ラーン川

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ラーン川 (ラーンがわ、Lahn)は、ドイツノルトライン=ヴェストファーレン州ヘッセン州ラインラント=プファルツ州を流れるライン川右岸(東側)の支流。全長242km。

Country ドイツ
所在地 Near the Lahnhof in the municipality of Netphen, North Rhine-Westphalia
座標 北緯50度53分32秒 東経8度14分30秒
標高 602 m (1,975 ft)
概要 Lahn, 所在 ...
Lahn
Map of the Lahn from its source in the Rothaargebirge to its mouth near Koblenz

所在
Country ドイツ
特性
水源  
  所在地 Near the Lahnhof in the municipality of Netphen, North Rhine-Westphalia
  座標 北緯50度53分32秒 東経8度14分30秒
  標高 602 m (1,975 ft)
河口・合流先  
  所在地
Rhine at Lahnstein,
Rhineland-Palatinate
  座標
北緯50度18分32秒 東経7度35分42秒
  標高
61 m (200 ft)
延長 245.6キロメートル (152.6 mi)
流域面積 5,925.6平方キロメートル (2,287.9 sq mi)[1]
流量  
  平均 54 m3/s (1,900 cu ft/s)
流域
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行程

ラーン川の水源

ノルトライン=ヴェストファーレン州南東部、ヘッセン州との州境付近のロタール山地南東部にあるロタールシュタイク(有名なトレッキングコース)沿いのネトフェンという町、そのラーンホフと呼ばれる地域にあるラーンコプフという標高612mの斜面にラーン川の水源地はある。川はまず東に向かい、グラーデンバッハ山地の北部をカルデルンまで至り(上部ラーン渓谷)、ヴェトシャフト盆地の南縁を形作る。

ヴィーデンコプフとケルベの間、ブーヒェナウを流れるラーン川

ケルベで、フォーゲルスベルク山地から流れ下ったオーム川合流する。ここから流れは南に向きを変え、マールブルク=ギーセン・ラーン渓谷となる。ここで川は一時、ライン・シーファー山地を離れ、雑色砂岩質の台地(マールブルクの背景となるラーン山地)であるマールブルク(城、エリーザベト教会、旧市街)地域を切り開いて流れる。この後、シュタウフェンブルクの下流で、ギースナー盆地となる。ローラーで東から前フォーゲルスベルク山地に源を発したルムダ川が、ギースナーでは小川でありながら町の発展に重要な役割を果たしたヴィーゼック川が、それぞれ合流する。ヴェッツラー(大聖堂、旧市街、博物館)では、最も大きな支流であるディル川(全長約69km)と合流する。ヴェッツラー付近では、ラーン川とディル川とによってライン山地のヘッセン州部分は、タウヌス(南部)、ヴェスターヴァルト(北西部)、グラーデンバッハ山地(北東部)の三つの部分に分けられる。ラーン川はここから再びライン山地に入る。

ヴェッツラー以降、渓谷は徐々に狭くなり、ロインからヴァイルブルガー・ラーンタール山地に入る。この山地の上流部分である、レーンベルク山地区は、有名なゼルター鉱泉をはじめ、鉱泉が存在する。その下流で川は南に向きを変え、谷底状の緩やかな起伏の地形を流れてゆく。川はヴァイルブルクの町で大きく湾曲しており、ドイツでも類を見ない舟のためのトンネルが掘られている。その後、ホーホタウヌスから流れてきたヴァイル川がラーン川に合流する。アウメナウ付近で進路を再び西に向け、自らがえぐった深さ50mほどの肥沃なリムブルク盆地の底を流れる。ここで2つの支流タウヌスに端を発したエムスバッハ川とヴェスターヴァルトに源流を持つエルプバッハ川とがラーン川に合流する。この付近でデボン紀の石灰の岩盤(ラーンマーモル:ラーンの大理石)が現れ、リムブルク・アン・デア・ラーンの大聖堂は、この大理石によって飾られている。またこの辺りから谷は広さを増す。ディーツで南から流れてくるアール川を容れ、ファッヒンゲン付近の盆地やシーファー山地を200mもの深さに刻み込んだ下部ラーン渓谷を下る。

