チョウ (甲殻類)
ウオヤドリエビ綱鰓尾目チョウ科に分類される甲殻類の1種
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概説
形態
習性
キンギョ、コイ、フナなどの淡水魚類の皮膚に寄生し、鋭い口器でその血液を吸う外部寄生虫である。全身のどこにでもとりつき、体表に付着した姿は鱗の一枚のように見える。
自由に游泳することができるため、時折り宿主を離れて泳ぐ。3-5日間は宿主を離れても死ぬことはない。ただし、魚を離れて泳ぎだしたものが魚に食われる例も多いようである。
産卵時には宿主を離れ、水底の石の表面などに卵を産み付ける。産卵は夜間に行われ、1頭の雌が4日おきに時には10回も産卵する。1回の産卵数は数十から数百で、総計2000を生んだ例もあるという。卵は2-4週で孵化、七齢の幼生期がある。幼生は外見的には成体に似ているが、当初は腹部の附属肢が無く、触角は游泳に適する形をしているので、ノープリウスに近い形態と言える。
なお、何種かの金魚が混泳する水槽でチョウが発生すると、次第にリュウキンなどひれの長い品種の寄生率が高くなるという。これは、この寄生虫が時折魚を離れて泳ぐこと、それにひれの長い品種ほど泳ぐのが遅い傾向があることによるものらしい。
利害
分布
近似種
日本ではごく近似のものとして以下の種がある。
- チョウモドキ Argulus coregoni Thorell, 1864
- チョウにごく似ている。相違点としては腹部の游泳脚の基部の節に羽状棘毛があること、腹部がより長く尖ることなどがある。ヨーロッパが原産で魚類の移植によって持ち込まれたとの説があるが、在来種とする説もある[4]。
- モウコチョウ Argulus mongolianus Tokioka, 1939
- チョウやチョウモドキに酷似するが、前2種では頭部前縁が弧を描くのに対し、本種では「凸」型に突き出すことによって見分けられる。戦前に日本の研究者によって内モンゴルで発見された。日本では2022年に宮城県で初めて記録されており、中国から移入されたと考えられている[5]。
ほかに日本で報告された淡水種としてマルミチョウA. americanusとツワモノチョウA. lepidosteiがあるが、北米から輸入された魚類に寄生していたものでそれぞれ1例しか記録がない[1]。さらにいくつかの海産種が知られる[1]。