OGG1

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OGG1もしくは8-オキソグアニン-DNAグリコシラーゼ(8-oxoguanine DNA glycosylase)は、ヒトではOGG1遺伝子にコードされるDNAグリコシラーゼである。塩基除去修復に関与しており、細菌古細菌真核生物で見つかっている。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号OGG1, HMMH, HMUTM, OGH1, 8-oxoguanine DNA glycosylase
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
概要 PDBに登録されている構造, PDB ...
OGG1
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

1EBM, 1FN7, 1HU0, 1KO9, 1LWV, 1LWW, 1LWY, 1M3H, 1M3Q, 1N39, 1N3A, 1N3C, 1YQK, 1YQL, 1YQM, 1YQR, 2I5W, 2NOB, 2NOE, 2NOF, 2NOH, 2NOI, 2NOL, 2NOZ, 2XHI, 3IH7, 3KTU, 5AN4

識別子
記号OGG1, HMMH, HMUTM, OGH1, 8-oxoguanine DNA glycosylase
外部IDOMIM: 601982 MGI: 1097693 HomoloGene: 1909 GeneCards: OGG1
遺伝子の位置 (ヒト)
3番染色体 (ヒト)
染色体3番染色体 (ヒト)[1]
3番染色体 (ヒト)
OGG1遺伝子の位置
OGG1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点9,749,944 bp[1]
終点9,788,219 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
6番染色体 (マウス)
染色体6番染色体 (マウス)[2]
6番染色体 (マウス)
OGG1遺伝子の位置
OGG1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点113,303,933 bp[2]
終点113,312,029 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 DNA結合
microtubule binding
hydrolase activity, acting on glycosyl bonds
oxidized purine DNA binding
触媒活性
血漿タンパク結合
oxidized purine nucleobase lesion DNA N-glycosylase activity
リアーゼ活性
エンドヌクレアーゼ活性
8-oxo-7,8-dihydroguanine DNA N-glycosylase activity
加水分解酵素活性
damaged DNA binding
DNA N-glycosylase activity
class I DNA-(apurinic or apyrimidinic site) endonuclease activity
細胞の構成要素 ミトコンドリア
核マトリックス
細胞核
nuclear speck
核質
高分子複合体
生物学的プロセス depurination
ヌクレオチド除去修復
エストラジオールへの反応
regulation of transcription, DNA-templated
response to light stimulus
老化
negative regulation of apoptotic process
cellular response to cadmium ion
酸化ストレスへの反応
depyrimidination
acute inflammatory response
response to radiation
response to folic acid
代謝
response to ethanol
nucleotide-excision repair, DNA incision
negative regulation of double-strand break repair via single-strand annealing
base-excision repair
DNA損傷刺激に対する細胞応答
DNA修復
base-excision repair, AP site formation
telomere maintenance via telomerase
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_002542
NM_016819
NM_016820
NM_016821
NM_016826

NM_016827
NM_016828
NM_016829
NM_001354648
NM_001354649
NM_001354650
NM_001354651
NM_001354652

NM_010957

RefSeq
(タンパク質)
NP_002533
NP_058212
NP_058213
NP_058214
NP_058434

NP_058436
NP_058437
NP_058438
NP_001341577
NP_001341578
NP_001341579
NP_001341580
NP_001341581
NP_058436.1
NP_058434.1

NP_035087

場所
(UCSC)
Chr 3: 9.75 – 9.79 MbChr 3: 113.3 – 113.31 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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概要 8-oxoguanine DNA glycosylase, N-terminal domain, 識別子 ...
8-oxoguanine DNA glycosylase, N-terminal domain
触媒不活性なOGG1 Q315A変異体と8-オキソグアニン含有DNAとの複合体構造
識別子
略号 OGG_N
Pfam PF07934
Pfam clan CL0407
InterPro IPR012904
SCOP 1ebm
SUPERFAMILY 1ebm
利用可能な蛋白質構造:
Pfam structures
PDB RCSB PDB; PDBe; PDBj
PDBsum structure summary
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機能

OGG1は8-オキソグアニン(8-oxoG)の除去を担う主要な酵素である。8-oxoGは活性酸素種への曝露の結果生じる、変異原性の塩基である。OGG1は二機能型グリコシラーゼであり、変異原性損傷部位のグリコシド結合の切断とDNA骨格の切断を引き起こすことができる。OGG1のC末端領域に生じる選択的スプライシングは、最後のエクソンが存在するかどうかによってタイプ1、2という大きなグループに分けられる。タイプ1のスプライスバリアントはエクソン7で終わり、タイプ2はエクソン8で終わる。スプライシングアイソフォームは1a、1b、2aから2eと命名されている[5]。全てのバリアントでN末端領域は共通している。真核生物ではN末端にミトコンドリア標的化シグナルが存在し、ミトコンドリアへの局在に必要不可欠である[6]。しかしながら、OGG1-1aのC末端には核局在シグナルも存在し、それによってミトコンドリアへの標的化は抑制され、への局在が引き起こされる[5]。ミトコンドリアに局在する主要なOGG1はOGG1-2aである[5]。保存されたN末端ドメインは8-oxoG結合ポケットの形成に寄与し、1つのTBP様フォールドへと折りたたまれる[7]

OGG1は重要であることが予測されるものの、Ogg1を欠くマウスの寿命は正常である[8]。Ogg1ノックアウトマウスはがんが発生する可能性が高いが、Mth1英語版遺伝子の破壊によってOgg1-/-マウスでの肺がんの発生は抑制される[9]。Ogg1を欠くマウスでは、体重増加や肥満、高脂肪食誘発性のインスリン抵抗性が発生しやすいことが示されている[10]

