X-24 (航空機)
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X-24は、アメリカ空軍とNASAによって開発された実験機。
X-24
- 用途:実験機
- 分類:リフティングボディ機
- 製造者:マーティン・マリエッタ社
- 運用者:NASA
- 初飛行:1969年4月17日
- 生産数:1機
- 退役:1975年11月26日
概要
無動力再突入機の一案であるリフティングボディの概念実証の為に製作され、試験結果は、後のスペースシャトルにも生かされている。X-24Aが1機製作され、後にX-24Bに改装された。
X-24A
開発
X-24計画は、NASAドライデン飛行研究センターとアメリカ空軍の共同計画であり、機体は1966年に発注されている。マーティン・マリエッタ社ではSV-5Pの社内名称で開発を行っている。実験の目的は機体操縦性の研究、宇宙往還機における大気圏突入後の滑空および予定地への着陸可能性などの能力を証明する為に行われた。M2-F1、M2-F2、M2-F3に続く4番目の有人リフティングボディ機である。
NB-52Bに搭載されて高度13,700m付近まで上昇、投下後に自身のロケットエンジンにより飛行する。
最大速度マッハ2程度のため、機体は通常のアルミニウム合金モノコック構造を採用し、太い涙滴状の形状を有し機体尾部に3枚の垂直尾翼を持つ。機体の操縦は胴体後部の上下各2枚のフラップと垂直尾翼後端の上下に分かれたラダーで行う。操縦系統は二重の油圧システムになっており、ピッチ制御は上2枚または下2枚のフラップの連動で操作し、これの差動とラダー操作でロールとヨーを制御する。機内の電力は内蔵バッテリーが供給する。
X-24Aに先立ち、マーティン・マリエッタ社はパイロットの慣熟訓練用にSV-5J( プラット・アンド・ホイットニー J60 ターボジェット 推力1,360kg✕1)2機を自主製作したが実飛行する機会はなかった。SV-5Jの機体形状はX-24Aとほぼ同一だが機体下部にエアインテークがある点が異なる。
ライト・パターソン空軍基地・国立アメリカ空軍博物館では、SV-5Jの原寸模型をX-24Aとして展示している(#実験記録のとおりオリジナルのX-24Aは現存しない)。もう1機のSV-5Jは、アメリカ空軍士官学校で展示している。
実験記録
仕様
諸元
- 乗員: 1 名
- 全長: 7.47 m
- 全幅: 4.16 m
- 全高: 3.15 m
- 自重: 2,858 kg
- 全備重量: 5,194 kg
- 翼面積: 15.01 m2
- エンジン
- リアクション・モーターズ XLR11-RM-13 推力3,850kg×1
- 液体酸素ロケットエンジン 推力227kg×2 着陸時に使用可能
性能
- 最大速度: マッハ1.6
- 最高高度: 21,765 m
X-24B
開発

X-24Aからの主な変更点は以下のとおり。
- 機首: 3°の仰角を付けて延長し、極超音速でのトリム調整に寄与。
- 主翼: 後退角60°の小さな外翼を持つダブルデルタ翼に変更。
ダブルデルタ翼の採用により純粋なリフティングボディ機ではなくなったが、操縦性はかなり改善された。
機首から外翼にかけて設置した前縁は、亜音速ではほとんど揚力を発生しないが、超音速では有効な揚力を発生し、風圧中心の移動が少ないので空気抵抗も減少する。また、低速でも迎え角が大きくなると前縁が揚力を生み出すので着陸速度を充分に遅くしても安全性が保たれた。
操縦翼も外翼後縁のエレボンが2枚新設されて計10枚に増え、前脚はF11F-1と同じものに換装された。
緩やかにふくらみを帯びた機体上面と、平面な機体下面から「フライングアイロン(空飛ぶアイロン)」と称された。
実験記録
- 1973年8月1日、着陸滑走距離の短縮技術など、実用的テストを開始。
- 1974年10月25日、16回目の飛行時、空軍のマイケル・V・ラブの操縦で速度マッハ1.76、高度22.59kmを記録。
- 1975年9月23日、NASAのビル・ダナの操縦で速度マッハ1.16、高度21kmを記録。同日、30回目の飛行で動力飛行を終了。
- 1975年11月26日、6回の滑空飛行を経て、X-24Bとして最後になる36回目の飛行。
実験結果はスペースシャトル計画に引き継がれ、ドライデン飛行研究センターが関与した最後のリフティングボディ機となった。
仕様
諸元
- 乗員: 1 名
- 全長: 11.43 m
- 全幅: 5.84 m
- 全高: 3.15 m
- 自重: 3,538 kg
- 全備重量: 6,260 kg
- 翼面積: 30.66 m2
- エンジン: リアクション・モーターズ XLR11-RM-13 推力4,445kg×1
性能
- 最大速度: マッハ1.76
- 最高高度: 22,595 m
X-24C

計画
1972年から1978年の間に、より高速度のリフティングボディ実験機である「X-24C」の研究が行われている。ロッキード社のスカンクワークスによる設計案「L301」では、B-52を母機とする、ロケットエンジンとスクラムジェットエンジンを併用、最大速度マッハ8以上/最高高度85.34kmの極超音速機の提案がなされたが、スペースシャトル計画の開始により中止された。
仕様(計画値)
諸元
- 乗員: 1 名
- 全長: 22.81 m
- 全幅: 7.37 m
- 全高: 6.27 m
- エンジン
- 計画値につき詳細不明[1]
性能
- 最大速度: マッハ8
- 巡航速度: マッハ6