Ubuntu Kylin
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Ubuntu Kylin(ウブントゥ・キリン、优麒麟)は、中国市場向けに開発されたLinuxディストリビューション、Ubuntuの公式フレーバーである。UKUI(Ubuntu Kylin User Interface)と呼ばれる独自のデスクトップ環境を使用しており、中国ユーザー向けのアプリや設定が施されている。2013年に公式入りした[1]。
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Ubuntu Kylin 25.04 | |
| 開発者 | CSIP、Canonical 、NUDT、Tianjin Kylin Ltd. |
|---|---|
| OSの系統 | Unix系 |
| 開発状況 | 開発中 |
| ソースモデル | FOSS |
| 初版 | 2013年4月25日 |
| 最新安定版 | 25.04 コードネーム "Plucky Puffin" / 2025年4月18日 |
| 使用できる言語 | 多言語(主に中国語(簡体字)、英語) |
| アップデート方式 | APT(Software Updater、Ubuntuソフトウェアセンター、UKSC(Ubuntu Kylin Software Center)) |
| パッケージ管理 | dpkg、APT |
| プラットフォーム | x86-64、 ARM |
| カーネル種別 | モノリシックカーネル |
| ユーザランド | GNU |
| 既定のUI | UKUI (Ubuntu Kylin User Interface) |
| ライセンス |
様々な自由ソフトウェアライセンス (主にGPL、LGPL) |
| ウェブサイト |
ubuntukylin |
| サポート状況 | |
| サポート中 | |
概要
Ubuntu Kylinの目的は、中国のユーザーにより適したUbuntuを作成することである。2013年に初めてリリースされた。CCN(CSIP、Canonical、NUDT)によって作成され、中国ユーザー向けに使いやすいオペレーティングシステムの作成を目標としている[2]。
特徴
デスクトップ環境

Ubuntu Kylinには、UKUI(Ubuntu Kylin User Interface)という独自のデスクトップ環境を提供している。UKUIはバージョン19.04以前はMATEをベースとしていたが[3]、20.04以降(UKUI3.0以降)はQtを使って独自に作られている[4]。
プリインストールアプリケーション
ブラウザのChromiumやFirefox、メールソフトのThunderbird、オフィススイートのLibreOffice、オーディオプレーヤーのRhythmbox、マルチメディアのSMPlayer、Kylin Player、Ubuntu Kylin Software Centerなどの初心者向けで中国ユーザーにも最適化されたアプリが入っている。
歴史とリリース
Ubuntu Kylinの前身であるKylinは、中国の軍部や政府機関によって利用されることを意図した、FreeBSDベースのOSであった[1]。Ubuntu Kylinは、Ubuntu Kylin 13.04からスタートし、リリース間隔はUbuntuと同様、基本的に半年ごとに行われている。ただし、Ubuntu Kylin 22.10のリリースは見送られた[5]。
| 最新のリリース | サポート終了したリリース | サポート中のリリース | 最新ベータ版 |
| バージョン | コードネーム | リリース日 | サポート期限 | 主な変更点 |
|---|---|---|---|---|
| 13.04 | Raring Ringtail | 2013年4月25日 | 初めてのリリース。Dashでのオンライン音楽検索、中国語カレンダー、天気インジケータ、Fcitxの採用、プリインストールアプリなど中国向けの機能が多数実装されている[2][6][7]。 | |
| 13.10 | Saucy Salamander | 2013年10月17日 | システムのカスタマイズ機能の充実、13.10向けの新しいGRUB選択肢やスライドショー、ブートアニメーションの提供[6][7][8]。 | |
| 14.04 LTS | Trusty Tahr | 2014年4月17日 | 2019年4月 | Ubuntu公式入りして初の長期サポート版。新しいLinuxカーネル(バージョン3.13)とUnityデスクトップ環境(バージョン7.2)の採用。Sogou Input MethodやWPS Officeのプリインストール。Kingsoft Kuaipanクラウドストレージの追加[6][7][9]。 |
| 14.10 | Utopic Unicorn | 2014年10月23日 | 2015年7月 | Linux カーネル 3.16.0-17.23を採用し、Unityデスクトップ環境7.3.1を搭載。Ubuntu Kylin Software Center、Youker Assistant、Youker Weatherなどのツールが最新バージョンにアップグレード[6][7][10]。 |
| 15.04 | Vivid Vervet | 2015年4月23日 | 2016年1月 | Linux カーネル 3.19を採用し、Intel Braswell SoCおよびIntel Skylakeの初期対応を追加。Systemdへの移行が完了。最新バージョンのFirefox 37、Thunderbird 31.6、Chromium 41、LibreOffice 4.4を含むアップデート[6][7][11]。 |
