キロ
国際単位系における接頭辞のひとつ
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概要
小文字を使う理由
倍量のSI接頭語の記号のうちメガ(記号: M、106)以上の記号は大文字であるが、デカ (da)・ヘクト (h)・キロ (k) は小文字である。これは、倍量には大文字を使うという決まりができる前にすでにデカ・ヘクト・キロが定められ、また、小文字で定着していたためである。
しばしば “Kg” “KG”(キログラム)、“Km” “KM”(キロメートル)などと表記されることがあるが、これらは誤りで、正しくは “kg” “km” である[注 1]。大文字の「K」は、熱力学温度の単位であるケルビンの記号であるため、“Kg” “Km” と記述した場合は、「ケルビン グラム」「ケルビン メートル」と誤読される可能性がある。なお、大文字「K」を用いることに計量法上の罰則が伴うものではない。SI単位等普及推進委員会と通商産業省(現:経済産業省)計量行政室は次の問答を作成している[注 2][3]。
質問:接頭語のキロに大文字のKを使用することは可能か。
回答:SIのルールでは、大文字のKは温度の計量単位であるケルビン (K) を表す記号ですので、誤解を生む要因となります。したがって、正しく小文字のkを使用すべきです。特に、欧州やISOなどでは、記号も含めて整合性を求められますので、正しい記号を使用することをお薦めします。 なお、計量法は、計量単位記号については、標準となるべきものを定めていますので、大文字のKを用いることに罰則が伴うものではありません。
日本の一般道路の道路標識では、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」[4]により、“Km”(頭文字を大文字)と標示するよう定めていたが、 2008年(平成20年)8月1日以降、“km”(頭文字を小文字)と標示するように省令が改正された[5][6]。なお、高速道路での案内標識は、新設当初から “km”(頭文字を小文字)と標示している[7]。
曖昧な使われ方
日本において、単に「キロ」と言った場合には、キロメートル (km) またはキログラム (kg) 、ないしはキロメートル毎時 (km/h) を指すことが多い。技術者は金額や人口などの1,000についても「キロ」を用いることがある(例えば20,000円を「20キロ円」と呼び、¥20kと略記する。「単位:千円」として100,000円を100(=100千円)と表記されるのと似ている。)。2000年問題は「Y2K問題」(ワイツーケイもんだい、“Y” は年=year、“K” はキロ=kilo)とも呼称された。
軍における klick
アメリカ軍およびアメリカ軍と共同作戦を行う国の軍では、klick(または、klik、click)をキロメートルの俗語として用いる。1960年代のベトナム戦争時代から使われ始めた[8][9]。
情報工学の分野における使用法
情報工学の分野において、SI接頭語「キロ」は、国際単位系 (SI) の定めに従い1000 (= 103) 倍を示す場合と、国際規格などで定められていない俗習[注 3]として1024 (= 210) 倍を示す場合[注 4][10][注 5]がある。
この曖昧さを回避するため、1024 (= 210) 倍を表す接頭語として、国際規格 (IEC 80000-13) にてSI接頭語と区別できる2進接頭辞「キビ」(kibi, 記号: Ki)が定められているが、キビバイト(kibibyte, 記号: KiB)やキビビット(kibibit, 記号: Kibit, Kib)などの単位は、あまり用いられていない[注 4][注 5][10]。
また、国際単位系 (SI) 第8版(2006年)にて、キロやその他のSI接頭語を決して2のべき乗を表すために用いてはならないと定めている[12]が、大手IT企業であるマイクロソフトなどが、未だ国際単位系 (SI) の定めに完全には従っておらず[注 4][注 5][10]、2のべき乗を表す用法も混在する状況は解決されていない[注 6]。なお、macOSでは、Mac OS X Leopard以前は2のべき乗(1024倍)が用いられていたが、2009年公開のMac OS X Snow Leopard以降は10の整数乗(1000倍)を用いたストレージ容量やファイルサイズ表示に変更された。[13]
SI接頭語
| 接頭語 | 記号 | 10n | 十進数表記 | 漢数字表記 | short scale | メートル法への導入年 | 国際単位系における制定年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| クエタ(quetta) | Q | 1030 | 1000000000000000000000000000000 | 百穣 | nonillion | - | 2022年 |
| ロナ(ronna) | R | 1027 | 1000000000000000000000000000 | 千𥝱 | octillion | ||
| ヨタ(yotta) | Y | 1024 | 1000000000000000000000000 | 一𥝱 | septillion | 1991年 | |
| ゼタ(zetta) | Z | 1021 | 1000000000000000000000 | 十垓 | sextillion | ||
| エクサ(exa) | E | 1018 | 1000000000000000000 | 百京 | quintillion | 1975年 | |
| ペタ(peta) | P | 1015 | 1000000000000000 | 千兆 | quadrillion | ||
| テラ(tera) | T | 1012 | 1000000000000 | 一兆 | trillion | 1960年 | |
| ギガ(giga) | G | 109 | 1000000000 | 十億 | billion | ||
| メガ(mega) | M | 106 | 1000000 | 百万 | million | 1874年 | |
| キロ(kilo) | k | 103 | 1000 | 千 | thousand | 1795年 | |
| ヘクト(hecto) | h | 102 | 100 | 百 | hundred | ||
| デカ(deca) | da | 101 | 10 | 十 | ten | ||
| 100 | 1 | 一 | one | ||||
| デシ(deci) | d | 10−1 | 0.1 | 一分 | tenth | 1795年 | 1960年 |
| センチ(centi) | c | 10−2 | 0.01 | 一厘 | hundredth | ||
| ミリ(milli) | m | 10−3 | 0.001 | 一毛 | thousandth | ||
| マイクロ(micro) | μ | 10−6 | 0.000001 | 一微 | millionth | 1874年 | |
| ナノ(nano) | n | 10−9 | 0.000000001 | 一塵 | billionth | - | |
| ピコ(pico) | p | 10−12 | 0.000000000001 | 一漠 | trillionth | ||
| フェムト(femto) | f | 10−15 | 0.000000000000001 | 一須臾 | quadrillionth | 1964年 | |
| アト(atto) | a | 10−18 | 0.000000000000000001 | 一刹那 | quintillionth | ||
| ゼプト(zepto) | z | 10−21 | 0.000000000000000000001 | 一清浄 | sextillionth | 1991年 | |
| ヨクト(yocto) | y | 10−24 | 0.000000000000000000000001 | septillionth | |||
| ロント(ronto) | r | 10−27 | 0.000000000000000000000000001 | octillionth | 2022年 | ||
| クエクト(quecto) | q | 10−30 | 0.000000000000000000000000000001 | nonillionth |