Qobuz
フランスの音楽ダウンロードストア・音楽ストリーミングサービス
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Qobuz(コバズ)[1]とは、フランスのXandrie SAが運営する音楽配信サービスである。
100社以上のネットワーク対応オーディオ機器(Qobuz Connect)
| Qobuz | |
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| 運営元 | Xandrie SA(日本向けサービスはXandrie Japan株式会社) |
| 種類 | 音楽配信サービス |
| サービス開始日 |
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| OS |
Microsoft Windows、macOS、iOS、Android、Chromecast対応デバイス、Samsung製スマートテレビ(Qobuzアプリ) 100社以上のネットワーク対応オーディオ機器(Qobuz Connect) |
| 現況 | サービス継続中 |
| 利用可能地域 | 26の国と地域 (#サービス対象地域節を参照) |
| ウェブサイト |
qobuz |
サブスクリプション制のQobuzストリーミングサービスと楽曲単位買い切りのQobuzダウンロードストア、音楽ニュースや専門家のレビューなどの情報が集まる読み物のQobuzマガジンから構成されている。
本記事では、かつてオンキヨーグループが運営しており日本国内におけるQobuzの事実上の前身サービスであったe-onkyo musicについても解説する。
概要
ハイレゾ音源に対応し、音楽好き集団による高度なキュレーションを活かしたオーディオマニア向けの音楽サービスとしている[2]。
日本では当初は2023年12月よりサービス開始予定だった[3]が、度重なる延期を経て2024年10月24日よりサービス開始となった[4]。日本においてはe-onkyo music(後述)を吸収する形でサービス開始しており、e-onkyo musicで購入した楽曲が一部を除きQobuzに引き継ぎ可能となっている[5]。
2023年6月現在、Qobuzではロック、ポップ、ジャズ、クラシック、アニメソングなどさまざまなジャンルの楽曲が1億曲以上提供されている[6]。 また、QobuzはTIDALなどと同様、オーディオ機器との連携を重要視しており[7]、後述の「Qobuz Connect」などによるオーディオシステムとの強力な連携機能を持つとしている[8]。
沿革
Qobuzは2007年にフランスのミュージシャン[1]であるAlexandre Leforestier及びYves Rieselによって創設された[9]。この名前は主にカザフスタンに伝わる弦楽器のコブズ (Qobyz)から採られた[10]。
2014年から2020年にかけて、Qobuzはイギリスのクラシック音楽雑誌Gramophonと提携し、Qobuzを用いたプレイリストを掲載した[11]。
2015年にQobuzは財政難の影響によりXandrie SAに買収された[12]。
2020年4月、新型コロナウイルスのパンデミックによる各国のステイホーム政策を受け、Qobuzは新規契約者全員の初回月額料金の100%を還元するキャンペーンを行った。[13]
2020年6月、QobuzはMP3品質のみ対応のプランを終了し、ロスレス対応ストリーミングに一本化した[注釈 1]。同時に最大6人まで利用可能なファミリープランも追加された。[14]また同月、カナダのメディア・通信会社であるQuebecorと提携し、Qobuzは音楽ストリーミングサービス「QUB Music」を立ち上げた。[15]
2021年9月、Xandrie SAはオンキヨー(3代目)からe-onkyo musicを買収し、日本法人であるXandrie Japanを設立した[16][17]。なお、Xandrie Japanはオンキヨー(3代目)から14.9%の出資を受けている[18]。
2022年1月、2アカウントで利用できるデュオプランをリリースした[19]。
2024年10月、Qobuzはe-onkyo musicを吸収合併する形で日本でのサービスを開始した。また、日本向けサービスはe-onkyo music時代より引き続きXandrie Japan株式会社により運営されている[20]。
2025年5月、Qobuz Connectをリリースした[21]。同時に、JBLなど60社以上のメーカーがQobuz Connectへの対応を表明した[22]。
Qobuzアプリ
