マリク
アラビア語で王を意味する名詞ならびに称号
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マリク(アラビア語: مَلِك malik、複数形: مُلُوك mulūk ムルーク)は、「王」を意味するアラビア語の用語、または君主号である。定冠詞付きのアル=マリク(アラビア語: الْمَلِك al-Malik)はイスラームにおける神の名の一つであり、これは世界のあらゆる支配者の上に立つ王を意味する(王の王に相当)。この用語の女性形はマリカ(アラビア語: مَلِكَة malika 「王妃、女王」)である。イスラーム世界では個人名としても用いられる。この語と同じ語根であるマムラカ(アラビア語: مَمْلَكَة mamlaka、ヘブライ語: מַמְלָכָה mamlāḵā マムラーハー/マムラハ)は「王国」を、ムルク(アラビア語: مُلْك mulk)は「支配、王権」を意味する。
他の言語において
多くの北西セム語や古代南アラビア語でも同じ語根(mlk: 支配や所有に関連する)の語が「王」を意味する。アラム語ではマルカー(アラム語: 𐡌𐡋𐡊𐡀/מַלְכָּ֜א/ܡܠܟܐ/ࡌࡀࡋࡊࡀ mlkʾ(malkā)、複数形: מַלְכַּיָּא/ܡܠܟܐ malkayyā/malkē マルカイヤー/マルケー、女性形: 𐡌𐡋𐡊𐡕𐡀/מַלְכְּתָא/ܡܠܟܬܐ mlktʾ(malkəṯā) マルケサー)、ウガリット語ではマルク(ウガリット語: 𐎎𐎍𐎋 mlk(malku))、ヘブライ語ではメレフ(ヘブライ語: מֶלֶךְ meleḵ、複数形: מְלָכִים məlāḵīm メラーヒーム/メラヒム、女性形: מַלְכָּה malkā マルカー/マルカ)といい、フェニキア語(𐤌𐤋𐤊 mlk)やサバア語(𐩣𐩡𐩫 mlk)でも語根は同じである。アッカド語でも同じ語根のマルク(malku、複数形: malkū マルクー)という語があり、これは「王、(外国の)支配者」を意味する。
また、「王権、王国」などを意味する同じ語根の語(アラム語: מַלְכוּתָא/ܡܠܟܘܬܐ malḵūṯā/malkūṯā マルフーサー/マルクーサー、ヘブライ語: מַלְכוּת malḵūṯ マルフース/マルフト)も存在する。
歴史
「王(マリク)」という称号は北西セム語話者(フェニキア人、アラム人、ウガリット人、イスラエル人など)や南アラビア人、アラブ人の間で一般的な君主号であった。
クルアーンには神が真の王であると記されており(59:23, 20:114, 23:116)、預言者ムハンマド死後のイスラーム共同体の指導者はカリフを名乗り「王」を名乗らなかったため、「王」という用語は当初非ムスリムの君主に対して用いられた。ウマイヤ朝のカリフは敵対者によって王権を行使したとみなされ、「王」と呼ばれることがあった。アッバース朝が衰退すると、各地で事実上独立した王朝が成立した。これらの君主の中にはスルターンなどの君主号に加えて「王」を名乗る者もいた。
近現代にアラブ地域で多くの君主制国家が成立したとき、多くの君主が国王(マリク)を名乗った。中にはスルターンや首長(アミール)といった従来の称号から切り替えた例もあった。しかし、数々の政治的変動によって君主制国家の数は減少し、現在アラブ地域において国王を擁する国はバーレーン、ヨルダン、モロッコ、サウジアラビアの4ヶ国となっている。
現在のマリク
王妃(マリカ)
現代のアラブ地域に女性が王位に就く慣習はないため、以上の国王たちの存命中の配偶者が現在の王妃(マリカ)となる。
| 名前 | 国 | 即位年 | 備考 |
|---|---|---|---|
| サビーカ王妃 | 2002年2月14日 | 1968年10月にハマドと結婚した。サルマーン王太子の母。 | |
| ラーニア王妃 | 1999年2月7日 | 1993年6月10日にアブドゥッラーと結婚した。フセイン王太子の母。 | |
| ラーラ・サルマ王妃 | 2002年3月 | 2002年3月にムハンマド6世と結婚した。ムーレイ・ハサン王太子の母。 | |
| サーラ王妃(Sarah bint Faisal Al Subai'ai) | 2015年1月23日 | サルマーンの2番目[1]の妻。サウード王子(Saud Bin Salman Bin Abdulaziz) の母。 | |
| ファハダ王妃(Fahda bint Falah bin Sultan Al Hithalayn) | 2015年1月23日 | 1984年に結婚したサルマーンの3番目[2]の妻。ムハンマド王太子の母。ムハンマド王太子は異母兄3人[3]を差し置いて王太子となっている。 |