薄嚢シダ類

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薄嚢シダ類(はくのうシダるい、薄囊シダ類、Leptosporangiate ferns)は、大葉シダ植物に含まれるシダ植物シダ類)のうち、胞子嚢が単一の細胞から生じ、完成した胞子嚢は1層の細胞層の壁を持つものを指す[4][5]。現在では、PPG I (2016) においてウラボシ亜綱[6]薄嚢シダ亜綱[7]Polypodiidaeとして扱われる[3]。薄嚢シダ類は大葉シダ植物の中で最も種数が多く、化石種も多く知られている[8]

概要 薄嚢シダ類, 分類(PPG I (2016)) ...
薄嚢シダ類
生息年代: 前期石炭紀ミシシッピアン) - 現世, 358.9–0 Ma
[1][2]
セイヨウメシダ Athyrium filix-femina の葉
分類PPG I (2016))
: 植物界 Plantae
階級なし : 陸上植物 Embryophyta
階級なし : 維管束植物 Tracheophyta
階級なし : 大葉植物(真葉植物) Euphyllophyta
: 大葉シダ植物 Polypodiopsida
亜綱 : 薄嚢シダ亜綱(ウラボシ亜綱) Polypodiidae
学名
Polypodiidae Cronquist, Takht. & W.Zimm.[3]
亜綱
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かつてはCopeland (1947) などでシダ目 Filicales として、Smith et al. (2006) の分類体系ではウラボシ綱 Polypodiopsidaシダ綱 Filicopsida)として扱われていた[9]群と同義である。

系統関係

上位

Wickett et al. (2014)Puttick et al. (2018) による分子系統解析に基づく[10]

陸上植物
コケ植物

ツノゴケ植物 Anthocerotophyta

苔類 Marchantiophyta

蘚類 Bryophyta

Bryomorpha
維管束植物

小葉植物 Lycophyta

大葉植物
大葉シダ植物
トクサ亜綱

トクサ目 Equisetales

Equisetidae
リュウビンタイ亜綱

リュウビンタイ目 Marattiales

Marattidae
ハナヤスリ亜綱

マツバラン目 Psilotales

ハナヤスリ目 Ophioglossales

Ophioglossidae

薄嚢シダ亜綱(ウラボシ亜綱)Polypodiidae

Moniliformopses
種子植物

裸子植物 Gymnospermae

被子植物 Angiospermae

Spermatophyta
Euphyllophyta
Tracheophyta
Embryophyta

下位

Shen et al. (2018) の分子系統解析に基づく。

薄嚢シダ亜綱

ゼンマイ目 Osmundales

ウラジロ目Gleicheniales

ウラジロ目
(側系統)

ウラジロ目Ⅱ Gleicheniales

コケシノブ目 Hymenophyllales

フサシダ目 Schizaeales

サンショウモ目 Salviniales

ヘゴ目 Cytheales

ウラボシ目

ホングウシダ類 Lindsaeineae

イノモトソウ類 Pteridineae

コバノイシカグマ類 Dennstaedtiineae

真正薄嚢シダ類Ⅰ Polypodiineae

真正薄嚢シダ類Ⅱ Aspleniineae

Polypodiales
Polypodiidae

特徴

陸上植物で唯一、1つの始原細胞から1つの胞子嚢を形成する薄嚢胞子嚢(はくのうほうしのう)を持つ[8]中心柱鱗片などの形態形質が多様化している[11]

薄嚢胞子嚢

胞子嚢は薄嚢シダ類以外の陸上植物では複数の表皮細胞とその内側の細胞から形成されるのに対し、薄嚢シダ類では胞子嚢幹細胞と呼ばれる1つの始原細胞に由来する[12]

分類体系

PPG I 分類体系

サンショウモ科
デンジソウ科
チルソプテリス科
クルキタ科
メタキシア科
ディクソニア科
サッコロマ科
キストディウム科
ロンキティス科
ナヨシダ科
ヌリワラビ科
イワヤシダ科
デスモフレビウム科
ヘミディクティウム科
イワデンダ科
メシダ科
ヒメシダ科
ディディモクラエナ科
キンモウワラビ科
ツルキジノオ科
ナナバケシダ科
ツルシダ科
シノブ科

現在、シダ学のコミュニティで広く認められている PPG I (2016) 分類体系を以下に示す。

ウラボシ亜綱 subclass Polypodiidae Cronquist, Takht. & W.Zimm.

スミスらの分類体系

以下、スミスら (2006)の分類体系からを示す。和名は海老原 (2016) に基づく。薄嚢シダ類はウラボシ綱またはシダ綱として扱われた。

ウラボシ綱 Polypodiopsidaシダ綱 Filicopsida

化石と進化

上記の科に加え、化石のみから知られている科も存在する。

上記のうち、ボトリオプテリス科アナコロプテリス科は、かつてコエノプテリス類とされていたが、現在では薄囊シダ類であると考えられている[15]。カプラノプテリス科からガイレア科までの科は石炭紀からペルム紀に知られる[16]

人とのかかわり

シダ類の中で、薄嚢シダ類は食用とされるものを多く含む[8]

脚注

参考文献

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