ミバエ

ミバエ科に属するハエの総称 From Wikipedia, the free encyclopedia

ミバエ(実蠅)はハエ目ミバエ科 (Tephritidae) に属するハエの総称。農業害虫として有名なウリミバエミカンコミバエなど、全世界で1999年現在約570属4,300種あまり[1]、日本では2000年現在69属178種[2]が記録されているが、新種記載、分類の再編、遺伝子解析により、ミバエ科の分類は絶えず更新されている。

概要 ミバエ科 Tephritidae, 分類 ...
ミバエ科 Tephritidae
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハエ目(双翅目) Diptera
亜目 : ハエ亜目(短角亜目) Brachycera
下目 : ハエ下目 Muscomorpha
上科 : ミバエ上科 Tephritoidea
: ミバエ科 Tephritidae
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ミバエ科は英語で"fruit flies"、いわば「果実蠅」と呼ばれている2つの科の中の1つである。もう一方の"fruit flies"のショウジョウバエ科にはキイロショウジョウバエなどのモデル生物として利用される種を含むショウジョウバエ属が含まれており、英語では"common fruit fly"と呼ばれて区別される。英名が似るためショウジョウバエとミバエは混同されることもあるが、ショウジョウバエはミギワバエ上科、ミバエはミバエ上科に属する。

概要

大部分のミバエは植物の組織内部に卵を産み、幼虫は孵化すると周囲の組織を食べ始める。そのため一部の種は農作物に甚大な被害を及ぼす。成虫の寿命はふつう非常に短く、1週間未満のものもいる。

日本では1970年代から南西諸島に蔓延していたウリミバエを、不妊虫放飼法により約20年かけて根絶した事例がある[3][4]

しかし根絶されたウリミバエも再び南方から飛来し侵入する恐れがある。農水省ではウリミバエのほかミカンコミバエ種群、セグロウリミバエクインスランドミバエチチュウカイミバエを「侵入警戒有害動植物」として指定し、鹿児島県や沖縄県でトラップによるモニタリングを行っている[5]

ウリミバエの属すBactrocera 属のミバエは、農業に破壊的な影響を与えるため、世界的に悪名が高い。オリーブミバエ (Olive fruit fly - B. oleae) は、野生・栽培問わずオリーブのみを食樹とする単食性のハエで、オリーブの果実を害し、潜在的には収穫の100%を壊滅させることが可能である。日本ではカボチャミバエB. depressa)が時折カボチャなどを食害する。2025年にはセグロウリミバエの沖縄県や奄美群島への侵入が確認され、防除が行われている。

その一方で、ある種のミバエは生物的防除に使われており、病害生物の低減に寄与している。しかし、その効果は再検討の対象となっている場合もあり、例えばUrophora 属の数種では、放牧地に害を与えるムラサキイガヤグルマギククロアザミ(どちらもヤグルマギク属)などの雑草に対して、これを天敵として制御するだけの効果が期待できるかどうかについては疑問視されている[6]

行動生態学の観点では、一部のミバエでは、交尾に際して顕著な儀式的行動や縄張り行動がみられる。ミバエの多くは明るい色彩を持ち、視覚的に目立つが、一部の種ではハチなどの危険な昆虫に似た色と模様になっており(ベイツ型擬態)、毒針を持たないながらも捕食者を避けることができる。

分類

ミバエ科はいくつかの亜科に分類されている[7]

脚注

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外部リンク

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