オバーンホフでゲルバッハ川がラーン川に合流する。ナッサウやファッヒンゲンの鉱泉で知られるバート・エムスを過ぎて、水源から242km、ラーンシュタイン近くの標高61mの地点で、ライン川に注ぐ。

ラーン川とライン川の合流地点。画面手前がラーン川、奥がライン川で、画面右手で合流する。画面左手奥、ライン川の対岸にシュトールツェンフォルス城が見える。

歴史

  • 石器時代にはすでに、ラーン川地域に人が住んでいた。たとえばディーツ近郊やヴェッツラーでこの時代の発掘品が見つかっている。
  • ローマ時代には、おそらくエムス城に利用されていた。ヴェッツラーの町はずれヴァルトギルメスで見つかったローマ時代の町の設備はかなり充実している。
  • 600年前から、LaugonaLogana、あるいはLogeneといった名称で呼ばれた。名前は時代によってたびたび変化した。この名前の意味は分かっていない。ゲルマン以前の言葉に由来するのかもしれない。
  • 13世紀になると、現在マールブルク=聖ヤコブス病院のある場所に、巡礼者のための宿ができた。これは、おそらくラーン川を渡ってサンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう巡礼者のためであると思われる。
  • 1365年が、現在の名称が使われた事が確認できる最も古い年である。
  • 1600年頃には、舟の航行が可能になり、牽引路が敷設された。年4-5ヶ月は航行が可能で、約500艘の舟が船団に所属した。
  • その後、徐々に航路は拡大し、1808年からはディーツ近くのアール川との合流点まで航行できるようになった。貨物はここで陸路に積み替えられた。
  • 1964年にラーン川の拡張が完成し、300tクラスの船舶が航行できることとなった。
  • 1981年、ラーン川の貨物輸送は終了。今日では、ラーン川を航行するのは、専らレジャー目的の船舶のみである。
  • 1984年、ラーン川沿いに歴史的な洪水が発生。多大な損害を被った。この後、中央洪水警告サービスやギーセン行政地域(Regierungsbezirk Gießen)による洪水防止策が講じられた。

産業と行楽

ディーツでラーン川の川遊びを楽しむレジャーボート

ラーン川の中下流域は、舟で航行することができ(リムブルク近郊のデールンまでは途切れることなく遡上できる)、いくつかの水門も用意されている。カヌーや手漕ぎボートあるいは小型モーターボートによるレジャー客の水路として有用である。モーターのない船舶専用の水路はマールブルク近くのロートから利用することができる。

ラーン渓谷自転車道のルートサイン

ラーン川は、また、様々な手段で楽しめるように開発されている。観光街道ラーンの休日街道 (de: Lahn-Ferien-Straße) に沿って、ラーン渓谷自転車道 (de: Lahntal-Radweg) が整備されている。これらには、フロイディンクとマールブルクの間に上部ラーン渓谷鉄道 (de:Obere Lahntalbahn)、マールブルクとギーセンの間にはマイン=ヴェーザー鉄道 (de:Main-Weser-Bahn)、ギーセンとフリードリッヒスゼーゲンの間にはラーン渓谷鉄道 (de:Lahntalbahn)がそれぞれ併走している。ハイカーにはラーンヘーヘンヴェグ(de:Lahnhöhenweg)という295kmのトレッキングコースもある。

