あにいもうと
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あらすじ
都会での奔放な生活の果てに素性の知れぬ男の子を身籠り、心身ともに疲れ果てて実家へ戻った妹のもんに対し、封建的な世間体を重んじる粗暴な兄の伊之助が、一家の恥を晒したと猛り狂って情容赦ない拳を振るい、もんもまた兄の支配に抗って激しい罵声を浴びせ泥仕合を演じるが、この凄絶な暴力の連鎖は反転した濃密な愛情の裏返しに他ならず、結局は互いを深く傷つけ合うことでしか繋がれない血の呪縛を再確認し、救いのない日常へと沈んでいく。 その後、伊之助の暴虐によってもんは胎内の子を失うという悲劇に見舞われ、一度は絶望から家を飛び出すものの、結局は逃れられぬ肉親の情愛に引き戻され、出口のない愛憎が渦巻く同じ屋根の下で、地獄のような執着を抱えたまま共に生きていくという、閉塞した家族の業へと回帰するのだった。
登場人物
- 赤座 - 川仕事の人夫頭。
- りき - 赤座の妻。
- 伊之助 - 赤座の長男(28歳)。
- もん - 赤座の長女(23歳)。
- さん - 赤座の次女。
- 小畑 - 書生(24歳)。
書誌情報
映画
これまで3度映画化されている。
1936年版
『兄いもうと』のタイトルで1936年(昭和11年)6月21日に公開。製作はP.C.L.、配給は東宝。モノクロ。上映時間は61分[1]。 1936年度キネマ旬報ベストテン第7位。
1953年版
1953年(昭和28年)8月19日に公開。製作・配給は大映。監督は成瀬巳喜男、主演は京マチ子。1953年度キネマ旬報ベスト・テン第5位。
1976年版
1976年(昭和51年)10月23日公開。製作は東宝映画。配給は東宝。カラー。上映時間は88分。1976年度キネマ旬報ベストテン第6位。第19回ブルーリボン賞主演女優賞(秋吉久美子)・助演男優賞(大滝秀治)受賞。
テレビドラマ
1958年版
『兄いもうと』のタイトルで、1958年11月9日21:15 - 22:15にKRテレビ系列の「東芝日曜劇場」枠で放送された。
1959年版
1959年3月11日水曜20:00 - 21:00に日本テレビ系列の「ヤシカゴールデン劇場」枠で放送された。
| 日本テレビ ヤシカゴールデン劇場 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
落陽
(1959年3月4日) |
あにいもうと
(1959年3月11日) |
並木河岸
(1959年3月18日) |
1960年版(NET)
『兄いもうと』のタイトルで、1960年1月28日木曜20:00 - 21:00にNETテレビ系列の「文芸劇場」枠で放送された。水谷八重子が再び主人公もん役で出演した。
| NET 文芸劇場 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
お富の貞操
(1960年1月21日) |
兄いもうと
(1960年1月28日) |
雨に燃える
(1960年2月4日) |
1960年版(CX)
1972年版
1972年9月3日21:30 - 22:26にTBS系列の『東芝日曜劇場』枠で放送された。脚本は山田洋次、兄・伊之助役は渥美清、妹・もん役は倍賞千恵子と『男はつらいよ』シリーズの面々が顔を揃えた。
1974年版
『あに、いもうと』というタイトルで、1974年3月6日にNETテレビの『女・その愛のシリーズ』で放送された[2]。
| NET 女・その愛のシリーズ | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
あに、いもうと
|
||
1995年版
1995年9月12日にテレビ東京系列の『火曜ゴールデンワイド』特別企画として放送された。
2018年版
ドラマ特別企画『あにいもうと』のタイトルで、2018年6月25日月曜20:00 - 21:57[注釈 1]に放送された。主演は大泉洋[4]。視聴率は10.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)[5]。
山田洋次脚本・石井ふく子プロデューサーのコンビで1972年に渥美清・倍賞千恵子の出演でテレビドラマ化して以来、46年ぶりの再ドラマ化となる[6]。
- キャスト
- 赤座伊之助(伊之) - 大泉洋
- 大工の仕事をしていて、部下の面倒見もいい。もんちと衝突するが実は本気で憂いていて、赤座家に来た裕樹を殴った。
- 赤座桃子(伊之の妹、もんち) - 宮﨑あおい
- トラックの運転手[注釈 2]。イノと衝突するが兄を心配している。実は裕樹との間に子供がいるのを秘密にしていた。
- 赤座佐知(伊之・もんちの妹) - 瀧本美織
- イノやもんちと仲がいい。
- 小畑裕樹(もんちの彼氏) - 太賀
- もんちと別れたが、彼女の妊娠を知り復縁を考える。イノの制裁を受けるが、その後もんちと結婚する。
- 岡村咲江(伊之の友人、のち妻) - 西原亜希
- 花屋に勤務。元夫との間に息子供がいるその息子はイノと仲がよく、もんちは彼女を気に入っているので兄嫁にと思っている。
- 三四郎(伊之の弟分、サブ) - 七五三掛龍也
- イノが面倒を見ている後輩。
- シマ(もんち行きつけの居酒屋女将) - 一路真輝
- パティ(研修生、伊之を取材) - シャーロット・ケイト・フォックス
- 赤座忍(伊之・もんちの父) - 笹野高史
- もんちと復縁しようと赤座家にやってきた裕樹を一喝する。
- 赤座きく子(伊之・もんちの母) - 波乃久里子
- 裕樹を怒る忍とイノを宥め、もんちとの結婚を認める。