ミズキ
ミズキ科の落葉高木の一種
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ミズキ(水木[4]、学名: Cornus controversa var. controversa)は、ミズキ科ミズキ属の落葉高木。別名、クルマミズキ(車水木)。横に枝を伸ばし、階段状の樹形が特徴。葉は枝先に集まってつき、晩春に白い小花を密に咲かせる。庭木などに植えられるほか、こけし材としてもよく知られる。
名称
分布と生育環境
形態
落葉広葉樹で最大樹高20メートル (m) 、胸高直径70センチメートル (cm) ほどになる高木だが、通常は樹高15m程度までの亜高木サイズが多い[9]。 生長は極めて早く、樹齢が古いものはあまり見られない[10]。樹形は通常は単幹直立し分枝する広葉樹らしいものであるが、着葉期の樹冠部は階段状で特徴的な形になる[11]。これは枝が輪生し扇状に四方に広げるためである[4][8]。
樹皮は灰色から汚灰色、縦筋が入る[6][8]。ごく若い樹皮は暗赤褐色で、皮目が目立つ[8]。一年枝は赤色から紅紫色で、はじめ細かい毛をもつが、のちに無毛になる[8]。春先は樹液の吸い上げが甚だしく、樹皮を傷つけると多量の水があふれ出すのが特徴的である[12]。樹皮の上に樹液の赤い筋ができることがあり、樹液に糖分を含んでおり、空気中の天然酵母が樹液中で繁殖して、違うカビ類が飛び込んでくるために赤くなる[13]。
葉は枝先に集まって互生し、葉柄は長さ2 - 5 cm、葉身は長さ6 - 15 cmの広卵形から広楕円形で葉縁は全縁、先はとがる[5][6]。葉の形はサクラと似ている[14]。裏面はやや白色を帯びていて短い毛があり[12]、弓形に曲がった5 - 9対の葉脈が隆起する。春の芽吹きは透明感のある緑色で、葉脈がよく目立つ[8]。秋になると葉が赤色に紅葉する[12]。ミズキの紅葉は、黄色から山吹色が基本で、しばしば部分的に赤色を帯び、赤紫色など、渋い色にも派手にも多様に変化し、このような紅葉する木は珍しいと評されている[15][16]。よく似たクマミズキの葉は対生し、紅葉はミズキと似ている[15]。
花期は晩春から初夏(5 - 6月)[4]。新枝の先に散房花序を出して、直径7 - 8ミリメートル (mm) の白色の4弁花を多数咲かせ、よく目立つ[6][4][7]。
果期は秋(10 - 11月)で[4]、果実は核果、直径7 - 8 mmの球形ではじめ赤色で、のちに黒紫色に熟す[6]。果実は野鳥、特にヒヨドリが集まって好んで食べる[12]。
小枝の冬芽は二列互生であるが、一年生枝のものは螺旋を描くように付く[17]。長さは7 - 12 mmの長卵形で先がやや丸く、芽鱗5 - 8枚に包まれる[8]。枝先につく頂芽は濃紅色で、側芽はごく小さい[8]。葉痕は上向きで小さく、維管束痕が3個ある[8]。
根系は中大径の水平根型である。通気性の良い環境を好み、深部の嫌気的な土壌では根腐れしやすい。細根も深部には少なく表層に集中する。細根の分岐は多いが比較的太く、土壌保持力はそれほど高くない[18]。
利用
文化
下位分類
- タカネミズキ(高嶺水木) Swida controversa (Hemsl. ex Prain) Soják var. alpina (Wangerin) H.Hara ex Noshiro
- 本州の日本海側に分布し、多雪地帯の山地に生育する。低木で葉は円形。
- イシヅチミズキ(石鎚水木) Swida controversa (Hemsl. ex Prain) Soják var. shikokumontana (Hiyama) H.Hara ex Noshiro
- 四国に分布し、山地の高地に生育する。
ミズキ属の植物
- クマノミズキ(熊野水木) Swida macrophylla (Wall.) Soják
- 本州(主に近畿以西)、四国、九州の山地に生え、葉は対生し卵状楕円形。