ラーン川には19の水力発電所が設けられている。

自然環境

ラーン川に浮かぶ白鳥

1999年の河川水質等級(クラスIからVまで)で、ラーン川は、生物学的等級がクラスII、化学的等級がクラスIと分類された。いずれも自然に近い状態だと考えられる。

支流

ラーン川に合流する支流を以下に記す。並び順は上流から下流の順。( )内は、スペル、ラーン川から見た合流方向と比較的大きな支流については全長を示す。

水源からマールブルクまで

  • イルム川(Ilm 左岸)
  • アーバッハ川(Ahbach 左岸)
  • イルゼ川(Ilse 右岸 7.6 km)
  • バンフェ川(Banfe 右岸 10.7 km)
  • ヴァーバッハ川(Wahbach 右岸)
  • ラースフェ川(Laasphe 左岸 7.6 km)
  • プーダーバッハ川(Puderbach 左岸)
  • ハインガッハ川(Hainbach 左岸)
  • ペルフ川(Perf 右岸 16 km)
  • グラウバッハ川(Graubach 左岸)
  • マーティンスバッハ川(Martinsbach 右岸)
  • ダウトフェ川(Dautphe 右岸 8.5 km)
  • カッツェンバッハ川(Katzenbach 左岸 4.5 km)
  • エレンバッハ川(Ellenbach 左岸)
  • ラウターバッハ川(Lauterbach 左岸)
  • ヴァルツェンバッハ川(Warzenbach 左岸)
  • ケルンバッハ川(Kernbach 右岸)
  • ミュールグラーベン川(Mühlgraben 右岸)
  • ローデンバッハ川(Rodenbach 左岸)
  • ヴェトシャフト川(Wetschaft 左岸 22 km)
  • オーム川(Ohm 左岸 59 km)

マールブルクからヴェッツラーまで

  • アルナ川(Allna 右岸 17 km)
  • ツヴェスター・オーム川(Zwester Ohm 左岸 22.9 km)
  • ザルツベーデ川(Salzböde 右岸 25 km)
  • ルムダ川(Lumda 左岸 33.7 km)
  • ヴィースマールバッハ川(Wißmarbach 右岸)
  • ヴィーゼック川(Wieseck 左岸 20 km)
  • クロップバッハ川(Kroppbach 右岸)
  • ビーバー川(Bieber 右岸)
  • ヴェルシュバッハ川(Welschbach 左岸)
  • アツッバッハ川(Atzbach 右岸)
  • ディル川(Dill 右岸 69 km)

ヴェッツラーからリムブルクまで

  • ゾルムスバッハ川(Solmsbach 左岸)
  • イーゼルバッハ川(Iserbach 左岸)
  • ウルムバッハ川(Ulmbach 右岸)
  • カレンバッハ川(Kallenbach 右岸)
  • ヴォルストバッハ川(Worstbach 右岸)
  • ヴァルダーバッハ川(Walderbach 右岸)
  • ヴァイル川(Weil 左岸 50 km)
  • オーダースバッハ川(Odersbach 右岸)
  • ケルカーバッハ川(Kerkerbach 右岸)
  • エムスバッハ川(Emsbach 左岸)
  • エルプバッハ川(Elbbach 右岸)

リムブルクからラーンシュタイン

  • ハムバッハ川(Hambach 右岸)
  • ハイシュテンバッハ川(Heistenbach 右岸)
  • アール川(Aar 左岸 60 km)
  • ランゲンバッハ川(Langenbach 右岸)
  • ダウバッハ川(Daubach 右岸)
  • ヴァーゼルバッハ川(Waselbach 右岸)
  • デュルスバッハ川(Dörsbach 左岸)
  • ゲルバッハ川(Gelbach 右岸 25 km)
  • ザウアーバッハ川(Sauerbach 左岸)
  • エルゼバッハ川(Elsebach 右岸)
  • ウンターバッハ川(Unterbach 右岸)
  • ルルスバッハ川(Rullsbach 左岸)
  • ヴィースバッハ川(Wiesbach 左岸)
  • ブラウネバッハ川(Braunebach 左岸)
  • ファハバッハ川(Fachbach 右岸)

他の川

  • ラーン川の水源のわずか5.5km北西にエーダー川の水源がある。
  • ラーン川の水源のわずか3km北にジーク川の水源がある。

流域の街

ラーン川沿いのヴェッツラー旧市街
ルンケル城とラーン川

外部リンク

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