Qobuzアプリは、主にQobuzストリーミングサービスを利用するためのQobuz純正アプリである。 Qobuzアプリには、以下の機能が存在する[23]。
- 見つける(スマホ)/ディスカバリー(PC)
- Qobuzアプリを開いた際に始めに出るトップページ。ニューリリースやQobuzプレイリスト、おすすめ楽曲などが表示され、音楽発見に特化していた構成となっている。
- マガジン
- Qobuzマガジンの閲覧ができる。Qobuzマガジンは、「ニュース」「インタビュー」「パノラマ」(特集記事)「Hi-fi」の4つのセクションからなる音楽に関する読み物である。また、各記事で特集された楽曲を直接Qobuzストリーミングサービスで聴くこともできる[8]。
- プレイリスト
- お気に入り
- 購入済み
- Qobuzストリーミングサービスでプレイリストやお気に入りに登録した楽曲(プレイリスト、お気に入り)、Qobuzダウンロードストアで購入済みの楽曲(購入済み)がそれぞれまとめられる。楽曲のオフライン再生もここから行える[24]。スマートフォン版アプリではこれら3つのタブは「ライブラリ」としてひとつに集約されている。
- 検索
- Qobuzストリーミングサービスで配信されている楽曲の検索ができる。
- ジャンル選択
- 「見つける/ディスカバリー」に表示する/しないジャンルを選ぶことができる。
- 設定
- サブスクリプション契約の確認や再生音質の変更などの各種設定が行える。
- 再生機器選択
- シークバー右側のスピーカーアイコンより行える。後述の「Qobuz Connect」はここから使うことができる[24]。
Qobuz Connect
Qobuz Connectは、パソコンやスマートフォンなどのQobuzアプリをリモコンとして使い、Qobuz Connectに対応したオーディオ機器でQobuzストリーミングサービスの楽曲を直接再生できる機能である。2025年5月にサービスを開始した。
Qobuz Connectを使うと、同一ネットワーク上の対応するオーディオ機器を操作してQobuzの楽曲をストリーミング再生することができる[25][7]。 AirPlayなどのキャスト機能とは違い、Qobuzのサーバーとオーディオ機器が直接通信することにより、スマートフォンなどによる音声の不本意な圧縮を介さずに楽曲を直接聞くことが出来ることが大きな特徴である[26]。なお音質は通信状況及び楽曲およびオーディオ機器側の対応状況によりCD音質もしくはハイレゾ音質(最大24bit/192kHz)のいずれかとなる。
また、Qobuzではオーディオメーカーに対しQobuz連携用のAPIを積極的に提供しており[27]、2025年12月現在Qobuz Connectは100社以上のオーディオ機器と連携して動作する[28]。
なお、2025年12月現在、Qobuz ConnectはQobuzストリーミングサービスのみの対応となっており、QobuzダウンロードストアやQobuzマガジンには対応していない。
対応OS・機器
Qobuzは以下のOSおよびスマートデバイス向けにQobuzアプリを提供している。
- Microsoft Windows - 排他モードに対応[24]
- macOS
- iOS
- Android
- Chromecast対応デバイス[29]
- Samsung製スマートテレビ[29]
また、Qobuzはヤマハ[30]、デノン、マランツ[31]、Technics[32]、Sonos[33]をはじめとした100社以上のネットワーク対応オーディオ機器でもオーディオメーカー各社提供のアプリもしくは先述のQobuz Connectを通じて利用可能である[28]。なお、オーディオメーカーにより、メーカーアプリのみ対応、Qobuz Connectのみ対応、両方とも対応とQobuzへの対応状況が分かれている[26]。
このほか、ウェブブラウザからアクセスするウェブプレーヤーも提供している。これら全てのプラットフォーム間で現在再生中の楽曲及び再生状況が同期される。また、QobuzはQobuzアプリの他にも「Roon」や「mconnect」、「Audirvāna Studio」などのサードパーティ製アプリにも対応している[34][35]。
なお、これらのどのOSやプラットフォームにおいても、サブスクリプションに入っていない場合でも各曲ごとに30秒の試聴が可能である。
Qobuzダウンロードストア
音楽フォーマット
Qobuzの音楽フォーマットは以下の通りである。なお、楽曲により利用できるフォーマットが異なる場合がある。
Qobuzストリーミングサービスによる定額制音楽配信
