ハバクク書
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預言者ハバクク
歴史的文脈
主題
『ハバクク書』はユダヤが直面する民族的困難が増大する時代にあって、疑念が付されてきた神への絶対的な信頼と能力の妥当性という問題を扱っている。この時代の中東においては、神の絶対的な権能は、それを崇拝する国家の国力と直接に結び付けられていた。ユダヤ民族の衰退はこれを疑わしめるものであったが、ハバククは「民の悪行に対する神の怒り」「異民族による怒りの執行」という観点に立つことによって、民族的困難と神への信頼を両立させる。同時にここには、そのような他の諸国にも威力を及ぼす神の絶対性と将来の救済、「怒りのうちにも憐れみを忘れぬ神」[5] という観念がみられる。神は終極においてその支配権をあまねくおよぼし、その民を救い彼らに敵するものを滅ぼす[6]。ハバククは、現在また近い将来ユダに臨む神の怒りと、遠く待望される神との和解と救済を、その預言のなかで提示している。
3章の冒頭に出てくる「シグヨノテ(英訳:Shigionoth)」というフレーズは、新改訳聖書では「悲しみの歌」と訳されると注がある。