ΑII-スペクトリン

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αII-スペクトリン(αII-spectrin)、スペクトリンα2(spectrin α2)またはSPTAN1(spectrin alpha, non-erythrocytic 1)は、ヒトではSPTAN1遺伝子にコードされるタンパク質である[5][6][7]。αII-スペクトリンはさまざまな組織で発現しており、心筋のZ線構造、コスタメア英語版筋鞘で高度に発現している。αII-スペクトリンの変異は早期乳児てんかん性脳症(EIEE、発達性てんかん性脳症(DEE)、大田原症候群)5と関係しており、αII-スペクトリンはギラン・バレー症候群と乳児の先天性心疾患のバイオマーカーとして有用である可能性がある。

PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
記号SPTAN1, EIEE5, NEAS, SPTA2, spectrin alpha, non-erythrocytic 1, DEE5
染色体9番染色体 (ヒト)[1]
概要 SPTAN1, PDBに登録されている構造 ...
SPTAN1
PDBに登録されている構造
PDBオルソログ検索: RCSB PDBe PDBj
PDBのIDコード一覧

2FOT, 3F31, 3FB2

識別子
記号SPTAN1, EIEE5, NEAS, SPTA2, spectrin alpha, non-erythrocytic 1, DEE5
外部IDOMIM: 182810 MGI: 98386 HomoloGene: 2353 GeneCards: SPTAN1
遺伝子の位置 (ヒト)
9番染色体 (ヒト)
染色体9番染色体 (ヒト)[1]
9番染色体 (ヒト)
SPTAN1遺伝子の位置
SPTAN1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点128,552,558 bp[1]
終点128,633,662 bp[1]
遺伝子の位置 (マウス)
2番染色体 (マウス)
染色体2番染色体 (マウス)[2]
2番染色体 (マウス)
SPTAN1遺伝子の位置
SPTAN1遺伝子の位置
バンドデータ無し開始点29,855,572 bp[2]
終点29,921,463 bp[2]
RNA発現パターン


さらなる参照発現データ
遺伝子オントロジー
分子機能 calcium ion binding
金属イオン結合
calmodulin binding
structural constituent of cytoskeleton
血漿タンパク結合
actin binding
cadherin binding
細胞の構成要素 細胞質
細胞外ベシクル
細胞質基質
スペクトリン

細胞内膜で囲まれた細胞小器官
microtubule cytoskeleton
細胞皮質
エキソソーム
細胞骨格
細胞外領域
specific granule lumen
tertiary granule lumen
生物学的プロセス MAPK cascade
軸索誘導
endoplasmic reticulum to Golgi vesicle-mediated transport
actin filament capping
cytoskeleton organization
好中球脱顆粒
分子機能制御
出典:Amigo / QuickGO
オルソログ
ヒトマウス
Entrez
Ensembl
UniProt
RefSeq
(mRNA)
NM_001130438
NM_001195532
NM_003127
NM_001363759
NM_001363765

NM_001375310
NM_001375311
NM_001375312
NM_001375313
NM_001375314
NM_001375318

NM_001076554
NM_001177667
NM_001177668
NM_001309460
NM_001369325

RefSeq
(タンパク質)
NP_001123910
NP_001182461
NP_003118
NP_001350688
NP_001350694

NP_001362239
NP_001362240
NP_001362241
NP_001362242
NP_001362243
NP_001362247

NP_001171138
NP_001171139
NP_001296389
NP_001356254

場所
(UCSC)
Chr 9: 128.55 – 128.63 MbChr 9: 29.86 – 29.92 Mb
PubMed検索[3][4]
ウィキデータ
閲覧/編集 ヒト閲覧/編集 マウス
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構造

αII-スペクトリンは選択的スプライシングが行われることが記載されており、複数の転写産物バリアントが生じる。具体的には、心筋細胞英語版では4種類のスプライスバリアントが同定されている[8][9]。主に赤血球に存在するαI-スペクトリンとは異なり[10]、αII-スペクトリンはほとんどの組織で発現している。αII-スペクトリンは心筋では筋細胞のZ線構造、コスタメア、筋鞘に存在し[11][12][13]、心臓線維芽細胞では細胞骨格ネットワークの表面に沿って存在している[14]。αII-スペクトリンはβII-スペクトリン英語版とのヘテロ二量体として存在するのが最も一般的であり、二量体は自己重合してヘテロ四量体を形成する[5][15][16]

機能

スペクトリンは広範囲に分布する細胞骨格タンパク質で、アクチンの架橋、細胞接着、細胞間コミュニケーション、細胞周期の調節に関与する[17][18][19]。心筋におけるαII-スペクトリンの役割はあまり理解されていないが、筋鞘下のドメインの組織化と、連続的な心筋収縮と関係したストレスに対する筋鞘の安定化に関与していると考えられている[16]。αII-スペクトリンの機能的多様性は4種類のスプライスバリアントから明らかである。1つ目はαII-cardi+と呼ばれる心臓特異的バリアントで、21番目のスペクトリンリピートに21アミノ酸が挿入されている。挿入はβ-スペクトリンに対する結合親和性を調節し、筋細胞の成長と分化を調節している[8]。2つ目のバリアントはSH3i+と呼ばれるもので、10番目のスペクトリンリピートに20アミノ酸が挿入されている。プロテインキナーゼAプロテインキナーゼC英語版によるリン酸化部位を含み、スペクトリンのCa2+依存的切断とタンパク質間相互作用を調節する[20]。3つ目は15番目のスペクトリンリピートに5アミノ酸が挿入されており、挿入部位は抗原性の高いエピトープp53アンキリン様p53結合タンパク質に対する結合部位と類似している[8][21]。4つ目は21番目のスペクトリンリピートに6アミノ酸が挿入されており、その機能は明らかにされていない[11][22]

アンジオテンシンIIによって誘導される心臓のリモデリングに応答して、心臓線維芽細胞でαII-スペクトリンの遺伝子発現がアップレギュレーションされることが示されている[23]

疾患と損傷の動物モデルからは、αII-スペクトリンが多様な機能に関与していることが示唆されている。超低体温循環停止のイヌモデルでは、αII-スペクトリンの分解産物が心臓手術後の神経損傷と関連したマーカーであることが示されている[24]

臨床的意義

SPTAN1遺伝子の変異は、早期乳児てんかん性脳症(EIEE、発達性てんかん性脳症(DEE)、大田原症候群)5の原因となる[25]

αII-スペクトリンは、先天性心疾患を抱える乳児で脳の壊死アポトーシスバイオマーカーとしての有用性が示されている。αII-スペクトリンの分解産物は、開心術周術期と術後の新生児の血清中に検出される[26]ギラン・バレー症候群の患者の脳脊髄液では、αII-スペクトリンのタンパク質レベルの上昇が検出される[27]

相互作用

αII-スペクトリン(SPTAN1)は次に挙げる因子と相互作用することが示されている。

出典

関連文献

関連項目

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