ジシアン
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ジシアン (dicyan) は、分子式 C2N2 で表される化合物である。青素、シアノゲン、シアノジェン(英: cyanogen)あるいはシュウ酸ジニトリル(英: oxalonitrile)とも呼ばれ、また単にシアン(独: Cyan)といえばこの物質またはシアノ基のことを指す。
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| 物質名 | |||
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| 識別情報 | |||
3D model (JSmol) |
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| バイルシュタイン | 1732464 | ||
| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.006.643 | ||
| EC番号 |
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| Gmelin参照 | 1090 | ||
| MeSH | cyanogen | ||
PubChem CID |
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| RTECS number |
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | 1026 | ||
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |||
| N≡C–C≡N | |||
| モル質量 | 52.036 g·mol−1 | ||
| 外観 | 無色の気体 | ||
| 匂い | 刺激臭、ビターアーモンドのような | ||
| 密度 | 950 mg/mL (at −21 °C) | ||
| 融点 | −28 °C (−18 °F; 245 K) | ||
| 沸点 | −21.1 °C; −6.1 °F; 252.0 K | ||
| 45 g/100 mL (at 20 °C) | |||
| 溶解度 | エタノール、エチルエーテルに溶ける | ||
| 蒸気圧 | 5.1 atm (21 °C)[5] | ||
ヘンリー定数 (kH) |
1.9 μmol/(Pa·kg) | ||
| 磁化率 | −21.6·10−6 cm3/mol | ||
| 屈折率 (nD) | 1.327 (18 °C) | ||
| 熱化学 | |||
| 標準モルエントロピー S⦵ | 241.57 J/(K·mol) | ||
標準生成熱 (ΔfH⦵298) |
309.07 kJ/mol | ||
| 標準燃焼熱 ΔcH |
−1.0978–−1.0942 MJ/mol | ||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
主な危険性 |
体内でシアン化物を形成、可燃性[5] | ||
| GHS表示: | |||
| Danger | |||
| H220, H331, H410 | |||
| P210, P261, P271, P273, P304+P340, P311, P321, P377, P381, P391, P403, P403+P233, P405, P501 | |||
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
| 爆発限界 | 6.6–32%[5] | ||
| NIOSH(米国の健康曝露限度): | |||
PEL |
none[5] | ||
REL |
TWA 10 ppm (20 mg/m3)[5] | ||
IDLH |
N.D.[5] | ||
| 安全データシート (SDS) | inchem.org | ||
性質
シアノ基2つが炭素原子同士で共有結合した構造 (NCCN) を持つが、異性体としてイソシアノゲン (NCNC) およびジイソシアノゲン (CNNC) も知られている。
常温では特有の臭気をもつ無色の気体である。冷水と反応してシアン化水素とシアン酸を生ずるなど、ジハロゲン分子 (X2) と似た性質を示す擬ハロゲンである。
エーテルに比較的溶けやすい。塩酸中でスズと反応させるとエチレンジアミンに還元される。
酸素との至適混合気を燃焼させると桃色の炎を上げ 4600 ℃ という高温になる。
これは燃焼によって水を生じないためである。一方アセチレンのように燃焼により水が生じると、3000 ℃ ほどで水分子が解離するためそれ以上の高温にはならない[6]。
製法
パラシアン
高温で長時間加熱すると重合体のパラシアンを生成し、この重合は光をあてることによって促進される。パラシアンは不溶液の黒褐色の粉末で、800 ℃以上に熱すると再びジシアンを遊離する[9]。
歴史
スウェーデンの化学者カール・ヴィルヘルム・シェーレが紺青から単離したのが最初で、その後1815年にジョセフ・ルイ・ゲイ=リュサックが合成して実験式を与え、ギリシャ語の瑠璃色 (κύανος) に因んでcyanogèneと命名した[10]。
19世紀後半の肥料工学の成長に伴い重要性を増し、今日でも化学肥料生産における重要な中間産物となっている。またニトロセルロース生産における安定剤としても使われている。



