イオノン

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イオノン英語: ionone)、別名ヨノンドイツ語: Jononオランダ語: Jonon)はテルペノイドの一種である。二重結合の位置が違う3種類の異性体があり、それぞれα-イオノンβ-イオノンγ-イオノンと呼ばれる。スミレの花のようなにおいを持つ、無色または黄色みを帯びた液体である。においは異性体ごとに異なる。

概要 物質名, 識別情報 ...
イオノン
Ball-and-stick model of the alpha-ionone molecule
alpha-ionone
Ball-and-stick model of the beta-ionone molecule
Ball-and-stick model of the beta-ionone molecule
beta-ionone
Ball-and-stick model of the gamma-ionone molecule
gamma-ionone
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
UNII
性質
C13H20O
モル質量 192.30 g/mol
密度 α: 0.933 g/cm3
β: 0.945 g/cm3
融点 β:−49℃
沸点 β:126 ~ 128℃ at 12 mmHg
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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存在

いずれの異性体もさまざまな植物の精油にみられ、特にベリータバコに多い。スミレ精油には約22%のα-イオノンが含まれる。β-イオノンはヘンナなど、γ-イオノンはタマリンドなどに含まれる。α-イオノンには一対の鏡像異性体があるが、天然にはどちらも存在する。

用途

多く調合香料や食品香料として利用される。含まれる異性体の比率が違うと、そのにおいも異なる。ダマスコンイソメチルイオノンなど、他の香料を製造する際の原料としても使われる。

β-イオノンはレチノール(ビタミンA)やカロテノイド、および他の香料の合成原料化合物として重要である。2003年における全世界での生産量は4,000から8,000トンと見積もられている[1]

製造

植物の精油から得られるが、主に化学合成によって製造される。

イオノンはプソイドイオノンから合成することができる。シトラールにアセトンを塩基触媒を用いたアルドール反応によって縮合させると、プソイドイオノンが生成する。

プソイドイオノンの合成

プソイドイオノンに希酸を加えて暖めると環化がおこり、α-イオノンとβ-イオノンの混合物が得られる。反応を行う条件によって、生成するα体とβ体の比率は変わる。リン酸を用いると主としてα-イオノンが、硫酸の場合には主にβ-イオノンが得られる。また、三フッ化ホウ素を使うとγ-イオノンが生成する。

ヨノンの合成

生化学

ごく少量であっても、ヒトの鼻はイオノンのにおいを感じとることができる。閾値は空気中、α-イオノンでは約3ppb(空気中 3×10−7mg/L)、β-イオノンは0.12ppb、(R)-γ-イオノンは11ppb、(S)-γ-イオノンは0.07ppbとされる[2]

安全性

経口での急性毒性は低いとされている。α/β-イオノン混合物 (60:40) のLD50は4590mg/kg(ラット、経口)と報告されている[3]

イオノンはアレルゲン(感作性物質)となる可能性があり、取り扱いの際には手袋を使うことが推奨されている。

α-イオノンはドイツ水質危害クラス (Wassergefährdungsklasse) でクラス2(危険性あり、endangering)に指定されている。

出典

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