カタランの定数

数学定数 From Wikipedia, the free encyclopedia

数学において、カタランの定数 G(カタランのていすう、英語: Catalan's constant)とは、ディリクレベータ函数 β を用いて以下のように定義される定数である。

その数値[1]はおよそ

G = 0.915965594177219015054603514932384110774

とされる(オンライン整数列大辞典の数列 A006752)。

数学の未解決問題
カタランの定数は無理数か?もうしそうならば、超越数か?

G無理数超越数なのかは未だに分かっていない[2]G は「無理数や超越数であるかどうかが(そうであると強く推測されながらも)今だ明らかでない最も基礎的な定数」だと言われている[3]

カタランの定数は、級数の数値計算のために素早く収束する級数を発見し[4]1865年にその回顧録を出版したウジェーヌ・カタランに因んで名付けられた[5]

適用事例

既知の桁

カタランの定数 G の既知の桁数は、ここ数十年で飛躍的に増加した。これはコンピュータの性能の向上およびアルゴリズムの改善によるものである[14]

さらに見る 日付, 十進法での桁数 ...
十進法でのカタランの定数 G の既知桁数
日付十進法での桁数計算者
1832年16トーマス・クラウゼン
1858年19Carl Johan Danielsson Hill
1864年14ウジェーヌ・シャルル・カタラン
1877年20ジェームズ・W・L・グレーシャー
1913年32ジェームズ・W・L・グレーシャー
1990年20000Greg J. Fee
1996年50000Greg J. Fee
1996年8月14日100000Greg J. Fee & サイモン・プラウフ
1996年9月29日300000Thomas Papanikolaou
19961500000Thomas Papanikolaou
19973379957Patrick Demichel
1998年12500000Xavier Gourdon
2001年100000500Xavier Gourdon & Pascal Sebah
2002201000000Xavier Gourdon & Pascal Sebah
2006年10月5000000000近藤茂 & Steve Pagliarulo[15]
2008年8月10000000000近藤茂 & Steve Pagliarulo[14]
2009年1月31日15510000000Alexander J. Yee & Raymond Chan[16]
2009年4月16日31026000000Alexander J. Yee & Raymond Chan[16]
2015年6月7日200000001100Robert J. Setti[17]
2016年4月12日250000000000Ron Watkins[17]
2019年2月16日300000000000Tizian Hanselmann[17]
2019年3月29日500000000000Mike A & Ian Cutress[17]
2019年6月16日600000000100Seungmin Kim[18][19]
2020年9月6日1000000001337Andrew Sun[20]
閉じる

積分表示

Seán Stewart が述べたように、「カタランの定数と等しい、あるいはカタランの定数で表現できる定積分は非常に多く、いくらでも存在するかのようである」[21]。そのうちいくつかを以下に示す。

このうち、最後の3式はマルムステン英語版の積分と関連している[22]

K(k) を楕円率 k の函数とした第一種完全楕円積分とすると、次の式が成り立つ。

E(k) を楕円率 k の函数とした第二種完全楕円積分とすると、次の式が成り立つ。

ガンマ函数 Γ(x + 1) = x! を用いて

次の積分は逆正接積分英語版として知られる特殊函数であり、シュリニヴァーサ・ラマヌジャンによって詳しく研究された。

他の特殊函数との関係

Gトリガンマ函数英語版として知られる第二ポリガンマ函数の分数変数に対応する従属変数として現れる。

サイモン・プラウフはトリガンマ函数、π2 およびカタランの定数の間で成立する(グラフ上のとして表現可能な)無限個の恒等式を与えている。

カタランの定数はクラウゼン函数逆正接積分英語版逆正弦積分バーンズの G 函数などとの関係や、前述の函数を用いた積分・級数においてよく現れる。

一例として、逆正接積分英語版を閉じた形(つまりはクラウゼン函数)で表し、そのクラウゼン函数をバーンズの G 函数で表すことで次の式が得られる。

レルヒゼータ函数英語版と関連したレルヒ超越函数 Φ(z, s, α)英語: Lerch transcendent)を と定義すると、次の関係が成り立つ。

収束の早い級数

以下の2公式は収束の早い級数を含んでおり、数値計算に適している。 2公式の理論的基盤はそれぞれブロードハースト[23](Broadhurst)およびラマヌジャン[24]によって与えられている。カタラン定数の早い評価アルゴリズムはE・カラツバ(Karatsuba)によって構築された[25][26]。これらの級数を用いることで、今日ではアペリーの定数 ζ(3) に匹敵する速さでカタランの定数を計算できる[27]

以下は Guillera および Pilehrood によるチュドノフスキー・アルゴリズム英語版を利用した級数である[27]

これらの時間計算量英語版O(nlog(n)3) となる[27]

連分数

G は次のように表せられる[28]

より単純な連分数表記を以下に示す[29]

この連分数の項が無限個存在することは G が無理数であることと同値であり、未解決のままである。

関連項目

脚注

関連文献

外部リンク

Related Articles

Wikiwand AI