グングニル
北欧神話の主神オーディンが持つ槍
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神話での描写
グングニルはロキがトールの妻シヴの髪を丸刈りにしてしまった際に、賠償の品としてドヴェルク(小人族)の職人イーヴァルディの息子たちに黄金のかつらを作らせた際に、船スキーズブラズニルと同時に作り出された[6]。その後三つの宝物の出来の良さに調子に乗ったロキは、ブロックとシンドリ(エイトリ)というドヴェルグの兄弟が、これらと同じように見事な宝物を三つ作れるかどうかに自分の頭を賭けた。シンドリ兄弟が別の三つの宝物を製作した後、全ての宝物はオーディン、トール、フレイに品定めされ、グングニルはロキからオーディンへ渡された[7][8]。『散文のエッダ』「詩語法」では、グングニルの性質について「その槍は正しい場所にとまったままでいない(geirrinn nam aldri staðar í lagi)」と説明されている[7][9]。この文の意味については、「決して的を外さない」[10][11]と「敵を貫いた後に自動的に手元に戻る」[12]との二通りの解釈がある。また、この槍を向けた軍勢には必ず勝利をもたらす[13]。
グングニルの穂先はしばしばルーン文字が記される場所の1つとされている[14]。
グングニルは、オーディンの持ち物となり、彼が旅に出た際や、最終戦争ラグナロクなどで用いられた。また、彼が気に入った英雄の命を奪うためも使われることが多かったが、巨人族に対してその力が振るわれることはほとんどなかった[15]。
リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』では、ヴォータン(オーディン)の槍の柄は世界樹のトネリコの枝から作られたという設定になっている[16]。このため、日本語の文献には北欧神話におけるグングニルの柄もトネリコから作られたとする記述も見られる[17][18]。またある再話では、オーディンがミーミルの泉の水を飲んで知識を得た記念として、泉の上にまで伸びていたユグドラシルの枝を折ってグングニルを作ったともされている[4]。しかし、『エッダ』にはグングニルの柄がトネリコから作られたという記述はない。

