ヘリウムの同位体
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解説
最も多い同位体である4Heは、地球上で、より重い原子のアルファ崩壊によって作られる。α崩壊により放出されるα粒子は、帯電した4He原子核である。4Heの核子の数は魔法数にあたり、4Heの原子核は非常に安定である。これらはまた、ビッグバン原子核合成によっても大量に生成された。ヘリウムの2つの安定同位体は異なった経路で生成されたため、その分布にも大きな違いが見られる。
0.8ケルビン以下の3Heと4Heの等量混合液体は、2つの層に別れ、混合しない。これは、3Heはフェルミ粒子、4Heはボース粒子であり、異なった量子統計に従うからである[4]。3He-4He希釈冷凍法では、これらが混合しない性質を利用し、数ミリケルビンという極低温への冷却を行う。地球上には痕跡量の3Heしか存在しないが、宇宙塵の構成成分として地球に降ってきたり[3]、三重水素のベータ崩壊で生じることがある[5]。しかし、恒星の中では3Heは核融合により多量に作られる。月や小惑星のレゴリスのような地球外物質では、太陽風に晒されることによって生じた3Heが痕跡量存在する。
ヘリウム3とヘリウム4の大気中の存在比率は、3He/4He=1.37×10−6である[6]。
ヘリウム2
ヘリウム3
ヘリウム4
その他の同位体
反ヘリウム
一覧
| 同位体 核種 |
Z(p) | N(n) | 同位体質量 (u) | 半減期 | 核スピン | 天然存在比 (モル分率) |
天然存在比の範囲 (モル分率) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 備考 | |||||||
| 2He | 2 | 0 | 2 | ? | 0+(#) | ||
| 存在が確認されていない。 | |||||||
| 3He | 2 | 1 | 3.0160293191(26) | STABLE | 1/2+ | 0.00000134(3) | 4.6×10−10–0.000041 |
| 4He | 2 | 2 | 4.00260325415(6) | STABLE | 0+ | 0.99999866(3) | 0.999959–1 |
| 5He | 2 | 3 | 5.01222(5) | 700(30)E-24 s [0.60(2) MeV] | 3/2− | ||
| 非常に不安定で、4Heに崩壊する。 | |||||||
| 6He | 2 | 4 | 6.0188891(8) | 806.7(15) ms | 0+ | ||
| 7He、11Liから生成される。6Liにβ崩壊する。 | |||||||
| 7He | 2 | 5 | 7.028021(18) | 2.9(5)E-21 s [159(28) keV] | (3/2)− | ||
| 非常に不安定で、6Heに崩壊する。 | |||||||
| 8He | 2 | 6 | 8.033922(7) | 119.0(15) ms | 0+ | ||
| 9Heより生成される。β崩壊と中性子放出により7Liに崩壊する。 | |||||||
| 9He | 2 | 7 | 9.04395(3) | 7(4)E-21 s [100(60) keV] | 1/2(−#) | ||
| 非常に不安定で、8Heに崩壊する。 | |||||||
| 10He | 2 | 8 | 10.05240(8) | 2.7(18)E-21 s [0.17(11) MeV] | 0+ | ||
| 非常に不安定で、9Heに崩壊する。 | |||||||
注釈
- 天然存在比は大気中における値である。
- 同位体存在比と原子量は変動するので値の正確さには限界がある。与えられている範囲は全ての標準的な地球上の物質に適用できる。
- 地質学的に例外的なサンプルは同位体存在比が上記の範囲の外にあることが知られている。原子量の不確かさはそのような標本のために上記の値を超える可能性がある。
- #をつけた値は純粋に実験値から得られたデータではなく、少なくとも一部は系統的傾向からの計算値を含んでいる。根拠の弱い核スピンについてはかっこで括っている。
- 数字の最後のかっこ書きはその数字の不確かさを表す。不確かさの値は同位体の存在比と標準原子量についてはIUPACの公表する拡張不確かさを、それ以外については標準偏差を記載している。
参考
- Isotope masses from Ame2003 Atomic Mass Evaluation by G. Audi, A.H. Wapstra, C. Thibault, J. Blachot and O. Bersillon in Nuclear Physics A729 (2003).
- Isotopic compositions and standard atomic masses from Atomic weights of the elements. Review 2000 (IUPAC Technical Report). Pure Appl. Chem. Vol. 75, No. 6, pp. 683-800, (2003) and Atomic Weights Revised (2005).
- Half-life, spin, and isomer data selected from these sources. Editing notes on this article's talk page.
- Audi, Bersillon, Blachot, Wapstra. The Nubase2003 evaluation of nuclear and decay properties, Nuc. Phys. A 729, pp. 3-128 (2003).
- National Nuclear Data Center, Brookhaven National Laboratory. Information extracted from the NuDat 2.1 database (retrieved Sept. 2005).
- David R. Lide (ed.), Norman E. Holden in CRC Handbook of Chemistry and Physics, 85th Edition, online version. CRC Press. Boca Raton, Florida (2005). Section 11, Table of the Isotopes.


