古代ペルシア語
イラン語派に属する言語
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概要
音声
古代ペルシア楔形文字の制約により、正確な音韻には不明な点も多いが、母音は a ā i ī u ū ai āi au āu があったと考えられている。ただし後期には ai au は ē ō に変化していた[3]。音節形成的な r (r̥) もあったと思われるが、つづりの上では単に ar と書かれている。
子音は、つづりの上で以下の22種類を区別する[4]。
ほかに ç と翻字される音がある。この音はアヴェスター語の θr に対応し、s に近い音だったと考えられるが、正確な音価はわかっていない[5]。例:puça「息子」(アヴェスター語: puθra, サンスクリット: putra)。
側面音 l は外来語にのみ現れる。例:Lab(a)nāna「レバノン」[6]。
形態論
語順
古代ペルシア語の語順はかなり自由であるが、基本的には SOV で、形容詞はNA型で修飾する名詞に後置される。否定辞は動詞の前に置かれる。
例文
ベヒストゥン碑文より。
ラテン文字翻字: Θātiy Dārayavauš xšāyaθiya: Pasāva hadā kārā adam ašiyavam abiy Sakām, pasā Sakā tayaiy xaudām tigrām baratiy.(下線部は動詞)
逐語訳: 王(xšāyaθiya)ダレイオスは(Dārayavauš)言う(θātiy、三人称単数現在): その後(pasāva)軍隊(kārā、単数具格)とともに(hadā)私は(adam)サカ(Sakām、単数対格)へ(abiy)、行った(ašiyavam、šiyav-「行く」の一人称単数過去)、[関係代名詞](tayaiy、複数男性主格)とがった(tigrām、単数女性対格)帽子を(xaudām、単数女性対格)持つ(baratiy、三人称複数現在)サカ族(Sakā、複数対格)の後を(pasā)。
意訳:ダレイオス王いわく、その後軍隊と共に私はサカへ、とがった帽子を持つサカ族の後を追った。