ブビンガ
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ブビンガ (bubinga) は、ジャケツイバラ亜科ブビンガ属(別名: アフリカコパールノキ属[1]; Guibourtia)の中の、おそらく近縁な3種の総称である。熱帯アフリカ産の常緑広葉樹で、木材として利用される。現在ワシントン条約の附属書IIに登録され厳密な仕入先を調査/管理されている。
「ブビンガ」とはカメルーン由来の名である[2]。別名に、エシンガン (Essingang、カメルーン)、ワカ (Waka、コンゴ民主共和国)、オベン (Oveng、赤道ギニア、一部日本語資料にある「オベシ」とはこれの誤植かもしれない)、エバナ (Ebana、ガボン)、ケバジンゴ (Kevazingo、ガボン)、アクーム (Akume、アメリカ)[2]。アフリカンローズウッド(英: African rosewood)とも呼ばれる[3]が、この名は他のいくつかの種を表しうる。
種
- Guibourtia demeusei (Harms) J.Léonard(シノニム: Copaifera demeusei Harms; 和名: コンゴコーパルノキ)[6] - 種小名に関しては demeusii という表記揺れも存在する。
- Guibourtia pellegriniana J.Léonard
- Guibourtia tessmannii (Harms) J.Léonard
これらのうち、G. tessmannii と G. pellegriniana は非常に近縁である[7](G. demeusei は不詳)。
これらのうち特定の1種をブビンガとすることもある(例えば、G. tessmannii [8]、G. pellegriniana [9])。コンゴコーパルノキこと G. demeusei と G. tessmannii とを一緒くたにブビンガとしたり[3]、あるいは G. tessmannii がブビンガ(もしくはビュヴァンガ)で G. pellegriniana が(通常はブビンガの別名とされる)ケバジンゴだという扱いもある[10][11]。
ブビンガの範囲は若干あいまいで、同属の他種を含むこともありうる[2]が、それでも、同属のオバンコール(ovèngkol; 学名: Guibourtia ehie)などとは区別される。ブビンガは芯材が紅色系であるのに対し、オバンコールは褐色系である。また、ベンゲ(benge; 学名: Guibourtia arnoldiana; コンゴ民主共和国での名称: ミュテニエ mutenye)もブビンガとは別枠で扱われる傾向にある[12][13]。
ブビンガ属 Guibourtia には16種があり、13種がアフリカ産、3種が南米産である[14]。ブビンガはいずれもアフリカ産である。
呼称
Guibourtia tessmannii および G. pellegriniana
ガボンの有用植物を扱う Raponda-Walker & Sillans (1961:230–1) では Guibourtia tessmannii の現地語名として以下のようなものが挙げられている。
- ヴァラマ語(Varama; 別名: Barama、Bavarama): mubaka
- ヴィヤ語(Viya; 別名: Eviya、Ivéa): obaka
- ヴィリ語(Vili; 別名: Ibhili): buvinga
- ヴング語(Vungu; 別名: Vumbu): mubaka
- ケレ語(Kélé): nghwéyá、nghyènghè
- コタ語(Kota): ibula
- サング語(Sangu): mubaka
- シラ語(Shira; 別名: Eshira): mubaka
- セケ語: uvènyó、uvèyó
- ツォゴ語(Tsogo; 別名: Mitsogo): bovènga、obaka
- ドゥマ語(Duma; 別名: Adouma、Badouma): mubaka
- ピンジ語(Pinji; 別名: Apindji): obaka
- ヒンバ語(Himba; 別名: Simba): obaka
- ファン語: ovèng(#その他近縁種なども参照)、éli-béyèm
- プヌ語(Punu): mubaka、dutsatsi
- ベンガ語(Benga): bovènga
- ボヴェ語(Pove; 別名: Bubi、Vove): bovènga
- ミエネ語: 〔ガルワ方言、ロンゴ方言、ンコミ方言、ンポングウェ方言〕ekèwazèngó
- ミンドゥウモ語(Minduumo; 別名: Mindoumou、Ndumu): motoni
- ルンブ語(Lumbu; 別名: Baloumbou): bubinga、kéba-singu
- ングビ語(Ngubi; 別名: Ngove、Ngowé): gikèbazèngó
- ンゼビ語(Nzebi; 別名: Bandzabi、Njebi): buvènga
また、ガボンの有用樹種を扱う Meunier, Moumbogou & Doucet (2015:309) では G. tessmannii と G. pellegriniana が同一の枠で扱われ、上記の呼称全てが(多少のダイアクリティカルマークの有無の差はあるものの)全て収録され、それにケレ語、コタ語、サケ語(Sake; 別名: Shake)、サマ語(Sama; 別名: Osamayi)、セケ語、マホングウェ語(Mahongwe)、Ndambomo語(別名: Ndambono)を一まとめにしたケレ諸語の呼称として élow、mouenga が追加されている。
コンゴコーパルノキ
一方、コンゴコーパルノキこと G. demeusei の呼称は以下の通りである。
カメルーンでは bobanja という呼称が報告されている[15]。
ガボンにおける現地語名は次に挙げる通りである[16]。
- ヴァラマ語: diganga
- ヴィヤ語: ébangala
- ヴング語: diganga
- ケレ語: abana、lèngindi
- シラ語: diganga
- セケ語: kèbó、bambó
- ツォゴ語: gébangáa、onyanga、gédjomé-djomé
- ピンジ語: gébanganyalé
- ファン語: ébana、ébang
- プヌ語: diganga
- ベンガ語: ébanya、bobanya
- ミエネ語:〔ガルワ方言、ロンゴ方言、ンコミ方言、ンポングウェ方言〕éréré zi nkéwa
- ングビ語: imwiri-ya-kèba
コンゴ共和国では以下のような現地語名が存在する。
その他近縁種など
なお、同属のオバンコールこと G. ehie はファン語で akog-ele、akok、ovèng-nkol とされる[18]。
ファン語は赤道ギニアやガボンなどで話される言語で、その辞書である Galley (1964:314) には ÔVEÑ という項目が存在するが、これは Didelotia africana という別属のマメ科植物を指し、さらにこれに対応するミエネ語ガルワ方言(Galwa)が kévaziñgô であるという。
