カラスバト
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カラスバト(烏鳩、Columba janthina)は、ハト目ハト科カワラバト属に分類される鳥類。
| カラスバト | ||||||||||||||||||||||||||||||
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アカガシラカラスバト Columba janthina nitens | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
| LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Columba janthina Temminck, 1830 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
| Black wood pigeon Japanese wood pigeon |
分布
形態
全長40 cm。頭部は小型。尾羽はやや長い。全身は光沢のある黒い羽毛で被われる。
上嘴を覆う肉質(蝋膜)は小型。嘴の先端は淡黄色。後肢の色彩は赤い。
- C. j. janthina カラスバト
頭部は黒い羽毛で被われる。嘴の色彩は淡青色や暗青色。
- C. j. nitens アカガシラカラスバト
頭部は赤紫色の羽毛で被われる。嘴の色彩は黒い。
分類
- Columba janthina janthina Temminck, 1830 カラスバト
- Columba janthina nitens アカガシラカラスバト
- Columba janthina stejnegeri ヨナクニカラスバト
生態
海岸や島嶼にある常緑広葉樹林に生息する。ゆっくりとした飛翔と滑空を繰り返しながら飛翔する。
食性は植物食傾向の強い雑食で、果実(クロガネモチ、ツバキなど)、花、ミミズなどを食べる。地表でも樹上でも採食を行う。
鳴き声が牛に似ることから奄美大島では牛鳩とも呼ばれる[2]。
繁殖形態は卵生。樹上や岩の上、樹洞、シダの茂みの中などに木の枝を組み合わせた巣を作り、1回に1個の卵を産む[2][3]。繁殖の時期に関しては、伊豆諸島では2 - 9月で特に5 - 6月に多いとされるが[3]、鹿児島県獅子島では11 - 2月、山口県光市牛島では11 - 3月[4]、山口県宇和島では11 - 2月[5]との報告があり、鹿児島県奄美大島では9月から求愛がはじまり、11 - 2月に営巣・育雛が観察されている[2]。
人間との関係
カワラバトやキジバトなどは最も人間に慣れている鳥の一種で、アオバトも警戒心が弱い部類であるが、カラスバトに関してはハト科において例外的に人間に対する警戒心が非常に強く、伊豆諸島の例では生息する島に5年以上居住していても、一度全身を肉眼で見る機会があれば運が良いレベルで、独特の鳴き声や時折飛翔する際のシルエットが見えたり羽ばたき音が聞こえる程度で、ほとんど人々との接点はない。
開発や人為的に移入されたヤギによる生息地の破壊、人為的に移入されたネコ、ネズミなどによる捕食などにより生息数は減少している。1969年に亜種アカガシラカラスバトが、1971年に種として国の天然記念物、1993年に種の保存法施行に伴い亜種アカガシラカラスバトと亜種ヨナクニカラスバトが国内希少野生動植物種に指定されている。
小笠原諸島の父島、母島では希少生物を食害するノネコを減らす対策が行われ、一時は数十羽に減ったアカガシラカラスバトの生息数が、小笠原諸島全体で最大1000羽程度に回復したと推測されている[6]。
C. j. nitens アカガシラカラスバト
絶滅危惧IA類 (CR)(環境省レッドリスト)
C. j. stejnegeri ヨナクニカラスバト
絶滅危惧IB類 (EN)(環境省レッドリスト)
C. j. janthina カラスバト
準絶滅危惧(NT)(環境省レッドリスト)
参考文献
- 安部直哉『山渓名前図鑑 野鳥の名前』山と渓谷社、2008年、108頁。
- 五百沢日丸『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』文一総合出版、2004年、72頁。
- 環境庁『日本産鳥類の繁殖分布』大蔵省印刷局、1981年。
- 黒田長久監修、C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編『動物大百科8 鳥類II』平凡社、1986年、159頁。
- 高野伸二『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』日本野鳥の会、2007年、198-199頁。
- 中村登流監修『原色ワイド図鑑4 鳥』学習研究社、1984年、68・184頁。
- 真木広造、大西敏一『日本の野鳥590』平凡社、2000年、349頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』小学館、2002年、70頁。