撒菱
忍者が用いる道具
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撒菱(まきびし)とは、忍者が用いる道具のひとつである。逃げる途中にばら撒くことで追手に怪我を負わせる、またはそれを踏まないようにするために追手の速度を落とさせる効果がある。撒蔆、撒き菱とも表記される。
概要

(右の1セント硬貨は比較用)
もともとは水草であるオニビシやヒメビシの実を乾かしたものを使用した。菱の実、あるいはそれを模したものも三角錐の形状をしており、基本的にどのように置かれても、刺が上を向くようになり、追っ手の足を傷つけるように出来ている。木や竹から削りだした物もある。前近代の日本では藁製のわらじの着用が軍装においても一般的であったため、木質のものや正四面体程度の頂点角のものであっても歩行を困難にすることができる。
鉄製のものをイメージしがちだが、使い捨ての道具としては重く、かつ、高価で持ち運びに不便なので、個人の使用には向かない。手で持てる量にも当然限度があり、逃亡の際に用いるには実用性が低い。決めておいた逃亡用の道に予めばらまいておき、使用者はすり足で走り抜け、それに気づかない追手は踏んでしまうことを利用した戦法が実用的である[1]。
菱の実を使用するものは天然菱、木製のものは木菱、鉄製のものは鉄菱と呼ばれる。八王子城では、土製で素焼きの撒菱と思われるものが出土している[2][3]。
持ち運びの際には竹筒に入れるのが一般的である。こうしておくと振り付けるようにして敵の顔面に投げつけ、武器として使うことも可能であった。[要出典]