Qobuzダウンロードストアによる個別購入
- DSD(Direct Stream Digital)およびDXD(Digital eXtreme Definition)[注釈 3]
- ハイレゾ音質のWAV、AIFF、ALAC、FLAC[注釈 4]
- CD音質のlossless WMA
- ロッシー音質(128 kbit/sもしくは320 kbit/s)のMP3、standard WMA、AAC[42][43]。
サービス対象地域
事業戦略
料金
2025年12月現在、日本国内においてQobuzストリーミングサービスではStudioサブスクリプションのみを提供している。1アカウント用のソロ、2アカウント対応のデュオ、6アカウントまで対応のファミリーの3つのプランが存在する。各プランごとに年額一括払いと月額払いが存在し、年額一括払いの場合は月額払いの場合よりも1か月あたりの料金が少しだけ安くなっている[53]。また、日本国外の一部の国と地域ではダウンロード購入が割引される特典付きのSublimeサブスクリプションも提供している。2025年12月現在、広告付きの廉価なプランは存在しないが、代わりに初回に限り1ヶ月間の無料トライアルを実施している。
2025年12月現在の日本における料金プランは以下の通りである[4]。
- Qobuz Studio サブスクリプション
- ソロ(1アカウント用)
- 月額 1,480円
- 年額 15,360円(月換算1,280円)
- デュオ(同一住所の2アカウント対応)
- 月額 1,980円
- 年額 20,160円(月換算1,680円)
- ファミリー(同一住所の6アカウントまで対応)
- 月額 2,480円
- 年額 24,960円(月換算2,080円)
- ソロ(1アカウント用)
また、Qobuzダウンロードストアでは、クレジットカード、GMO後払い、楽天ペイ、d払い、auかんたん決済、もしくはQobuzダウンロードストア専用の「Qobuzコイン」を使って楽曲を1曲から購入することができる[54]。また、Qobuzダウンロードストアのみの利用にあたって上記のサブスクリプションに入る必要はない。
なお、Qobuzマガジンの利用は無料である。また、Qobuzマガジンの利用にあたってQobuzアカウントへのログインは不要である。
印税
アーティストには、ユーザーが聴取した個々の曲の再生回数に基づいてQobuzより印税が支払われる。2025年3月のQobuzの公式発表によると、アーティストはQobuzストリーミングサービスで曲が1回再生されるごとに約2.9円を受け取っている[55][56]。また、The EarはQobuzから支払われる印税は他の音楽ストリーミングサービスのほとんどと比べて大幅に高くなっていると指摘している[57]。
資金調達
2019年8月、Qobuzはフランスの投資ファンドNabubotoおよびQuebecorグループから1170万ユーロを調達した[58]。2020年9月、さらに2人の出資者より1000万ユーロを調達した[59]。
e-onkyo music
| e-onkyo music | |
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| 運営元 | オンキヨー(初代)→オンキヨーマーケティング→オンキヨーエンターテイメントテクノロジー→オンキヨー&パイオニアイノベーションズ→オンキヨー(3代目)→Xandrie Japan |
| 種類 | 音楽配信サービス |
| サービス開始日 | 2005年8月8日 |
| サービス終了日 |
2024年10月16日(新規会員登録及び新規楽曲購入終了) 2024年11月30日(完全終了) |
| OS | Microsoft Windows、macOS(e-Onkyo downloader) |
| 現況 | サービス終了済み |
| 利用可能地域 |
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| ウェブサイト | e-onkyo music(2024年10月1日のアーカイブ) |

e-onkyo musicとは、かつて存在した音楽ダウンロードストアである。2005年にオンキヨー(初代)が「e-onkyo music store」として設立した。2006年に「e-onkyo music」にサイト名が変更になって以来、同社の再編とともに運営会社が幾度か変更された後、2021年には財政難のためオンキヨーの手を離れXandrie Japanに運営権が譲渡された[16][17]。2024年、Qobuzに統合される形でサービス終了した[60]。
