カラスビシャク
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名前
分布・生育環境
形態・生態
小形の多年草[7]。地下の根茎または、葉柄や地面の近くにむかごを作って繁殖し、駆除が困難なほど繁殖力は旺盛である[2][7]。
地下茎は1センチメートル (cm) 内外の球形で[7]、その上から根と茎葉が出る。草丈は20 - 40 cm[2][3]。葉は、球茎から伸びて立ち上がり、長い葉柄がついて先端につく[5]。葉身は卵形から矛形、3小葉の複葉へと変化し、若いものは1葉のものもある[7][8]。3小葉の基部や、長さ8 - 16 cmの葉柄の途中には、三角形のムカゴをつけ、落ちて繁殖する[3][7][1]。
開花期は初夏から夏(5 - 8月)で雌雄同株[2][3][9]。花茎が1本立ち上がり、葉よりもずっと高く、頂にマムシグサの花のような長さ6 - 10 cmある仏炎苞に包まれた肉穂花序をつける[7][5][6][1]。花軸の上部は雄花群、下部に雌花群をつける[8]。テンナンショウ属のものによく似た花で、苞の色は紫色か緑色である[7]。花序の軸の先端が糸状に細長く伸びて苞の外に出ているので[3][7]、ウラシマソウを小さくしたような花序の姿をしている。ただしこの属の特徴として雌花序部が背面で仏炎苞に癒合しているので、筒部の下半分がやや細くなって見える。
夏に花が終わると地上部は枯れる[7]。
分類
変異
変異が多く、カラスビシャクの下位分類に次の3品種がある。
- シカハンゲ Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. angustata (Schott) Makino -3枚の小葉が線形になる。
- ムラサキハンゲ Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. atropurpurea (Makino) Ohwi -苞の内側が暗紫色になる。
- ヤマハンゲ Pinellia ternata (Thunb.) Breitenb. f. subcuspidata Honda -小葉の先端が長く伸びる。
生薬
根茎の皮のコルク層を除いて乾燥させたものは、半夏(はんげ)という生薬であり[2][7]、日本薬局方に収録されている。半夏は、なるべく大きいのがよく、桶に砂と一緒に根茎を入れて水を加え、板で攪拌して外皮を完全に取り除き、水洗いを重ねて砂、皮を取り除いて、生石灰粉をまぶして、筵に広げて天日干しして作られる[7]。
鎮吐作用のあるアラバンを主体とする多糖体を多く含んでおり、半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)などの漢方方剤に配合される。他にホモゲンチジン酸を含む。またサポニンを多量に含んでいるため、痰きりやコレステロールの吸収抑制効果がある。またかつては、つわりの生薬としても用られていた[12]。半夏の用量は1日量1.5 - 4グラムであるが、処方は漢方処方に従うのが良いとされる[7]。なお、乾燥させず生の状態では、シュウ酸カルシウムを含んでおり食用は不可能。
