判例時報
日本の雑誌
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概要
主要な最高裁判例及び重要な下級審判例の全文を掲載しており(ただし別表等は省略されることがある)、冒頭にその判例の背景、要旨、意義等についての解説が付されている。
判例タイムズ誌と並ぶ最も一般的な判例紹介誌であり[2]、判例を入手し、書籍や論文等に引用するためによく用いられる。
民集・刑集等の公式判例集に登載されていない判例(時にこれらの公式判例集に登載されている判例も)で本誌に掲載されたものは、本誌の号数と冒頭のページ数をとって「東京地判平成○年○月○日判時○号○頁」[3]のような形で引用されることが多い。
また、例年「最高裁判所民事(刑事)破棄判決等の実情」など最高裁判所調査官が最高裁判例を紹介・解説した記事が掲載されるほか、各種連載記事や論文も掲載されている。2017年より判例時報賞として学術論文を公募し、表彰・誌上に掲載している。なお、判例時報社としては少数ながら、単行本の刊行も行なっている。
毎月1日号には別冊として「判例評論」が綴じ込まれている。2022年より紙版の購読者(紙版に搭載されたシリアルナンバーの入手者)に限り、電子版の販売が開始された。もともと、月3回発行・縦組み判型であったが、2025年4月より誌面の大幅リニューアルを行い、判決原本の書式に合わせて誌面を横組み化。また同時に刊行ペースも月2回発行となる。
判例時報賞
2017年より判例時報賞として法学研究者と法曹実務家を対象に学術論文を公募し、表彰・誌上に掲載している[4]。これまでのところ、受賞者は奨励賞、特別賞、審査委員特別賞のいずれかでの選出であり、大賞である判例時報賞は選出されていない。誌上で発表された受賞者は以下。
第1回(2017年)
平野哲郎(奨励賞) 「医師民事責任の構造と立証責任 ― 医療過誤の契約法理による解決 ―」
山内久光(奨励賞) 「遺産分割審判に関する『平成28年12月19日付け最高裁大法廷決定』についての一考察― 払戻に応じた金融機関の保護について ―」
第2回(2018年)
木岡昌裕(奨励賞) 「実質的担保目的の認定――その基本的視座の探求と平成18年2月7日最高裁第三小法廷判決の解釈」
清野正彦(奨励賞) 「法規範の分析を通じて法解釈及び紛争解決に新たな視点を導入する試み」
第3回(2019年)
舘彰男(奨励賞) 「幅のある真実――合法性の原則の超克による租税争訟における和解の許容性――」
第4回(2020年)
古谷真良(特別賞) 「民事手続きにおける制裁の淵源と限界」
近藤博徳(特別賞) 「民法787条但書の憲法14条1項適合性」
第5回(2021年)
黒川健(奨励賞)「受益者連続型信託における受託者の公平義務」
第6回(2022年)
渡邉拓(特別賞) 「追完請求権を巡る実務上の諸問題についての総合的考察」
大角洋平(特別賞) 「身体拘束中の被疑者に対する取調べ前の権利告知制度の機能的分析」
第7回(2024年)
西内康人(奨励賞) 「連帯債務と債務発生原因」
吉永公平(特別賞) 「努力義務化する社会への警鐘-努力義務の義務性を中心とした努力義務規定の多角的法的検討-」
第8回(2025年)
山本真(奨励賞) 「家事審判・調停における単純執行文の要否に関する一考察」
佐々木優(特別賞) 「『実演家』の新たな形態と法制一外国法における子どもインフルエンサー法立法の動向を視野に入れて」
なお、 本誌で公表されなかった審査委員特別賞と特別賞につき、他誌発表論文から受賞者がうかがえる。第1回審査委員特別賞・巽智彦(受賞当時・成蹊大学法学部准教授、現・東京大学法学部准教授)[5]、第5回特別賞・西内康人(京都大学法学部教授)[6]など。