元帥

軍隊、保安官などに用いられる称号 From Wikipedia, the free encyclopedia

元帥(げんすい、: Marshal(陸軍、空軍)、Admiral of the fleet他(海軍)[注釈 1])は、軍隊における階級、または称号。元帥号とも。階級を示す場合には大将よりもさらに上位で軍隊における最上級の階級であり、称号を示す場合には大将または上級大将の階級を持つ者の中から選ばれることが一般的である。広義の元帥には「大元帥・元帥・将帥次帥副元帥代帥」などが区分されることもある。陸海空軍で呼称の異なる元帥を総称しFive-star rank(五つ星)と呼ぶこともある[注釈 2]

語源

漢字文化圏における「元帥」の語の語源は『春秋左氏伝』での僖公27年(紀元前633年)冬のの郤縠の言葉とされる[注釈 3]末、朝の始祖となる李淵が右元帥と左元帥を設けた。

英語「Marshal」(陸軍元帥)の語源はフランク王国指揮官の職名、国王の厩舎を預かる役人、転じて戦争時における国王の補佐役[5]に由来するという。歴史的にはこの語は必ずしも最高位でなく、フランスの「maréchal de camp」、ポルトガルの「marecal de campo」およびスペイン「mariscal de campo」(英語のfield marshalに相当)は陸軍元帥ではなく少将に相当する階級(中将と准将の間)であったため、注意を要する。フランスでは1793年に「général de brigade」(1949年に准将位に改正)に改称されるが、1812年から1848年の間は本呼称に戻されていた。ポルトガルでは1864年に「general de brigada」、1947年に「brigadeiro」、1999年に「major-general」と三度改称している。そして、スペインでは1889年に「general de división」へと改称された(師団将軍#スペインおよび旅団将軍#フランスを参照)。また、フランス陸軍の機甲科、騎兵科、砲兵科、輜重科および国家憲兵隊ではsergentおよびsergent-chefに替わってmaréchal des logisおよびmaréchal des logis-chefと呼称しており、下士官の階級呼称として使用する例もある。フランス陸軍の元帥をmaréchal de France 呼称するのは下士官の階級との差別化の意味合いも含まれている。なお英語「marshal」は「元帥」を表わすほかにも「(儀式の準備と運営を)担当する者」、モーターレースでは「コース係員(一般)」を指す名詞として、動詞としては「(軍隊などを検閲やパレードのために)整列させる」意味で使用されるため、和訳については文脈に依存する。

海軍元帥の「admiral(of the fleet)」の語源は中期ラテン語admiror(賞賛する・尊敬する)の影響があると考えられるものの、アラビア語ʔamīr al-ʔumarāʔ(エミールの中のエミール、総司令官)の最初の単語が借用されたものと考えられている。

名称

漢字文化圏では一般的に陸海空軍士官の階級名には共通のものが用いられ、必要に応じて陸海空の区分が冠されることが多く、元帥の場合も同様であるが、欧米圏においては陸海空軍毎に元帥に相当する階級名が異なっている。また、広義の元帥は階級とされていても個別的な称号的色彩が強く特定の国家においても多様なものとなることが多い。

かつて徴兵制・総力戦が当然であった時代は、戦時において軍隊の規模が膨れ上がったときに、増加した大将を束ねる最上位の階級として元帥相当の階級が実務上も要請されていたケースが多かった。しかし、第二次世界大戦後は、各国においても軍隊の規模(とくに人的規模)が縮小され、また大規模な戦争もあまり行われていないことから、西側諸国においては元帥(さらにその上の大元帥)の実際の就任例は少ない。現代においては、元帥以上の階級を設置している、あるいは設置しようとしている国や地域でも、あくまで名誉職にとどまっているケースが大半である。

一方で北朝鮮の朝鮮人民軍においては大元帥共和国元帥、人民軍元帥、次帥と、元帥の階級が細分化されている。共和国元帥以上は国家の最高指導者たる金日成金正日金正恩のみに付与される名誉称号であり、大元帥の階級は金日成の最晩年と金正日の死後に贈られた。

各国の元帥

脚注

参考文献

関連項目

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