P-61 (航空機)
アメリカ陸軍の夜間重戦闘機
From Wikipedia, the free encyclopedia
開発
設計
運用
強力な武装とレーダーを搭載した重量級の機体ながら双発機としては運動性は軽快ではあったが、それでも単発機と比べ物にはならないレベルであり、また配備された頃にはドイツ空軍による本格的な空襲は鳴りを潜めており、連合国軍の夜間戦闘機の任務は連合軍攻撃機に対して飛び立ってきた枢軸国軍の夜間迎撃戦闘機との戦い、もしくは少数で進入してくる敵爆撃機に対する迎撃となってしまい活躍の機会は少なかった。もっともP-61が存在感を示したのが、イギリス本土上空でのV1飛行爆弾の迎撃であり、終戦までに18機のV1飛行爆弾を撃墜している。また、バルジの戦いのときには、第101空挺師団が守る要衝バストーニュ上空の制空戦闘を行い、ドイツ軍の戦闘爆撃機Me 410と空戦を繰り広げて、バストーニュの防衛に貢献している。これらの戦闘によって、ヨーロッパ上空で敵戦闘機に撃墜されたP-61はなかった[3]。
また、太平洋戦線にも投入され、主に沖縄戦で夜間に侵攻してくる特攻機や飛行場を爆撃しようとする戦闘機や爆撃機などの迎撃に当たった。日本国内においても、伊江島に進出したP-61が夜戦兼地上襲撃機「P61 ブラック・ウィドー」として新聞紙上で紹介されていた[4]。まともな夜間戦闘機のない日本軍機に対してP-61は非常な難敵であり、沖縄上空だけでもP-61のパイロットで何人ものエースを生み出した。一方でヨーロッパ戦線と同様に太平洋戦線においても、空戦で撃墜されたP-61はなかった。日本海軍の夜間戦闘機部隊「芙蓉部隊」が夜間戦闘機彗星でP-61の撃墜を主張しているが、その撃墜したと主張する日にP-61は戦闘、非戦闘要因いずれも損失した機体はなく、「芙蓉部隊」の誤認戦果に過ぎない[5]。
しかし、多数の撃墜数を誇ったアメリカ軍の他の戦闘機と比較すると、P-61の戦果は見劣りするものであり、終戦までに127機(うち18機はV1飛行爆弾)を撃墜したに過ぎなかった[6]。また搭載力を生かして夜間侵攻用の戦闘爆撃機として利用されることも多かった。
海兵隊も夜間戦闘機として使用していたPV、F4U、F6Fの後継機としてP-61を欲したが、陸軍向けの装備が優先されていたために待たされて、結局F7Fの夜戦型が使われることになったのと終戦により、12機がF2Tとして訓練用に使用されただけであった。また海軍も開発実験目的に少数のP-61を使用した。
戦後、F-61(1947年に改称)はF-82に順次交代していった。また偵察や気象観測に少数機が利用された。なお、写真偵察型はF-15 リポーターと呼ぶ。
派生型
- P-61A-1ブラックウィドウ
- 攻撃型。
- P-61A-5ブラックウィドウ
- 防衛型
- P-61A-10ブラックウィドウ
- 機動性向上型
- P-61A-11ブラックウィドウ
- 火力重視型
- P-61B-1ブラックウィドウ
- 迎撃戦闘型
- P-61B-2ブラックウィドウ
- 追尾型
- P-61B-10ブラックウィドウ
- 防御力重視型
- P-61B-11ブラックウィドウ
- 武装を一部変更

- P-61B-15ブラックウィドウ
- 機動性軽視型
- P-61B-16ブラックウィドウ
- 奇襲作戦型
- P-61B-20ブラックウィドウ
- 要撃戦闘型
- P-61B-25ブラックウィドウ
- 防衛戦型
- P-61Cブラックウィドウ
- 防弾性強化
- P-61Gブラックウィドウ
- 索敵型
- F-15 リポーター
- 偵察型
諸元

- P-61B
- 全長:15.12m
- 全高:4.34m
- 全幅:20.12m
- 翼面積:61.53m2
- 自重:9,979kg
- 全備重量:12,610kg
- エンジン:P&W R-2800-65 空冷星型18気筒 2,250hp ×2
- 最大速度:589 km/h
- 航続距離:4,828km
- 実用上昇限度:10,090m
- 乗員:3名
- 武装:
- 12.7mm機関銃 ×4
- 20mm機関砲 ×4
- 爆弾 720kg ×4
- 127mmロケット弾 ×4
現存する機体
| 型名 | 番号 | 機体写真 | 国名 | 所有者 | 公開状況 | 保存状態 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| P-61B-1-NO | 42-39445 964 |
アメリカ | ミッドアトランティック航空博物館[7] | 公開 | 修復中 | 飛行可能な状態に修復している。[8] | |
| P-61B-15-NO | 42-39715 1234 |
中国 | 北京航空宇宙博物館 | 公開 | 静態展示 | ||
| P-61C-1-NO | 43-8330 1376 |
アメリカ | 国立航空宇宙博物館別館 スティーヴン・F・ウドヴァーヘイジーセンター[9] |
公開 | 静態展示 | [10] | |
| P-61C-1-NO | 43-8353 1399 |
アメリカ | 国立アメリカ空軍博物館[11] | 公開 | 静態展示 | [12] | |