キチヌ

タイ科の魚 From Wikipedia, the free encyclopedia

キチヌ(黄茅渟[3]学名: Acanthopagrus latus)は、タイ科に分類される魚類の一種。別名はキビレ西太平洋に分布し、沿岸に生息するが、河川にも進出する。近縁のクロダイと似るが、その名の通り黄色の鰭が特徴である。

概要 キチヌ, 保全状況評価 ...
キチヌ
保全状況評価[1]
DATA DEFICIENT
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
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分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: ニザダイ目 Acanthuriformes
: タイ科 Sparidae
: クロダイ属 Acanthopagrus
: キチヌ A. latus
学名
Acanthopagrus latus
(Houttuyn, 1782)
シノニム[2]
  • Sparus latus Houttuyn, 1782
  • Mylio latus (Houttuyn, 1782)
  • Chrysophrys auripes Richardson, 1846
  • Chrysophrys xanthopoda Richardson, 1846
  • Chrysophrys novaecaledoniae Castelnau, 1873
英名
yellowfin seabream
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分類と名称

1782年にオランダ博物学者であるマールテン・ホッタインによって Sparus latus として記載され、タイプ産地は平戸であった[4]。以前はインド太平洋に広く分布すると考えられていたが、ベンガル湾の個体群は Acanthopagrus datniaオーストラリア北西部の個体群は Acanthopagrus morrisoniペルシア湾アラビア海の個体群は Acanthopagrus arabicus、ペルシア湾とオマーン湾の個体群は Acanthopagrus sheim として独立し、キチヌの分布域は西太平洋のみであることが明らかになった[5][6]。タイ科に亜科を認める場合、クロダイ属はヘダイ亜科に分類されるが[7]、『Fishes of the World (5th edition)』ではタイ科に亜科を認めていない[8]

種小名は「広い」を意味し、記載された当時の Sparus 属の中で最も体の幅が広かったことに由来する[9]。grey bream、Houttuyn's yellowfin seabream、Japanese bream、yellow-finned black porgyなどの英名がある。日本ではキビレという呼称が有名である[10]

分布と生息地

南日本(南西諸島を除く)、朝鮮半島南部、台湾上海からフエまでの東アジア沿岸を含む、西太平洋に分布する[1]。日本では房総半島以南の太平洋岸、石川県以南の日本海東シナ海岸、瀬戸内海に分布する[10]。水深50mまでの沿岸の浅瀬に生息し、河川の下流にも進出することがある[2]

形態

背鰭は10棘と10-11軟条から、臀鰭は3棘と8-9軟条から成る[2]。体高は高く、体長は体高の2倍。頭部背側の輪郭は、眼の部分で膨らむ。体色は明るい灰色で、背側はより暗い色となり、腹側は黄色がかる。側面には金色の縦線が入り、側線鱗には暗色の点が入る。眼の間と鰓蓋の縁は黒色。背鰭は灰色がかり、腹鰭臀鰭は黄色。尾鰭は縁が黒く、下部が黄色[11]。全長は50cmに達する[2]

生態

小さな群れを作り、棘皮動物軟体動物甲殻類などの無脊椎動物を捕食する。雄性先熟雌雄同体と、雌雄異体の個体が存在する。台湾では10月に、中国南部では冬に産卵する。仔魚河口で成長する[1]

人との関わり

小規模な漁業で漁獲され、鮮魚として流通する。漢方薬の材料となる事もある。台湾では飼育下繁殖が試みられている。河口で仔魚が採取され、養殖の種苗などに利用される[1]。近年は生息域が北上しており、関東での流通量が増加している。刺し網定置網釣りで漁獲され、春から夏にかけて多く流通する[12]

出典

関連項目

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