クライトーン
タイの民話
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あらすじ
河底の洞窟にワニの国があり、ワニの王チャーラワンには2匹の美しい妻がいるが、邪念の多いチャーラワンはそれに飽き足らず、ピチットの富豪の娘タパオトーンをさらって妾にする。娘を失って嘆き悲しむ富豪は、ワニを退治した者にタパオトーンの妹タパオケオと財産の半分を与えると触れを出す。ノンタブリー生まれで商いに訪れていたクライトーンがこれに応じ、見事にチャーラワンを倒し、褒美としてタパオケオと、連れ戻したタパオトーンの2人を妻とするが、さらにチャーラワンの妻ウィマーラーを洞窟に訪ねて妾とし、陸上に連れて帰る。やきもちを焼いた2人の妻との諍いの末に、ウィマーラーはワニの姿に戻って洞窟へ帰るが、クライトーンはあきらめられず洞窟を訪ねる。そこで、クライトーンはウィマーラーとよりを戻し、チャーラワンのもう1匹の妻ルアムラーイワンも妻とする。以後、クライトーンは地上の2人の妻と、河底の2人の妻との間を行きつ戻りつしながら、幸多い一生を送る。(『タイ国古典文学名作選』[5])
成立
特徴
展開
ラコーン・ノークの流れをくみ、市井の芝居小屋で演じられた大衆歌劇リケーにおいて、古典文学に基づく題材がよくとり上げられており、その中の一つとしてクライトーンも好んで演じられ、広く民衆に親しまれた[7][9][3]。
クライトーンの物語は、他の媒体からも取材されている。タイの近代漫画の先駆けとなった漫画家の一人サワット・ジュターロップ(タイ語: สวัสดิ์ จุฑะรพ)も、漫画にクライトーンを題材に取り入れた[10]。21世紀になってからも、クライトーンを題材とする漫画が出版されている[11][12]。映像化もされており、1980年製作の映画『クライトーン』、2001年製作の映画『クライトーン』(邦題『アリゲーター/愛と復讐のワニ人間』)などが知られている[13][14][15]。
伝承

クライトーンの出身地であるノンタブリー県には、クライトーンゆかりの地とされる場所に、ワット・バーンクライナイという寺院がある[16]。アユタヤ王朝の時代以前に、この地にクライトーンという男がいて、ピチットでワニ退治をしたという武勇伝があり、クライトーンの末裔を自認するノンタブリーの人々によって、寺院が建立されたと伝わる[16][17]。この地域には、クライトーンの伝説が実話に基づくという言い伝えのあることが、複数の紀行詩(ニラート)に記されている[17]。
一方、物語の舞台となったピチット県には、ワニの国の洞窟になぞらえられたチャーラワン洞窟があり、洞窟入り口には県によってチャーラワンとクライトーンの像が設置されている[18]。また、ピチットのソムデット・プラシーナカリン公園の入口には、巨大なワニの像「チャーラワン王の像」がある[19]。