| 15.10 | Wily Werewolf | 2015年10月22日 | 2016年7月 | Linux カーネル 4.2を採用し、Intel Broxtonをサポート。最新版のFirefox 41、Chromium 45、LibreOffice 5.0.2を採用。Sogou Pinyinの新バージョン(2.0.0.0066)が10月16日にリリースされ、ソフトウェアセンターからインストール可能[6][7][12]。 |
| 16.04 LTS | Xenial Xerus | 2016年4月21日 | 2019年4月 | Linux カーネル 4.4を採用。最新バージョンのFirefox 45、Thunderbird 38.6、LibreOffice 5.1、Chromium 49、Nautilus 3.14を搭載。新しいSogou Pinyin(バージョン2.0.0.0072)をリリース。ソフトウェアセンターでインストール可能[6][7][13]。 |
| 16.10 | Yakkety Yak | 2016年10月13日 | 2017年7月 | Linux カーネル 4.8を採用。最新バージョンのFirefox 49、Thunderbird 45.3、LibreOffice 5.2、Chromium 53、Nautilus 3.20を搭載。新しいSogou Pinyin(バージョン2.0.0.0082)がリリースされ、ソフトウェアセンターからインストール可能。新しいubuntu-kylin-wizardパッケージを追加し、ユーザーがウェルカム画面とガイドインターフェイスを利用可能[6][7][14]。 |
| 17.04 | Zesty Zapus | 2017年4月13日 | 2018年1月 | UKUIと呼ばれるMATEを基にしたデスクトップ環境を導入し、様々な機能を追加した。Linux カーネル 4.10を採用し、プリインストールアプリケーションの大幅な変更、機能追加が実施された[6][7][15]。 |
| 17.10 | Artful Aardvark | 2017年10月19日 | 2018年7月 | Linux カーネル 4.13が採用され、デスクトップ環境の新しいアイコンテーマの追加、コントロールパネルのレイアウトの調整、ファイルマネージャーの機能追加、スタートメニューの起動速度の最適化、ドライバーレス印刷のサポート、その他プリインストールアプリの機能追加やバグ修正が施された[6][7][16]。 |
| 18.04 LTS | Bionic Beaver | 2018年4月26日 | 2021年4月 | スタートメニュー、パネル、ファイルマネージャ、設定の改善。その他ソフトウェアの改善[6][7][17]。 |
| 18.10 | Cosmic Cuttlefish | 2018年10月18日 | 2019年7月 | Linux カーネル 4.18が採用され、デスクトップ環境やソフトウェアの改善が行われた。Ubuntu Kylin Software Centerの更新が行われ、Qt5およびPython3へのコード移行などがされた[6][7][18]。 |
| 19.04 | Disco Dingo | 2019年4月18日 | 2020年1月 | Linux カーネル 5.0を採用し、AMD FreeSyncディスプレイのサポート。BTRFSファイルシステムでのスワップファイルのサポート。Adiantumファイルシステムの暗号化。ARM big.LITTLE CPUの電力管理機能の改善。HiDPI/Retina向けの新しいコントロールボードフォント表示。Logitech高解像度スクロールのサポートが行われた。その他生体認証フレームワーク、Biometric Managerの改良、デスクトップ環境の改良が行われた[6][7][19]。 |
| 19.10 | Eoan Ermine | 2019年10月17日 | 2020年7月 | Linux カーネル 5.3を採用し、様々な新機能が追加された。デスクトップ環境の改善、特化アプリケーションの更新が行われた[6][7][20]。 |
| 20.04 LTS | Focal Fossa | 2020年4月23日 | 2023年4月 | Linux カーネル 5.4の採用、UKUI 3.0デスクトップ環境を導入[6][7][21]。 |
| 20.10 | Groovy Gorilla | 2020年10月22日 | 2021年7月 | Linux カーネル 5.8の採用、UIの変更[6][7][22]。 |
| 21.04 | Hirsute Hippo | 2021年4月22日 | 2022年1月 | Linux カーネル 5.11を採用。デスクトップ環境の改良[6][7][23]。 |
| 21.10 | Impish Indri | 2021年10月14日 | 2022年7月 | Linux カーネル 5.13を採用、デスクトップ環境の改良[6][7][24]。 |
| 22.04 LTS | Jammy Jellyfish | 2022年4月21日 | 2025年4月 | Linux カーネル 5.15、UKUI3.1を採用。FirefoxにSnapパッケージを採用。アプリケーションのアップグレード、新機能の追加、バグ修正が行われた[6][7][25]。 |
