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Wise (企業)

イギリスの送金サービス企業 From Wikipedia, the free encyclopedia

Wise(ワイズ、旧称トランスファーワイズ(TransferWise))は、イギリス・ロンドンに本社を置き、国際送金と多通貨口座を提供するフィンテック企業である。2011年1月にエストニア出身のクリスト・カーマン(Kristo Käärmann)とターヴェット・ヒンリクス(Taavet Hinrikus)が創業し、2021年2月にTransferWiseからWiseへ社名を変更した。2021年7月にロンドン証券取引所へ直接上場し、2026年5月には持株会社のWise Group plcを上場法人としてNASDAQへ主上場を移した。

企業形態 公開有限会社
設立 2011年1月
概要 企業形態, 市場情報 ...
Wise
企業形態 公開有限会社
市場情報 NASDAQ: WSE
LSE: WISE
設立 2011年1月
本社 イギリスの旗 イギリス・ロンドン
会長 デイビッド・ウェルズ
CEO クリスト・カーマン
主要人物 クリスト・カーマン(共同創業者・CEO)
ターヴェット・ヒンリクス(共同創業者)
業種 フィンテック
サービス 国際送金・多通貨口座
売上高 10億5,200万ポンド(2024年3月期)[1]
純利益 3億5,460万ポンド(2024年3月期)[1]
従業員数 5,500人超(2024年3月末)[1]
ウェブサイト wise.com/jp/
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2025年3月期には約1,560万のアクティブ顧客が年間約1,452億ポンドを送金した[2]。個人向け「Wiseアカウント」、法人向け「Wiseビジネス」、銀行・企業向け「Wiseプラットフォーム」を提供し、日本では資金移動業者として2025年11月に全銀システムへ接続した。

歴史

共同創業者の2人はエストニアとイギリスの間で互いに逆方向へ定期的に送金しており、海外送金手数料の高さに不満を持っていたと述べている。互いの支払いを肩代わりすれば手数料を省けるという着想がTransferWiseの基本モデルとなった[3][4]。

2012年2月の発表時点で、サービス開始初年度の送金額は1,000万ユーロにのぼった[5]。2017年には営業利益が黒字化し、1か月当たりの送金額は10億ポンドに達した[6]。同年後半のシリーズEラウンドでは2億8,000万米ドルを調達した[7]。2018年3月期の純利益は800万ドルで[8]、400万人を超える顧客が1か月当たり約40億ドルを送金していた[9]。2019年には2億9,200万米ドル規模のセカンダリーラウンドで企業価値が35億米ドルと算出され、シリーズEラウンド時の評価額の2倍以上となった[10]。

2021年2月22日、TransferWiseは社名をWiseに変更した[11][12]。同年7月7日にロンドン証券取引所に直接上場し、時価総額は79億ポンド(約1兆2,100億円)となった[13]。同年12月9日、共同創業者のヒンリクスが会長を退任し、元Netflix最高財務責任者(CFO)のデイビッド・ウェルズが会長に就任した[14]。2023年5月にはCFOのマシュー・ブライアーズが2024年3月までに退任すると発表された[15]。2024年3月期の収益は10億5,200万ポンド(前年比24%増)、税引前利益は4億8,140万ポンド、アクティブ顧客数は1,280万、年間送金額は1,185億ポンドであった[1]。

2025年3月期の基礎的収益は約13億6,000万ポンド、アクティブ顧客数は1,560万、年間送金額は1,452億ポンドであった[2]。同年6月には主上場を米国へ移しロンドンを二次上場とする計画を発表し、7月28日の株主総会で承認された[16][17]。2026年5月11日、イギリス会社法上のスキーム・オブ・アレンジメントによりジャージー法人の新持株会社Wise Group plcがWise plcの親会社となる再編[17]が効力を生じ、同日NASDAQでティッカー「WSE」による取引を開始した[18]。

