シラン (化合物)
ケイ素と水素から成る化合物の一種
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シラン(英: silane)とはケイ素の水素化物で化学式SiH4、分子量32.12の無機化合物である。水素化ケイ素(すいそかケイそ)とも呼ばれる。特異な臭気を有する無色の気体であり、液化ガスとして入手が可能である。
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| 物質名 | |||
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Silane | |||
Silicane | |||
別名
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| 識別情報 | |||
3D model (JSmol) |
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| ChEBI | |||
| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.029.331 | ||
| Gmelin参照 | 273 | ||
PubChem CID |
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| RTECS number |
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| UNII | |||
| 国連/北米番号 | 2203 | ||
CompTox Dashboard (EPA) |
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| 性質 | |||
| H4Si | |||
| モル質量 | 32.117 g·mol−1 | ||
| 外観 | 無色の気体 | ||
| 匂い | 不快臭[1] | ||
| 密度 | 1.313 g/L[2] | ||
| 融点 | −185 °C (−301.0 °F; 88.1 K)[2] | ||
| 沸点 | −111.9 °C (−169.4 °F; 161.2 K)[2] | ||
| ゆっくりと反応する[2] | |||
| 蒸気圧 | >1 atm (20 °C)[1] | ||
| 共役酸 | シラニウム(シロニウムとも) | ||
| 構造 | |||
| 四面体 r(Si-H) = 1.4798 Å[3] | |||
| 0 D | |||
| 熱化学[4] | |||
| 標準定圧モル比熱, Cp⦵ | 42.81 J/mol·K | ||
| 標準モルエントロピー S⦵ | 204.61 J/mol·K | ||
標準生成熱 (ΔfH⦵298) |
34.31 kJ/mol | ||
ギブズの 自由エネルギー (ΔfG⦵) |
56.91 kJ/mol | ||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
主な危険性 |
極めて引火性が高く、空気中で自然発火する | ||
| GHS表示: | |||
| Danger | |||
| H220 [5] | |||
| P210, P222, P230, P280, P377, P381, P403, P410+P403 | |||
| NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
| 引火点 | 該当なし、自然発火性ガス | ||
| ~ 18 °C (64 °F; 291 K) | |||
| 爆発限界 | 1.37–100% | ||
| NIOSH(米国の健康曝露限度): | |||
PEL |
None[1] | ||
REL |
TWA 5 ppm (7 mg/m3)[1] | ||
IDLH |
N.D.[1] | ||
| 安全データシート (SDS) | ICSC 0564 | ||
| 関連する物質 | |||
| 関連する四水素化化合物 | メタン ゲルマン スタンナン プルンバン | ||
| 関連物質 | フェニルシラン ビニルシラン ジシラン トリシラン | ||
ケイ素数2、3の高級水素化物はそれぞれジシラン、トリシランと呼ばれ、それと区別するためにSiH4はモノシランとも呼ばれる。
概要
性質
シランはメタンのケイ素アナログである。ケイ素と比較して水素の電気陰性度が大きいため、このSi–H結合の極性はメタンのC–H結合の極性と逆である。この逆転した極性の一つの帰結として、シランは遷移金属と錯体を形成しやすい。2つ目の帰結は、シランが自然発火性ということである。すなわち、シランは外部点火を必要とせずに、空気中で自然発火する[6]。しかしながら、入手できる(しばしば相反する)燃焼データを説明するのが困難なのは、シラン自身は安定であることや、生産の間により大きなシランが自然に形成されるという事実のせいであり、湿気といった不純物や容器表面の触媒効果に対する燃焼の影響の受けやすさがその自然発火性の原因となる[7][8]。420 ℃以上で、シランはケイ素と水素へ分解する。したがって、シリコンの化学蒸着に使うことができる。
Si–H結合の強さは約384 kJ/molであり、H2中のH–H結合よりも約20% 弱い。その結果として、Si-H結合を含む化合物はH2よりも反応性が高い。Si–H結合の強さはその他の置換基によって多少は影響を受ける。SiHF3、SiHCl3、SiHMe3中のSi–H結合の強さはそれぞれ419、382、398 kJ/molである[9][10]。
危険性
製法
ポリシラン
一般式SinH2n+2 (n > 2) の化合物の総称。ケイ素数が規定できるものはオリゴシランと呼ばれることもある。性質はケイ素を炭素に置換したアルカンとはかなり異なり、低い最低遷移エネルギーを持つなどの興味深い性質を示す。一般にはケイ素−ケイ素結合を構築する反応としてはハロシランのアルカリ金属によるウルツ型カップリングのみが採用されるため、アルカンに比べると化合物の多彩さに欠く。
母体の水素置換体は空気中の酸素により爆発的に酸化され、自発的な燃焼を伴うので取り扱いが困難であることから、ケイ素上にアルキルもしくはアリール基を有する誘導体の研究が多い。特殊高圧ガスである。




