タシギ

シギ科の鳥 From Wikipedia, the free encyclopedia

タシギ(学名:Gallinago gallinago)は、チドリ目シギ科タシギ属に分類される。タシギ属の模式種

概要 タシギ, 保全状況評価 ...
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形態

体長は約27 cm翼開長は約43 cm[3]。頭部、胸部、背面は褐色に黒と白が混ざったような羽毛で覆われる。この体色は草の中では保護色になる。腹部の羽毛は白い。次列風切羽の先端部の羽毛は白い。尾羽は通常14枚。

嘴は長く、直線的。雌雄同色である[3]

生態

夏に北半球の高緯度地域で繁殖を行い、冬季には低緯度地域へと渡りを行う。個体群によっては赤道を超える程度まで南下する。日本では西日本と南日本を中心に冬鳥、北日本では渡りの途中で休むだけの旅鳥として扱われる。

日本では、水田、ハス田、湖沼畔、河川、内陸の湿地等に生息する。和名は田によくいることが由来[3]。単独で生活するが、10頭前後の小規模な群れを形成することもある。 繁殖期には、湿地、草原、湿ったツンドラなどに生息する。

食性は動物食の強い雑食昆虫類節足動物甲殻類種子等を食べる。主に夜間に採餌するが、安全な場所では昼間も行動する。

繁殖形態は卵生。乾いた地上に営巣し、通常4卵を産む。抱卵は雌のみが行い、抱卵日数は17-20日である。

しわがれた声で「ジェッ」と1,2回鳴いて飛び立ち、体を左右に傾けながら急上昇しする。日本では5月頃、飛翔中に尾羽を動かして、「ブルルル」と風切る音を発し、ディスプレイを行う。

分布

砂漠や高山帯を除く北半球に広く分布する種で、ユーラシア大陸北アメリカ大陸のどちらにも分布する。

分類

亜種は2種ある[2]

  • Gallinago gallinago faeroeensis (C. L. Brehm, 1831)
  • Gallinago gallinago gallinago (Linnaeus, 1758) - タシギ、日本で最も一般的なシギ類[3]

人間との関わり

シギ類はカモ類やサギ類と並ぶ水鳥の代表的な種類で、水田文化の日本では昔から親しまれた鳥である。

食用・狩猟

肉は食用。魚谷(1936)はシギの中でも特にうまいものにタシギを挙げている。汁物や焼物など様々な調理方法があるという[4]。フランス料理などにも用いられる。

世界的に重要な狩猟鳥獣の一つで、日本でも「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(平成十四年法律第八十八号、通称:鳥獣保護法)[5]で狩猟鳥獣の一つに定められている(リスト一覧は同法の施行規則第三条にあり[6])。狩猟を希望する場合は同法に従って狩猟免許を取得し都道府県の名簿に登載されれば、亜種も含めて冬季に決められた区域内と手法で狩猟ができる。なお、卵の採取は同法の第八条により[5]、鳥もち・釣り針・かすみ網などによる狩猟は同法の施行規則第十条により禁止されている[6]

種の保全状況評価

国際自然保護連合(IUCN)が定めるレッドリストでは2019年時点で低危険種(Least Concern, LC)の指定を受けている[1]。日本の環境省が定める環境省レッドリストでも2015年発表2020年最終改訂の第四次レッドリストには掲載されていない[7]。都道府県が作成するレッドリストでは東京都兵庫県高知県で絶滅危惧Ⅱ類、秋田県滋賀県奈良県大阪府で準絶滅危惧種、埼玉県と神奈川県で県独自のランクに指定されている[8]

呼称

標準和名は「タシギ」とされ、『日本鳥類目録』(1974)[9]、『世界鳥類和名辞典』(1986)[10]などではこの名前で掲載されている。

「鴫」という字は「田の鳥」と書く。水田や湿地を好むという生態的な命名とみられる。「甲の鳥」の「鴨」とよく似ていることでも知られる。

種小名の gallinagoは「ニワトリに似た」という意味で、ラテン語のgallina(ニワトリ)と近代ラテン語のago(~に似た)を合わせたものとなっている[11]。本種は種小名と属名が同じであり、いわゆる反復名(トートニム)となっている動物の一つである。国際動物命名規約ではこのような名前が認められている。(なお、植物や菌類などの学名ではトートニムは禁止である)

英名はsnipe(common snipe)という。ジグザグに飛び銃猟で仕留めることが難しい鳥として知られ、狙撃を意味する "sniping"、狙撃者を意味する"sniper"などはシギを撃つ様が由来という説もある。

脚注

参考文献

関連項目

外部リンク

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