ネギ属
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ネギ属(ネギぞく、学名:Allium )は、ネギ亜科に分類される属である。学名からアリウム属、アリウムとも呼ばれる。ラテン語のalliumはニンニクの意味で、臭いの程度に差はあるものの全体に強い「ネギ臭さ」を特徴とする。ネギやタマネギのような野菜、ニンニクのような香辛料が多数あり、人類にとって馴染みが深い。多くは多年生の球根植物である。本属に属する植物には、栽培種のみならず山野草として野に自生する物も食用や薬用になる有用植物が多い。一方で同科別属の植物や別科の植物に外形などが非常によく似た毒草も多く、しばしばそれらと取り違えての誤食による中毒事例が発生しており死亡事故に至ったケースも少なくないので注意を要する。またネギ類は人間が摂取しても問題は無いが犬や猫などの動物が摂取すると俗にいうタマネギ中毒を起こすこともあるので動物を飼っている環境の場合には気を付けた方が良い。

分布
形態
繁殖・栽培
分類
約800種を含み、ネギ亜科のみならずヒガンバナ科における最大の属である。全北区を中心に自生する。
日本の自生種
日本に自生しているものには以下のようなものがある。ただし、ノビルとニラは、自生状態で見られるものの、古い時代に渡来したものとの見方もある。
- ギョウジャニンニク A. victorialis L. subsp. platyphyllum Hulten
- ヒメニラ A. monanthum Maxim.
- ニラ A. tuberosum Rottl.
- カンケイニラ A. togashii Hara
- イトラッキョウ A. virgunculae F.Maek. et Kitam.
- キイイトラッキョウ var. kiiense Murata
- ミヤマラッキョウ A. splendens Willden.
- ノビル A. macrostemon Bunge
- ヤマラッキョウ A. thunbergii G.Don
- アサツキ A. schoenoprasum L. var. foliosum Regel
分類学的位置

形態を基にした新エングラー体系やクロンキスト体系では、ユリ目(新エングラー体系ではLiliiflorae、クロンキスト体系ではLiliales)ユリ科に分類されていた。ただし同じく形態を基にしていても、ダールグレン体系ではキジカクシ目のネギ科として独立させていた。
一方、分子系統を基にしたAPG植物分類体系では初期の版において、単子葉植物(Monocots)の中でユリ目の次に分枝したキジカクシ目のネギ科 (Alliaceae) に位置づけられていた。APG IIIにおいては、このネギ科がヒガンバナ科の亜科として位置づけられた。
利用
食用

以下のようなものがある。
園芸
ギガンテウム (A. giganteum)、クリストフィ (A. cristophii) などの大型の品種は、立体的な花壇を設計するのに重要である。豪華な紫色の花を咲かせる交配種がいくつか作出されているが、中でもパープルセンセーション (A. hollandicum) は人気があり、英国王立園芸協会 (RHS) よりAward of Garden Meritを授与された。
ギガンテウム A. giganteum はヒマラヤ原産。「巨大な」という種名の通りの大柄な植物である。鱗茎は直径10cm以上もあり、葉は幅5cmくらいの剱状、草丈80cmくらいになり、5月ごろに5mm位の花が千個近くも集合した直径20cmあまりの巨大な藤色の「ネギ坊主」を開く。
チャイブ A. schoenoprasum も花壇によく植えられる。薄紫色の花が普通だが、白花種もある。
園芸種はすべて地下茎または鱗茎を持っており、秋植え球根として扱われる。長く切花として流通していたが、近年では園芸愛好家の間で栽培が増えており、ネット販売などで球根が手に入る。
日当たりと水はけのよい土壌を好む。途中の植え替えはできないので、花壇やプランターに直接植える。植え付けの間隔は、小さなモーリーなどでは15cmくらい、大きなギガンテウムなどは40cmくらい必要である。球根の高さの2倍くらい土がかぶるように植える。
小型の種は花壇やプランター植えにできるが、多くは切り花用に用いられている。とくに、茎をたやすく曲げることができるローゼンバッキアヌムなどは、生け花やフラワー・アレンジメントによく使われている。