概要 (e-onkyo music)
2005年の設立当初より、高品質な音楽配信サービスをうたっていた。そのため、当初よりハイレゾ及びロスレス音源のみを取り扱っており[61]、CD音質未満のロッシー音源の取り扱いはサービス終了まで一切行われることはなかった。2022年9月時点でWAV、FLAC、DSD、MQA、Dolby TrueHDフォーマットに対応していた[62]。
パソコンやスマートフォンの他にもAV機器やNASなどとの連携にも対応しており、パナソニック製BDレコーダー「DIGA」[63]やバッファロー製NAS「DELA」[64]などのe-onkyo musicからの自動ダウンロードに対応した機器も発売されていた[注釈 5]。
e-onkyo musicのアカウント情報はユーザーによる操作でQobuzに引き継ぐことができる[5]。e-onkyo musicのポイント及び残高についてはQobuzコインに引き継がれ、Qobuzダウンロードストアにて利用可能である。また、e-onkyo musicで購入済みの楽曲についても同様にQobuzダウンロードストアにて再ダウンロードが可能である[注釈 6][66]。
沿革 (e-onkyo music)
2005年8月8日に「e-onkyo music store」としてサービス開始した。サービス開始当初のファイル形式はWMA Lossless(最大24bit/96kHz)のみであった。なお、e-onkyo music storeのサービス開始と同時にglobeのアルバム「globe2 pop/rock」のハイレゾ音源が先行で配信開始された[61]。
2006年11月20日、ウェブサイト名を「e-onkyo music」に変更した[67]。
2010年7月7日、DRMフリー音源及び24bit/192kHz音源の配信を開始した[68]。
2010年12月10日、DSD音源の配信を開始した[69][70]。当初は2.8MHz音源のみであったが2013年1月28日には5.6MHz音源[71]、2015年3月6日には11.2MHz音源の配信も開始した[72]。
2012年5月30日、音楽配信サービスとして世界初となるDolby TrueHD 5.1chサラウンド音源の配信を開始した[73]。
2013年5月15日、ウェブサイトの全面リニューアルを行った。このリニューアルに伴い配信楽曲全曲のDRMフリー化を行うと同時にハイレゾ音源の配信に特化し、CD音質の音源の配信を終了した。また、ポイントプログラムの導入も開始した[74][75]。
2014年3月25日、購入済み楽曲を一括でダウンロードできる「e-onkyo downloader」をMicrosoft Windows用に無料公開した[76]。2015年8月7日にはmacOS用のe-onkyo downloaderも公開された[77]。
2014年12月5日、POSAカード『e-onkyo music ハイレゾプリペイドカード』及び『「教えて!ホットライン」e-onkyo music ハイレゾおまかせカード』をビックカメラ及びソフマップ合計25店舗で先行販売開始[78]。2015年2月下旬からはコジマ等の他家電量販店でも販売開始した。
2014年12月15日、パナソニック製BDレコーダー「DIGA」にてe-onkyo musicの楽曲の自動ダウンロードに対応した[63]。
2016年4月12日、日本国内の音楽配信サービスとして初めてMQA音源の配信を開始した[79]。
2021年9月29日、オンキヨーグループの経営難のためXandrie Japanに運営権が譲渡された[16][17]。
2023年4月25日をもってe-onkyo music上でのWAV、MQA、Dolby TrueHDなどの配信を終了した。これらの音源はQobuzでの再ダウンロードが不可能となっている[65]。
2023年5月17日をもってパナソニック製BDレコーダーでのe-onkyo musicからの自動ダウンロードサービスを終了した[80]。
2024年10月16日をもってQobuzへの統合準備のためe-onkyo musicでの楽曲の新規ダウンロード購入、新規会員登録、登録情報の変更を終了した[60]。購入済み楽曲の再ダウンロードも2024年11月30日をもって終了し、これをもってe-onkyo musicは全てのサービスを終了した。また、AV機器やNASなどとの連携機能やe-onkyo musicハイレゾプリペイドカードによるチャージも同日までにすべて終了している。e-onkyo musicのサイト跡地はQobuzへのリダイレクトに変更された後、2025年12月現在ではドメイン名の失効によりリンク切れとなっている。