腹横筋膜面ブロック

From Wikipedia, the free encyclopedia

腹横筋膜面ブロック(ふくおうきんまくめんブロック、: Transverse abdominis plane block)は、TAPブロックとも呼ばれ、腹部手術後の鎮痛を目的とした体幹神経ブロックの一種である[1]

外腹斜筋(Obliquus externus)、内腹斜筋(Obliquus internus)、Transversus(腹横筋)の三層の筋の間に筋膜の境界(筋膜面)が2カ所あるが、内側に局所麻酔薬を注入する。

適応

腹部手術後の鎮痛に有効である。従来は硬膜外麻酔が腹部手術の鎮痛の第一選択であったが、周術期抗凝固療法が行われる症例においては、硬膜外麻酔の適応が限定される[1]。その際はTAPブロックなどの体幹の神経ブロックが代替の鎮痛手段となる[1]腹腔鏡下手術[2]腹腔鏡下胆嚢摘出術[3]など)や帝王切開[4]に適している。通常、全身麻酔と併用される。このブロックを行うことにより、麻酔中に投与されるオピオイドの投与量を減らし[5]、それによる副作用を軽減することができる。

リスクと副作用

手技のリスクと副作用の例
  • 血管(出血、血腫形成)、筋肉、軟部組織、神経などの穿刺部位近くの構造の損傷。
  • ブロックの失敗、つまり目標とする神経が十分に麻酔されていない[2]。例えば肥満患者では、穿刺がより困難になる可能性がある[6]
  • 感染膿瘍形成、敗血症
使用される薬の副作用

代替手段・欠点

創が身体の中央の場合、両側のブロックが必要となる。内臓痛には効果が無い[6]

歴史

この技術は2001年にRafiによって初めて導入された[7]。Rafiは解剖学的ランドマーク法として紹介した[7][8]が、現在では、内腹斜筋腹横筋筋膜の間に超音波ガイド下で局所麻酔薬(一般的にロピバカインレボブピバカイン)を注入することによって行われる。

TAPブロックは腹部手術における筋膜面ブロックの元祖である。しかし、同等またはそれ以上の鎮痛効果をもつ代替手段は数多く存在する[9][10]

機序

腹壁の神経支配は第6胸神経から第1腰神経による[1]。TAPブロックでは、肋間神経英語版肋下神経英語版下腹神経英語版腸骨鼠径神経英語版がブロックされる。ブロックの持続時間は、注射された局所麻酔薬の量と濃度、およびエピネフリンなどの併用される添加物によって異なる。

脚注

関連項目

Related Articles

Wikiwand AI