仕組み

従来の国際送金との比較

利用者は送金先と金額、通貨を指定して送金を実行する[19]。

従来の国際送金との違いは、送金人から受取人へ直接送金する(SWIFT送金)代わりに、双方向の送金ニーズをマッチングさせ、受取人の口座がある国の内部で送金を完結させるP2P型の点にある[20]。同社は、各国に現地の銀行口座を持ち、送金元と送金先それぞれの国内で資金を動かすことで送金を処理し、反対方向の送金と相殺できる場合はそれを用いると説明している[21][22]。同社は両替に上乗せのない仲値(ミッドマーケットレート)を用い、手数料を送金前に表示すると説明している[21]。BBCは開始当初から仲値で両替し一律0.5%の手数料を課す方式であったと報じている[23]。

2014年にThis is Moneyは、TransferWiseを銀行より国際送金の費用を抑えようとするオンライン事業者の一つとして紹介した[24]。類似例としてハワラがある[25][26][27][28]。

決済インフラへの直接接続

2018年4月、TransferWiseはイギリスの即時送金網Faster Paymentsの直接参加者となり、イングランド銀行の即時グロス決済システムに決済口座を開設した。イングランド銀行は非銀行の決済サービス提供者として初の直接参加と発表した[29]。2024年11月にはフィリピンの即時送金網InstaPayへの直接接続が認められ、同国中央銀行のシステムで直接決済できるようになった[30]。2025年11月時点で直接接続する国内決済システムはイギリスのFaster Payments、欧州のSEPA、ハンガリー、シンガポールのFAST、オーストラリアのNPP、フィリピンのInstaPay、ブラジルのPix、日本の全銀システムの8つで、同社は全送金の74%が20秒以内に着金すると説明している[31][22]。

製品・サービス

TransferWiseは2017年5月、ヨーロッパ地域で多通貨口座「ボーダレス口座」を開始した。銀行口座へ送金する代わりにアカウント上で両替して残高を保管する仕組みで[32]、両替には送金と同様に手数料がかかる[33]。2018年1月には、この口座に紐づくデビットカードを同年第1四半期に提供開始すると発表した[34]。デビットカードは2020年6月時点でヨーロッパ地域、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポールの居住者に提供されていた[35]。個人向けの「Wiseアカウント」は2024年3月期時点で40通貨の残高保持、現地の口座番号での受け取り、デビットカードでの支払いに対応する[1]。

法人向けの「Wiseビジネス」は多通貨口座、国際送金、デビットカードを提供する[1]。銀行や企業が自社サービスからWiseの送金網をAPIで利用できる基盤「Wiseプラットフォーム」は、2024年3月期時点で85社超と提携している[1]。

同社はイギリスの金融行為規制機構(FCA)、ベルギー国立銀行、アメリカの各州当局などの規制を受けており、2026年時点で世界で約80の免許・登録を保有していると説明している[36][37]。同社は銀行ではなく、顧客資金を貸し出さずに事業資金と分別して保全していると説明している(米国法人では銀行預金や国債などで保全)[36]。

日本での事業

日本法人のワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社(旧トランスファーワイズ・ジャパン株式会社)は、資金決済に関する法律に基づく資金移動業者として2015年8月18日に財務省関東財務局に登録され(関東財務局長第00040号)[38]、2026年7月時点で第一種および第二種資金移動業の登録を有する[39]。TransferWiseは2016年9月に日本で正式サービスを開始し[40]、2018年には法人送金サービスを開始した[41]。2023年5月にはGMOあおぞらネット銀行がWiseプラットフォームを採用した法人向け海外送金を開始し、Impress Watchは日本の金融機関への提供は初と報じた[42]。

2024年3月、ワイズ・ペイメンツ・ジャパンは100万円超の送金ができる第一種資金移動業者の認可を受け、第二種では100万円以下に限られていた送金上限を最大1億5,000万円に引き上げると発表した[43]。同年10月に全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)から全銀システムへの参加承認を受け[44]、2025年11月25日に接続を完了した。Impress Watchによれば承認・接続とも資金移動業者として初で、新設のAPI方式で接続して日本銀行に当座預金口座を開設し、仲介銀行を介さず国内の円建て送金をほぼ即時に処理できるようになった[31]。

出典

外部リンク

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