| 23.04 | Lunar Lobster | 2023年4月20日 | 2024年1月 | Linux カーネル 6.2を採用。Mesa 23.0グラフィックスドライバを搭載。Mozilla Firefox 111、Thunderbird 102、LibreOffice 7.5、Shotwell 0.30.17、Remmina 1.4.29、Transmission 3.0への更新。Python 3.11、binutils 2.40、Ruby 3.1、golang 1.20、glibc 2.37、GCC 13、LLVM 16への更新が行われた[6][7][26]。 |
| 23.10 | Mantic Minotaur | 2023年10月12日 | 2024年7月 | Linux カーネル 6.5を採用。Python 3.11.5、binutils 2.41、Perl 5.36.0、Rust 1.71、golang 1.21、glibc 2.38、GCC 13.2.0、LLVM 16へのバースライブラリのアップデート。BlueZ 5.68、Cairo 1.18、NetworkManager 1.44、Pipewire 0.3.79、Poppler 23.08などのサブシステムのアップグレード、WPS Office 11.1.0.11704、Sogou Input Method 10.0.9.0.6、Mozilla Firefox 117、Thunderbird 115.2、Shotwell 0.32.2、Remmina 1.4.31、Transmission 4.0.2などのコアアプリケーションの更新が行われた[6][7][27]。 |
| 24.04 LTS | Noble Numbat | 2024年4月25日 | 2027年4月 | Linux カーネル 6.8、UKUI 4.0を採用。kylin-sdk 2.0を統合[6][7][28]。 |
| 24.10 | Oracular Oriole | 2024年10月10日 | 2025年7月 | Linux カーネル 6.11を採用[6][7][29]。 |
| 25.04 | Plucky Puffin | 2025年4月18日 | 2026年1月 | Linux カーネル 6.14を採用[6][7][30]。 |
スクリーンショット
- Ubuntu Kylin 16.04 LTS
- Ubuntu Kylin 17.10
- Ubuntu Kylin 18.04 LTS
- Ubuntu Kylin 20.04 LTS
- Ubuntu Kylin 22.04 LTS
- Ubuntu Kylin 23.10
- Ubuntu Kylin 24.04 LTS
- Ubuntu Kylin 24.10
- Ubuntu Kylin 25.04
システム要件
- CPU: 2 GHzデュアルコアプロセッサ以上
- RAM: 2 GB以上(推奨4 GB以上)
- ディスク容量: 25 GB以上
他のフレーバーとの比較
デスクトップ環境
Ubuntu Kylinは、独自のUKUI(Ubuntu Kylin User Interface)を採用しており、Windows 7に似た、モダンなデスクトップ環境を提供している[31][32]。
Kubuntu
Lubuntu
Xubuntu
Ubuntu Budgie
Ubuntu Budgieは、Budgieデスクトップを採用し、エレガントなデザインと直感的なレイアウトが特徴[31]。
- Ubuntu Kylin UKUI
- Kubuntu KDE Plasma
- Lubuntu LXQt
- Xubuntu Xfce
- Ubuntu Budgie Budgie
ターゲットユーザー
Ubuntu Kylinは、中国のユーザーを主なターゲットとし、中国ユーザー向けのローカライズが徹底されている。中国向けのソフトウェア、機能が実装されている[31][32]。
Edubuntu
Ubuntu Studio
Ubuntu Studioは、クリエイター向けに設計され、オーディオおよびビデオコンテンツを作成するために必要なツールが含まれている[33]。
- Ubuntu Kylin 中国ユーザー向けアプリケーション
ローカライズとカスタマイズ
Ubuntu Kylinは、中国語環境に最適化されており、フォントやUIが中国文化を反映している。また、UKUIはWindows 7ライクな操作性を提供する[31][32]。
Kubuntu
Kubuntuは、KDE Plasmaのカスタマイズ性が高く、テーマやアイコン、ウィジェットの変更が容易[31]。
Lubuntu
Lubuntuは、LXQtデスクトップを採用し、モダンだがアプリに処理能力を使うように設計されているため、デザインは2の次である[32]。
- Ubuntu Kylin ローカライズ
- Kubuntu カスタマイズ
- Lubuntu カスタマイズ
システム要件
Ubuntu Kylinは、他のフレーバーと同様に、2 GHzデュアルコアプロセッサ、2 GB以上のRAM(推奨4 GB以上)、25 GB以上のディスク容量が必要。
Lubuntu
Lubuntuは、LXQtデスクトップを採用し、より低いシステム要件で動作可能[32]。
- Lubuntu リソース
- Xubuntu リソース
プリインストールアプリケーション
Ubuntu Kylinは、中国市場向けのアプリがプリインストールされている[31]。
Ubuntu Studio
Ubuntu Studioは、クリエイター向けのアプリが豊富にプリインストールされている[32]。
Edubuntu
Edubuntuは、教育用のアプリが豊富にプリインストールされている[32]。
- Ubuntu Kylin アプリケーション
- Ubuntu Studio アプリケーション
- Edubuntu アプリケーション