スズメノテッポウ
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特徴
草丈は20 cm からせいぜい40 cm 位。地下茎はなく、根元で多少枝分かれした茎は、少し横に這って立ち上がる。関節はやや膨らむ。葉は細長く、縁は少し波打ち、ほぼ上を向く。葉の基部は長い葉鞘となっており、鞘と葉身の境目には薄い膜状の葉耳が突き出る。植物体は全体に濃い緑色で、少し粉を吹いたようになっている。葉鞘の上の方が赤紫に染まる傾向がある。
花は春に出る。花茎の先端に3 - 8 cm の棒状の穂がつく。穂は真っすぐに立ち上がる。小穂は軸に密着し、互いに密に寄り集まっているので、外見では個々の区別がつかず、ただただ緑色の多少毛羽だった棒にしか見えないが、花が咲く時には、小穂から葯が突出してくる。この葯は濃い黄色になるのでよく目立つ。
小穂は長さ3 - 3.5 mm、楕円形で偏平。外側を一組の包穎が包む。包穎は緑色、小穂の縁に当たる竜骨沿いに多数の毛がはえる。その内側には、一個の子花だけが入っている。子花の護穎は小穂とほぼ同じ長さで包穎の間から顔を出す。護穎の基部近くの外側からは芒が伸びて、包穎の外まで少し突き出る。
利害
生育域
近縁種
スズメノテッポウ属には世界の温帯から北半球の寒帯にかけて約60種が知られ、日本にはこの種のほかに、セトガヤ(後述)が広く分布する。また、オオスズメノテッポウ(A. pratensis L.)が牧草として使用され、野外で見つかることもある。高さ120 cm にも達する多年草である。他にもまれに帰化種として見つかるものがある。
セトガヤ
セトガヤ(A. japonicus Steud.)は、近縁な種であり、形がそっくりで、大きさもほぼ同じで、しかも春の水田にはよく混在するので、見慣れないと区別が難しい。全体に一回り大きいことと、花が咲いた時に出てくる葯が白いこと(スズメノテッポウは黄色)で見分けがつく。
小穂を見ればもっとはっきり異なる。セトガヤの小穂は長さが5 - 6 mm と、倍近く大きい上に、内穎の芒がはるかに長く、小穂の長さ程も外に突き出る。ただし、普段は小穂はすべて花軸に密着しているから、それらを外から見ただけで見分けるのは難しい。しかし、これくらい差があると、穂を少し折り曲げて見るとはっきりと違いが分かる。
セトガヤは関東地方以西の本州から九州まで生育し、国外では中国からも知られる。
| 左がセトガヤ・右がスズメノテッポウ | 左がセトガヤ・右がスズメノテッポウ |