酸化ストレスの増加によってOGG1は一時的に不活性化され、NF-κBなどの転写因子がリクルートされて炎症関連遺伝子の発現が活性化される[11]

マウスにおける欠損と8-oxo-dGの増加

腫瘍形成を起こしていないマウス結腸上皮(A)と腫瘍形成を起こした上皮(B)。細胞核は核酸に対するヘマトキシリン染色によって濃青色で、そして8-oxo-dGに対する免疫染色によって褐色で示されている。結腸陰窩細胞の核を8-oxo-dGのレベルによって0から4のグレードに分類したところ、腫瘍形成を起こしていないマウスの陰窩の8-oxo-dGレベルは0から2であったのに対し(パネルAはレベル1のものを示している)、結腸腫瘍が進行しているマウスの陰窩の8-oxo-dGレベルは3から4であった(パネルBはレベル4のものを示している)。腫瘍形成は、高脂肪食時のヒトの結腸と同レベルになるようにマウス飼料へデオキシコール酸を添加することで誘発された[12]

機能的なOgg1を持たないマウスは野生型マウスと比較して、肝臓中の8-オキソ-2'-デオキシグアノシン英語版(8-oxo-dG)が約5倍増加する[9]。また、Ogg1欠損マウスはがんのリスクが増加する[9]。機能的なOgg1を持たないマウス(Ogg1ノックアウトマウス)と野生型マウスに対し、40週間にわたって週1度UVBを比較的低線量(皮膚の発赤を起こさない程度)で照射した実験では、照射3時間後の表皮細胞ではどちらも高レベルの8-oxo-dGがみられるが、野生型マウスでは24時間後には8-oxo-dGが半分以上除去されていたのに対し、ノックアウトマウスでは8-oxo-dGは増加したままであった。照射されたOgg1ノックアウトマウスは照射された野生型マウスと比較して皮膚腫瘍の発生率が2倍以上高く、その悪性率もノックアウトマウス(73%)の方が野生型マウス(50%)よりも高かった[13]

組織内の8-oxo-dGの増加は酸化ストレスのバイオマーカーとして利用することができる。また、発がん過程では8-oxo-dGの増加が高頻度でみられる[14]。正常な飼料で飼養されたマウスでは結腸陰窩の8-oxo-dGは低レベルであるが、試料へのデオキシコール酸の添加によって腫瘍形成を起こしたマウスでは結腸上皮の8-oxo-dGが高レベルとなっていた[12]。デオキシコール酸は細胞内の活性酸素種産生の増加によって酸化ストレスの増大を引き起こし[15][16]、腫瘍形成や発がんを引き起こす。

エピジェネティックな制御

乳がんに関する研究では、OGG1プロモーターメチル化レベルとOGG1のmRNAの発現レベルは負に相関していることが示されている[17]。このことは、高メチル化はOGG1の低発現と、低メチル化は過剰発現と関係していることを意味している。このように、OGG1の発現はエピジェネティックな制御下に置かれている。乳がんでは、OGG1プロモーターのメチル化レベルが正常値から2SD以上または以下の場合、患者の生存期間の減少と関係している[17]

がん

OGG1は8-oxo-dGの除去を担う主要な酵素である。OGG1の発現が正常な場合であっても、OGG1の効率は100%ではないため、8-oxo-dGの存在は発がん性となる。デオキシグアノシンの酸化誘導体である8-oxo-dGを800クローンの培養細胞の特定の遺伝子へ挿入した影響を観察した実験では、86%のクローンで8-oxo-dGはGへ戻っていた。これはおそらくOGG1による正確な塩基除去修復、もしくは変異を伴わない損傷乗り越え合成(translesion synthesis)によるものである。5.9%のクローンではG:CからT:Aへのトランスバージョン英語版が、2.1%では一塩基欠失が、1.2%がG:CからC:Gへのトランスバージョンが生じていた。解析された800クローンでみられた変異の中には、6、33、135塩基対の大きな欠失も含まれていた。このように、8-oxo-dGは直接変異を引き起こし、その一部は発がんに寄与している可能性がある[18]

細胞内でOGG1の発現が低下している場合、変異の増加、そしてそのため発がん性の増加が予想される。下の表はOGG1の発現低下と関係した一部のがんを示している。

さらに見る がん, 発現 ...
散発性がんにおけるOGG1の発現
がん発現OGG1の形態8-oxo-dG評価手法出典
頭頸部がん過少発現OGG1-2a-mRNA[19]
噴門部の腺癌過少発現細胞質型増加免疫組織化学[20]
星細胞腫英語版過少発現総OGG1-mRNA[21]
食道がん48%過少発現核型増加免疫組織化学[22]
-40%過少発現細胞質型増加免疫組織化学[22]
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米軍の退役軍人582人を対象とした前向き研究において、血液細胞におけるOGG1のメチル化レベルの測定が行われている。対象の中央値は72歳で、13年間の追跡が行われた。その結果、OGG1の特定のプロモーター領域の高メチル化はがん、特に前立腺がんのリスクの増加と関係していた[23]

非小細胞肺がん英語版の患者では、DNAから8-oxo-dGを除去する酵素活性が末梢血単核細胞英語版(PBMC)や肺組織で低下していた[24]。この活性は頭頸部扁平上皮がん患者のPMBCでも低下していた[25]

また、OGG1は、BRCA1BRCA2の変異の保有者におけるがんリスクと関係している可能性がある[26]

相互作用

OGG1はXRCC1英語版[27]PKCα英語版[28]と相互作用することが示されている。

脚注

関連文献

外部リンク

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