カテコール

From Wikipedia, the free encyclopedia

カテコール (catechol) は、フェノール類の一種で、ベンゼン環上のオルト位に 2個のヒドロキシ基を有する有機化合物。ポリフェノールに含まれる構造として知られる。ピロカテコール (pyrocatechol) とも呼ばれる。位置異性体にレゾルシノールヒドロキノンがある。日本法の劇物

概要 物質名, 識別情報 ...
カテコール
Skeletal formula
Pyrocatechol
Ball-and-stick model
Ball-and-stick model
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
バイルシュタイン 471401
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
DrugBank
ECHA InfoCard 100.004.025 ウィキデータを編集
EC番号
  • 204-427-5
Gmelin参照 2936
KEGG
RTECS number
  • UX1050000
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C6H6O2
モル質量 110.112 g·mol−1
外観 白または褐色の羽毛状結晶
匂い かすかにフェノール臭
密度 1.344 g/cm3, 固体
融点 105 °C (221 °F; 378 K)
沸点 245.5 °C (473.9 °F; 518.6 K) 昇華
312 g/L at 20 °C [2]
溶解度 ピリジンによく溶ける。
クロロホルム、ベンゼン、四塩化炭素、エーテル、酢酸エチルに溶ける。
log POW 0.88
蒸気圧 20 Pa (20 °C)
酸解離定数 pKa 9.45, 12.8
磁化率 −6.876×10−5 cm3/mol
屈折率 (nD) 1.604
2.62±0.03 D [3]
構造
単斜晶系
熱化学
標準生成熱 fH298)
−354.1 kJ·mol−1
融解熱 fHfus)
22.8 kJ·mol−1 (融点)
危険性
GHS表示:
急性毒性(高毒性)経口・吸飲による有害性腐食性物質
Danger
H301, H311, H315, H317, H318, H332, H341
P261, P301, P302, P305, P310, P312, P330, P331, P338, P351, P352
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
NFPA 704 four-colored diamondHealth 3: Short exposure could cause serious temporary or residual injury. E.g. chlorine gasFlammability 1: Must be pre-heated before ignition can occur. Flash point over 93 °C (200 °F). E.g. canola oilInstability 0: Normally stable, even under fire exposure conditions, and is not reactive with water. E.g. liquid nitrogenSpecial hazards (white): no code
3
1
0
引火点 127 °C (261 °F; 400 K)
510 °C (950 °F; 783 K)
爆発限界 1.4%–?[4]
致死量または濃度 (LD, LC)
300 mg/kg (ラット, 経口)
NIOSH(米国の健康曝露限度):
PEL
none[4]
REL
TWA 5 ppm (20 mg/m3) [skin][4]
IDLH
N.D.[4]
安全データシート (SDS) Sigma-Aldrich
関連する物質
関連するベンゼンジオール レゾルシノール
ヒドロキノン
関連物質 1,2-ベンゾキノン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
☒N verify (what is  ☒N ?)
閉じる

性質

常温常圧で無色の固体。水にもエーテルにも可溶。マメ科アカシア属ペグ阿仙薬Acacia catechu、カテキュー…阿仙薬ではない)に含まれていたカテキンの乾留成分に含まれていたためにこの様に命名された。

抗酸化作用が強いとされ、ウルシオール(漆の主成分)、カテコールアミンレボドパドーパミンノルアドレナリンアドレナリン)や、カテキンなどのポリフェノール、ほか多くの生体物質の骨格に含まれる。o-ベンゾキノン還元によって生成する。ヒドロキシ基の位置が異なる構造異性体にヒドロキノン及びレゾルシノールがある。染料の原料や止血剤として用いられる。

空気中に長期放置するとゆっくりと酸化を受け、淡いピンク色を呈する。

安全性

動物実験により変異原性があることが確認されており、日本ではPRTR法により第1種指定化学物質に指定されている。また、毒物及び劇物取締法により(毒物劇物指定令第2条第3号の2でピロカテコールの名前で指定)劇物に指定されている[5]

備考

極めて水に溶けやすい物質であり、大学で実験中にその様子を見た若き日のSF作家アイザック・アシモフは、それをヒントに水に入る前に水に溶けてしまう架空の物質「チオチモリン」を考案した。

出典

Related Articles

Wikiwand AI