白蛇
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各地の伝承・伝説・俗信
- 北海道鹿追町では、「白蛇姫」の伝承があり、要約すると、かつてアイヌ語でクテクウシと呼ばれていた頃、飢饉が起こり、多くの人がコタンを去る中、残った人々がカムイに祈り、皆が眠った際、夢の中に女神が現れ、白蛇を使いとして出すから後を追いなさいというお告げを受け、目を覚ますと皆同じ夢を見たと証言する。その後、白蛇の後を追い、困難を乗り越えた末、然別湖に辿り着くと、魚やザリガニを大漁に釣り、飢饉から救われた(鹿追町のHP「歴史・文化・伝承」内で物語を見られる)。
- 茨城県ひたちなか市勝田地区の伝承では、「天王様の使いであり、いじめたり、殺すと金使いが荒くなり、病気になるため、いじめてはいけない」、「仏の魂であり、家の神様で、吉凶の際、現れる」、「お稲荷様の使いで、どばっだという池の水を飲んで帰った」、「青大将の変身で、殺すと祟られる、足を折った際になかなか治らず、易者に、長虫(蛇の古語)に祟られていると診断された」などの伝えがある[3]。
- 富山県では、「白蛇は土蔵の神であり、殺してはならない」とする[4]。
- 奈良県天理市南六条の伝説では、「観音堂があり、毎月17日に観音講があったが、寒中詠歌33番をあげて堂の付近でとんどをした。すると白蛇が土中から現れたため、とんど火の中へ放り込んだ。その翌日もとんどしていると、また同じ白蛇が現れたため、再度火に放り込んだ。その昔、よく腹痛を起こす女性がいて、観音様を信仰し、断髪して、一生を男装で暮らした。そして田3反を献納して林慶法尼と名乗った。この女の営みをしないから、その祟りに白蛇に化けて出てくるのだというので、石塔を刻み供養をした。9月18日を命日として営みを続けている。ある夜、観音講をつとめていると、観音様の首の周りを3回ぐるりと白蛇が回った。詠歌を止めて般若心経を唱えると頭上に上がり、蛇は赤い針を出してのぞいた。しばらくして姿を消したが、その日は何年目かの命日であった。」[5]。
- 奈良県香芝市五位堂では、「昔、定井家の屋敷に白い蛇が住んでいたが、ある日、捕まえて、トウシで押さえておいた。翌朝見ると逃げていなかった。白い蛇は神さんだから自由に抜けられたのだという」[6]。
- 和歌山県高野山では、「美しい女性に化けて男を誘惑し、虜になった男を蛙やコウモリ、馬や牛に変えてしまう」[7]。
- 高知県幡多郡では、「ある家で味噌の中に白蛇がいて、味噌をいくら使っても減らなかったため、その白蛇を家の宝とした」[8]。
この他の俗信として、秋田県では、「出会うと災難が続く」[9]、奈良県では、「殺すとその魂が夜に出て、首に巻き付く」[9]、愛知県では、「白蛇を見ると死ぬ・祀ると福がある」[10]、紀伊北部では、「白蛇にはさわるな」[9]などがある。
多くの場合、殺すなと戒めているが、前述の天理市の伝説(白蛇を繰り返し、火に放り込んだ)の場合、とんど火という宗教行事(浄化火)が関係している。
公卿の記録
山科教言の日記『山科卿記』には、応永12年(1405年)8月23日以降のこととして、文庫の壁塗りのため、古壁を壊したところ、白蛇が現れたこと、27日に内壁を塗った時にも現れたため、目撃した人物の名前も記したことなどが残されている。この記録は、当時の公卿社会においても、同様の俗信=白蛇は神の使い・白蛇は土蔵の神という認識であったことがわかる[11]。
