタンパク質ミスフォールディング病で生じる神経炎症に関与している[16][17][18]。痛風、2型糖尿病多発性硬化症、アルツハイマー病、アテローム性動脈硬化など多くの疾患のマウスモデルにおいて、NLRP3インフラマソームの欠失によって症状の緩和がみられることが示されている[19]β-ヒドロキシ酪酸はNLRP3の活性化を遮断するため、これらの疾患の多くに有効である可能性がある[20]

NLRP3の調節異常は発がん英語版とつながっている。例えば、ヒトの肝細胞癌ではNLRP3インフラマソームの全ての構成要素がダウンレギュレーションされているか完全に失われている[21]

阻害

NLRP3インフラマソームは、炎症を背景とするさまざまな疾患の創薬標的として注目されている。ジアリールスルフォニルウレアMCC-950は、強力かつ選択的なNLRP3阻害剤として同定されている[22]。Nodthera社とInflazome社は、NLRP3阻害剤の第I相臨床試験を開始している。他のNLRP3アンタゴニストとしては、ダパンストリル英語版(OLT1177)がある。このβ-スルホニルニトリル化合物は、Olactec Theraputics社によって開発された選択的なNLRP3阻害剤である。ダパンストリルは、心不全変形性関節症、痛風性関節炎の治療薬として臨床試験が行われている[23]

出典

外部リンク

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